伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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ジブリ・ジャズ 生きている不思議 死んでいく不思議

2024-06-29 22:27:12 | JAZZ オーディオ

ジブリのアニメに使われた歌や曲を

ジャズとして演奏したり歌ってるアルバムがあります。

それがジブリ・ジャズ。

CDでは1と2が発売されました。

 

小さなお子さん連れのお客さんが

ジャズカフェ・アニタにいらした時には、

ジブリ・ジャズを流すようにしています。

 

お子さんが帰られたあとで、

常連さんと一緒にジブリ・ジャズ2を聴いていて

ある歌にとても惹かれました。

その歌は『いつも何度でも』。

 

「千と千尋の神隠し」に使われた曲です。

映画では木村弓さんが歌っていますが、

ジブリ・ジャズでは、桑原由里子さんです。

 

だれもまねできない、

こころに直接触れるような歌い方。

そして歌詞がいいんです。

(歌詞の全文はこちら

いいな、と思った歌詞の一部をご紹介。

 

  繰り返すあやまちの そのたび ひとは

  ただ青い空の 青さを知る

 

人は過ちを繰り返します。

どうしようもなくなって、空を見上げると、

どこまでも青いそら

 

 

 

  生きている不思議 死んでいく不思議

  花も街も風も みんなおなじ

 

哲学でも宗教でも、なぜ人は生きるのか?

人生とは?いかに生きるか?等は大問題。

しかしここでは「死ぬこと」も「不思議」ととらえ、

ふわっと投げます。

善か悪か、100かゼロか、敵か味方か、などと

世の中すべてを単純に二分することはできません。

早急に結論を出して決めつけるのではなく、

あいまいなまま、不思議な事として

人生の中でつきあっていく、という印象を受けました。

 

だって人は気がついたときはもう生きているんだもん。

自分の意志で生まれることもできません。

気がついたらすでに生きていることがデフォルト。

そして多くの人にとって自分の「死」は最大の問題。

いつまでも若くいたい、死にたくない、というのは

秦の始皇帝よりも昔からの人の煩悩だと思います。

 

しかし人は必ず死ぬのですから、

自分だけ逃れようとしてあがいても無意味。

死ぬことを「不思議ね」と置くことで、

過剰な恐れや囚われの心から軽やかに離れます。

 

「花も街も風も みんなおなじ」という歌詞も印象的です。

人にしか共感できない人も多いと思いますが、

花も街も風も、今同じ空間の中で、

いっしょに時を過ごしているのです。

立場はそれぞれちがっても、今ここに在るという意味では

「みんな仲間」という意識なのでしょう。

 

心理学者の河合隼雄さんの言葉があります。

「あんた、花してはりまんの? わて、河合してまんね」

 

イスラム文化研究者、哲学者、思想家の井筒俊彦氏の本を、

河合隼雄氏が読み本に書きました。

井筒さんによれば、瞑想をすると自分が

『ただ存在しているとしか言いようのないもの』

で成り立っていると感じるそうです。

同時に、周囲にある森羅万象すべても

『存在としか言いようのないもの』で出来上がっている

と感じられる意識状態になる。

 

『人は〝花がここに存在する〟と表現するが、

〝存在というものが花をしている〟

と表現してもおかしくないのではないか』。

井筒さんは本に書いたそうです。

 

この本を河合さんが読み、著書の中で

あんた、花してはりまんの? わて、河合してまんね

と表現しました。

 

 

 

  海の彼方には もう探さない

  輝くものは いつもここに

  わたしのなかに 見つけられたから

 

ある哲学では、人間一人は世界一つの価値がある、

というような見方をしています。

ここに宇宙や地球があったとしても、

それがあることを意識する誰かが存在しなければ、

そこに宇宙や地球があることは誰にも気づかれません。

つまり無いことと同じ。

「世界(地球)はこういうものだ」という

絶対唯一の視点はありません。

人の数だけ認識されたそれぞれの世界が存在しているのです。

だとすれば、人が一人亡くなることは、

世界が一つ滅びることと同じなのです。

 

この考え方を踏まえて、先ほどの歌詞を味わいます。

  輝くものは いつもここに

  わたしのなかに 見つけられたから

 

いくら自分の外に輝くものを探そうとしても、

それは他人が持っている輝きでしかありません。

自分にとっての「輝くもの」は、

各人が自分の心の中に見つけていくしかないのです。

 

そうであるなら、

日本という国を輝かすには、

安倍内閣の最優先政策であった物価を2%上昇させるとか、

GDPをもっと増やすという方法ではだめでしょう。

日本に住むみんなが自分の心の中に、

輝くものを見つけて、それを意識して生きることが

「幸せ」につながるのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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