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伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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知的戦闘力を高める「独学の技法」 山口周 ダイヤモンド社

2019-10-08 20:19:44 | 大きな時代の変革期
現代日本の知的ワーカー必読の書
世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?
の著者、山口周さんの本のご紹介。

仕事や生活を
知的かつ主体的に取り組む方には
この本「独学の技法」もお勧めです。
要点をお伝えします。



(現状最適では打破できない)

現代社会のさまざまな領域において発生している
制度疲労を打破するには、
疲労した現行システムを前提にした知識ではなく、
もっと本質的かつ骨太な知性が必要。

現代の経営学は、現代の世界のありようを前提にして、
その中で「いかにうまくやっていくか」を研究している学問。
経営学と言うのは、いかに「現在のシステムに最適化するか」
ということを研究する学問。

「システムを前提にしない知識」とは哲学が典型。
本書の文脈で表現すれば「システムを批判的に考察する技術の体系」。
システムを与件として考えることなく、自分が依拠している
システムそのものを批判的に考察し、
場合によってはシステムの改変やリプレースを提言する。



(独学による知的戦闘力の向上)

私(山口)の場合は
「人文科学と経営科学の交差点で仕事をする」
という大きな戦略を立てています。

したがってその分野の知識が武器として重要であり、
独学のカリキュラムはそのプライオリティに従って組み立てられます。
逆に言えば「何をインプットしないのか」を明確化することでもある。

現代社会の情報がオーバーフローしている状態なので、
知的生産システムのボトルネックは「インプットの量」ではなく、
「インプットの密度」にあります。

自分の戦略や文脈に適合する、費用対効果の高い情報の密度を
いかにして維持していくか、という点が重要になっている。
「情報の密度」を高い水準に保つには、
いかにして「(価値の低い)情報を遮断するか」がポイント。

他の多くの人が知っている情報は、
知的戦闘力の向上という観点からすれば1ミリの価値もありません。
差別化の源泉にはならない。私たちの時間には限りがあります。



(批判的態度を失った丸呑み型読書の危険性)

知的戦闘力を向上させるために読書は欠かせない。
しかし、「丸呑み型読書」を繰り消していたのでは、
「物知り」にはなるかもしれないが、領域を横断しながら、
しなやかな知性を発揮するような「知的戦闘力」を獲得することは難しい。



(「常識を疑え」のアサハカさ)

「常識を疑う」行為はとてもコストがかかる。
一方で、イノベーションを駆動するには
「常識への疑問」がどうしても必要になり、パラドクスが生まれる。

これを解くカギは一つ。
「見送っていい常識」と「疑うべき常識」を見極める選球眼を持つこと。
この選球眼を与えてくれるのが「厚い知的ストック」。



(多田コメント)

どこかに書いてあることや、インターネットで調べれば
すぐ分かるようなことを知っているだけでは、
知的な付加価値はありません。

自分の仕事や研究の対象・分野において、
いかに自分独自の価値を乗せていくかが課題。
著者の山口周さんの場合は、経営学と人文科学の交差点が仕事場。

情報はどんどん古くなりますので、
知的ワーカーは絶えず学んでいく姿勢が大切。

人に習ったり、本に書いてあることをそのまま丸暗記するだけでは、
思考の材料にはなりますが、それだけでは付加価値は生まれません。

この本は独学をいかに効率的に、戦略的にすすめるべきか
という参考書です。
私たちの持ち時間には限りがあり、インプットに充てられる時間も
限りがあります。
いかに不要な情報や、自分にとって役立たない情報をシャットアウトするか。
そして自分にとって価値を生む源泉となる情報や知識の
密度を高めていくかが課題。

どんな優秀やコンピューターでも、
ゴミしか入力しなければ、出てくるのはゴミです。



「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」を解説した多田のブログ

第1回 経営におけるアートとサイエンス 2019/03/05
第2回 世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか? 2019/03/06
第3回 論理と 直感と 美しさ 2019/03/06
第4回 悪とは、システムを無批判に受け入れること 2019/03/06
第5回 人間を理解する挑戦 2019/03/07












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