精神世界(アセンションについて)

このブログの内容は、色々なところから集めたもので、わたくしのメモであって、何度も読み返して見る為のものです。

インナーマリッジ~内なる結婚~ [21]~[25]

2008年05月02日 | Weblog
インナーマリッジ~内なる結婚~ [21]


 とんでもない事件?



 英国の貿易商の“一人娘”が誘拐されたんだ


 えっ・・



 外人居留地は騒然となった


 
 それはそうでしょうね

 で、誘拐の目的は何だったのですか?



 何だったと思う?



 ・・う~ん、普通に考えると「お金」ですよね



 だよな、でもそれが違っていた

 誘拐犯が娘の両親に要求したのは・・

 「結婚」だったんだ



 はぁ?どうゆうことですか






 すべては、誘拐犯と娘の“狂言”だったんだよ

 二人は外人居留地で出会い、恋に落ちたんだが

 娘の親から付き合いを猛反対されていた

 なぜなら、男が東南アジアの人間だったからさ


 
 ああ、なるほど・・

 それで強硬手段にでたというわけですね



 そう、その当時は国際結婚はほとんどタブーだったからね

 そして娘も連れ戻され、男もお咎めなし

 でも「これで一件落着!」

 というわけにはいかなかった



 また何か?


 
 家に戻った娘は、まったく食べ物を口にしなくなったんだ



 すごい!それだけ愛していたってことだわ



 これには両親もほとほと参ってしまった

 無理やり口に食べ物を押し込むわけにはいかないからね

 そしてついに娘の両親は白旗を上げたんだ



 愛は勝つ!素敵!



 おいおい(笑)

 ところが、この事件がさらに大きな問題を

 引き起こすことになったんだ

 ・・まだいたんだよ

 
 
 何がいたのですか?



 異国人カップルだ・・それも一組や二組ではなかった



 はぁ・・それは大変だ





 誰にとっても、もはや“対岸の火事”ではなくなった

 そして、ついに外人居留地全体の大問題に発展したんだ

 ただヨーロッパ、アメリカ、アジア諸国

 それぞれの国が、それぞれの正義を主張したから

 まったく収拾がつかなかった

 大国の圧力で、ある小さな国は、居留地から追い出されそうになった

 まさに一触即発の状況さ



 それで、どうなったのですか?



 すべての国が代表者を一名選ぶことになった

 いわゆる“賢者”と呼ばれる人間だ

 彼らが話し合って、決めたこと

 そのことに、外人居留地全体が従うことにしたんだ

 彼らは、連日連夜、ある場所に集まって話し合った

 その“ある場所”というのが、この館だったんだ




インナーマリッジ~内なる結婚~ [22]



すごい!

 この館に世界中の“賢者”が集まってきたんだ

 じゃあ、すぐに解決策が見つかったんでしょうね




 と思うだろ

 でも実際は、その反対だったのさ

 みんな国の利益と自分の名誉を背負ってきているからね

 いつまで経っても、持論の“正しさ”を主張する

 弁論大会は終わらなかった


 
 はぁぁ・・なんか悲しいわ

 問題は“恋愛”のことなのに

 なぜ“正しさ”が必要なのかしら



 おっ、なかなかするどいじゃないか!



 えっ、そうですか?

 当たり前のことだと思ったんですけど



 そう、誰もが“正しさ”にこだわりすぎて

 「問題の本質」を見失っていたんだよ

 陽子なら、この問題の本質がどこにあるかが

 わかるはずだ



 う~ん・・

 恋人たちの“幸せ”かな



 その通りだ

 本質を見失った弁論大会は

 地球を周回する人工衛星のように同じところを

 グルグルと回っていただけだったんだ

 なんと36日間もだ



 36日って

 全然、賢者じゃないじゃないですか



 そう、ただ一人を除いては



 えっ、一人いたんですか?



 この会議の議長をやっていた

 中国の古美術商の爺さんさ

 この爺さんだけがまだ一言も自分の意見を

 発言していなかったんだ


 
 36日間も?



 そう

 どの国の賢者も、この爺さんを最初から

 相手にしていなかったんだ

 ただの飾り物だからほっとけばいいとね



 ひどいわ



 そして36日目にまったく誰も意見をしなくなった

 もう言いたいことをすべて言い尽くしてしまった

 というわけだ

 そのとき、初めてその爺さんが手を挙げたんだ



  


  わしも発言していいかな




インナーマリッジ~内なる結婚~ [23]


 それで、そのお爺さんは何と言ったのですか?


 
  すべての意見は“正しい”が

  同時にすべてが“間違い”である


 と言ったのさ

 場内は、静まり返った

 そして「クレイジーな爺さんだ」とみんな笑った

 爺さんは構わずに続けてこう言ったんだ

 
  あなたたちは、確かに“賢者”であるが
 
  同時にどうしようもない“愚者”である 

 
 
 ひゃあー お爺さんいきなりやりますねー


 
 これには、さすがに出席者全員が激怒した

 みんなプライドがそのまま服を着ているような

 連中だったからね

 いったいどういうことだ

 説明しろと爺さんに詰め寄った



 いきなり絶体絶命のピンチじゃないですか・・


 
 いやそれがそうではなかったんだ

 爺さんは最初からそれが狙いだったんだな

 彼らの注目を集めるには、彼らが大切にしているものを

 刺激すればいいことを爺さんは知っていた



 なるほど~

 プライドにこだわる男性が多いですもんね~

 それでどうなったんですか






 手元にあった巻物をするするっと開いて

 爺さんはこう言った

 「これがすべての答えである」



 黄門様みたい(笑)

 それで巻物には何と書いてあったのですか?


 
 文字ではなく、ひとつの図が書かれていたんだ

 そこのテーブルに古書があるだろう

 その古書の最初のページを見てごらん



革張りのブックカバーに

 Inner marriage ~Japanese version~ 

と刻印されている古書を陽子は手に取った。


 ・・これですね


古書を開くと、最初のページにひとつの図と

メッセージが記されていた


  

 目覚めよ

 すべての答えはあなたの中に眠っている





インナーマリッジ~内なる結婚~ [24]


 このマーク・・

 どこかで見たことがあるわ





 あっ、そうだ!

 ハワイで買ったTシャツにプリントされたのと同じだわ

 このマークに一体どんな意味があるのですか?



 これは「太極図」というんだ

 「陰陽太極図」とも呼ばれているけどね

 古代中国で生まれ、道教のシンボルマークとして世界中に広まった

 “宇宙の原理原則”を教えてくれる図なんだよ



 宇宙の原理原則・・

 こんな単純な図なのに



 そうさ

 原理原則というのは、常に“単純明快”だ

 人間という動物は、なんでもむずかしく考えるのが得意だからね

 真実は、複雑で難解なものだと信じて疑わない

 だから36日間も賢者たちは議論を繰り返したんだ

 でも、何も解決策が出てこなかった

 なぜだと思う?




 ・・・原理原則を知らなかったから



 その通り

 中国人の爺さんは、宇宙の原理原則を熟知していた

 問題なんて、最初からどこにもないことを知っていたんだ

 だから彼らの議論には入らなかった



 ちょっと待ってください

 「問題はどこにもなかった」・・ってどういうことですか?

 問題が起こったから、この館に国の代表が集まってきたんですよね




         Photograph by NASA (c)2007 National Geographic

 問題が“起こった”のではなくて

 問題を“創造した”んだ

 最初に言ったよね、人間は「宇宙の創造主」だって

 宇宙はひとつじゃないんだよ

 生命の数だけ宇宙が存在しているのさ

 同じ出来事でも

 問題があると思う人の宇宙には、確かに問題が在るし

 ないと思う人には無い

 ただそれだけの話なんだよ



 はぁ・・なんか気が抜けちゃいました

 そんな単純でいいの?って感じです



 (笑)そう思うのも無理はないな

 僕もこの話を聞いた時は、頭痛がしたよ




 それで、お爺さんはどうやってその場を収拾したのですか?



 「宇宙の成り立ち」について話をしたのさ

 それを聞いた賢者たちは、また黙ってしまった

 まったく聞いたことがない話だったからね

 賢者の一人が立ち上がって、爺さんと議論したが

 まったく歯が立たなかった


 爺さんの話は、シンプル過ぎて、彼らは混乱していたんだ

 彼らが、高性能コンピューターだとしたら

 爺さんは、コンピューターを動かす言語のようなものだった


 子どもがどうがんばっても、親を生むことはできないからね




インナーマリッジ~内なる結婚~ [25]


 確かに子どもが親を生むことはできませんよね

 それでお爺さんはどんな話をしたのですか?


 


 一枚の白紙を手に取って、こう言ったんだ

  さあ、どちらが裏か?



 
 白紙だと

 どちらか裏なのかわかりませんよね



 そう、彼らも同じことを言ったんだ

  そんなことは、わからないと

 すると、爺さんは片方の面に筆で「表」と書いて

 同じ質問をした

  さあ、どちらが裏か?



 
 それならわかります

 表ではない方が、裏ですから



 そう、彼らもそう答えた

 爺さんは、続けて問いかけた

  裏を創ったのは誰か?


 彼らは、困惑した

 裏を“創る”という発想が彼らにはなかったんだ

 裏は“在る”ものだと考えていたからね




 確かにそうですよね




 一人の賢者が爺さんに言ったんだ

  「それは、表と書いたあなたではないのか」と

 
 爺さんはうなずいてこう言った

  その通り・・

  表と裏は同時に現れ、同時に消える

  なぜなら表と裏は“表裏”というひとつのものであり

  現れ消えるのは、実体がない幻だからだ

  もうおわかりだろう

  あなたたちが創りだした“正しさ”を手放さない限り

  “誤り”も消えることはない

  この話し合いは永遠に終わることはないのだよ

 場内は、静まり返った





 驚きました

 正しさが誤りを創っていたということですか・・






 そういうことなんだ

 正しさを主張すれば、必ずそれは違うという者が現れる

 なぜなら“正誤”は、ひとつのものだからなんだ

 正しさだけでは、正しいことがわからないからね

 だから相対するものは、すべて同時に存在するわけさ




 うーん、なるほど~

 やっとお爺さんの話がわかってきました

 じゃあ“善悪”もひとつのものなんですね

 ということは、善が悪を創りだしているわけか




 その通り

 表と裏が実体がない幻であったように

 この世の中は“思い込み”が創りだした

 幻想の世界だというわけさ



 
 幻想の世界・・