こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

キンランの花に魅せられて、2018年5月

2018-05-04 | 

キンラン(金蘭)は山野の林内に生えるラン科キンラン属の多年草である。かつて、このランはそれほど珍しいものでなかったが、近頃は絶滅危惧種に指定されるまでに個体数は減っている。さて、今年もある山林でキンランの花が開き始めた。

 

 

やわらかな光を浴びているとき、花の色と質感は実に魅力的である。今年も、写人は芽出しのときから蕾が開くまでの過程を追ってきた。もちろん、生えている環境を乱さないように注意しながらである。

 

花の瑞々しい輝きや昆虫を誘引する仕組み(オレンジ色のガイドラインなど)、そして花粉の位置。

 

レンズを向けていたとき、偶然にもチョウ(蝶)が飛来した。蝶は越冬型のキチョウであろう。GWにおいて黄金色の花と黄色の蝶。この駄洒落的な組み合わせが写人には面白かった、千載一遇のものとして。

 

 

 蝶は吸蜜管を花の奥に差し込んで吸蜜行動を始めた。

 

しかし、約1秒後には吸蜜管を引き出して、蝶は花から飛び去った。

 

この花には蜜が貯められていなかったのであろうか。そうであるならば、キンランは虫媒花として昆虫を誘引することにおいてしたたかである。このランでの花粉の運び屋は小型のハチであると言われている(ヒメハナバチやコハナバチ)。

キンランにとって、花の色に魅せられて近づいてきた蝶は、花粉を運んでくれそうものない想定外の来訪者であったのかもしれない。

 

5月1日、EOS 6D、EF 100 mm F2.8(マクロ)、ピクチャースタイルはスタンダード。

 

 



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