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ぽろろ、ぽろろ。(5)

2014-07-15 20:52:44 | 童話
空から「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」と聞こえてくる。

『だぁれ?』

そうか、空の上の雲君だ。

『なぁに、雲君の背中に乗せてくれるの?
ダメだよ、僕は重たいから乗れないよ。
雲君が空に何か絵を書いてよ。
わっ、おいしそうな綿菓子とドーナッツだね。
それに、飛行機雲もきれいだね。』

ぽろろ、ぽろろ。(4)

2014-07-14 20:49:08 | 童話
僕の足の下の土の中から「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」と聞こえてくる。

『だぁれ?』モグラ君かな?

『なぁに、僕は土の中には入れないよ。』

『えっ、モグラ君は昼間は眩しくて外に出られないから、夜になったらジャンケンをして遊ぼうよだって。
ダメだよ、僕は、夜は家に帰らなければいけないんだ。
だから今ジャンケンをしようよ。
モグラ君は土の中から手だけ出せばいいんだよ。
ジャンケンポン、僕はチョキだけどモグラ君はパーだから僕の勝ちだよ。
そうか、モグラ君はパーしか出せないんだ。』

ぽろろ、ぽろろ。(3)

2014-07-13 09:10:02 | 童話
小川の近くで「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」と聞こえてくる。

『だぁれ?』

声は聞こえるけれど、だれが呼んでいるのか判らない。

『だぁれ?』
「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」

『あれっ、川の水君かな?』

『そうだよ、ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』

『なぁに、川の中で一緒に遊ぶの? 海水パンツを持ってくるから待っててね。』

『海水パンツになったから川に入るよ。』

僕は川の中で水に押してもらった。
『たのしいな、たのしいな。』

ぽろろ、ぽろろ。(2)

2014-07-12 10:02:46 | 童話
公園の木の上から「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」と聞こえてくる。

『だぁれ?』

小鳥が呼んでいるのだ。

『なぁに、僕は羽根がないから一緒に飛べないよ。
えっ、きれいな歌声の競争をするの? 僕は歌がうまくないから、小鳥君が唄ってよ。』

『ピピピピ、チチチチ、ピーピピ、ピーピピ。』

『やっぱり小鳥君は歌が上手いね。だけど、「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」とは鳴かないの?
「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」と鳴くのは友達を呼ぶ時だけなのか。
だから僕を呼ぶ時は、みんな「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」と言っているんだね』

ぽろろ、ぽろろ。(1)

2014-07-10 20:58:47 | 童話
僕のいる窓の外から、
「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」と聞こえてくる。

『だぁれ?』

風が遠くで僕を呼んでいるのだ。

『なぁ~に、宿題が終ったら外で遊ぼうよと言っているの? 30分位で宿題が終るので待っててね。』

『宿題が終ったよ、何して遊ぼうか。
よしっ、駆けっこをしようよ。だけど、1人だと寂しいから、いつも一緒に遊んでいる友達を呼んで来るね。』

3人の友達と僕の4人で風と競争をした。ヨーイドン 。

『風君は速いなぁ、僕達4人は全然かなわないや。』