大きな大きな縄跳び(3)

2018-04-19 07:07:38 | 童話
暑い夏の夕方に、空が急に暗くなってカミナリが鳴り、大粒の雨が降ってきました。だけれど、その日は雨がやんでも虹は出ませんでした。
『今日は虹が出ないね。』
『そうだね、虹が出ないね。』
『明日は虹が出ると思うんだ。』
『そうだね、明日は虹が出るよね。』

だけれど、空が急に暗くなってカミナリが鳴り、強い雨が降って、そのあと雨がやんでも虹は出ませんでした。
そして、僕達は虹のことを忘れかけていた時に、カミナリが鳴って大粒の雨が降ったあとで、大きくてきれいな虹がでました。
『やったぁ、大きな虹だ。』
『そうだね、大きな虹だね。』
『よしっ、虹の探検に行こうよ。』
『うん、行こう。』

そして、僕達は虹の方に向って歩いて行きました。だけれど、僕達が虹に近付いても、虹は遠くにあるままで、近くなりません。そして、ハッキリと見えていた虹が薄くなってきました。
『なんだか僕達が近付くと、虹はバックしているみたいに、僕達と虹との間が変らないみたいだね。』
『うん、そうだね。』
『今日は疲れたから、もう探検をやめて帰ろうか?』
『そうだね、帰ろうか。』

僕達が帰り始めるころには、虹は見えなくなってしまいました。
しばらくして、虹が出た時に僕達は早く虹の所へ行けるように自転車で虹の探検に行きました。
だけれど、僕達が自転車で速く走っても、虹は遠くに行っているみたいで、なかなか虹の所に着きませんでした。
『疲れたね。』
『そうだね、帰ろうか?』
『うん、帰ろう。』
僕達は虹の探検ができていないので、幼稚園のみんなと虹を広場に持ってくることも、みんなで虹を回すことも、まだできていません。


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