僕の順番(2)

2015-11-27 21:46:14 | 童話
高い空を、ゆっくり、ゆっくりと、風に押されて流れて行きます。

『ここからは、家や森や山がよく見えるなあ。
あそこの道路は自動車がいっぱい走っている。
さっきまで居た海もよく見えるなあ。』

そして、僕はどんどんと空の高い所に上がって行きました。

『あっ、寒くなってきた。高い空は寒いんだね。』

僕達は寒いので、みんなでくっ付きました。

『あっ、下へ下り始めた。』

僕は空から降ってくる雨になったのです。
たくさんの友達と一緒に降っています。
いつもは小さい粒で下に下りて行きますが、台風の時や夕立の時は、たくさんの友達と手をつないで大きな粒となって一緒に降ってくるので、ザーザーと大きな音がします。

大きな木の葉っぱにザーザーザー、大きな木の下の小さな木の葉っぱにポツポツポツ。


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