お話君のお話

2018-10-24 05:44:02 | 童話
お話くんはお話が大すきです。
お話くんは、ぼくがお母さんとお話しするときも、お父さんとお話しするときも、そばにいっしょにいます。
ぼくがポチとお話しするときも、タマとお話しするときも、ずっとそばにいます。
お母さんやお父さんとお話をしているときに、ぼくがわらうとお話くんもわらいます。
お母さんやお父さんにしかられて、ぼくが泣いているときにはお話くんは、ぼくのそばにはいません。
学校で先生やともだちと話しているときも、お話くんはそばにいます。

お父さんが会社でお話をしているときには、お父さんのそばにお話くんはいません。
お母さんが美容院やスーパーでお話をしているときには、お母さんのそばにお話くんはいません。

ぼくが寝ているときには、お話くんも寝ています。
ぼくがくしゃみをすると、お話くんもくしゃみをします。
ぼくが病気で寝ているときは、お話くんはおふとんの中でぼくをあたたかくしてくれます。

ぼくが元気になって外で走っているときにお話くんもぼくといっしょに走ります。
ぼくが自転車に乗っているときに お話くんは、ぼくがころんでけがをしないように、いつも注意してくれます。
運動会でぼくが一等になったとき、お話くんは、よくがんばったねとほめてくれます。
ぼくがビリのとき、お話くんは、こんどがんばろうねとはげましてくれます。

ぼくのところにいるお話くんは、ともだちのところにもいるのかなぁ。
ともだちみんなのところに、お話くんがいるといいね。

ねえお母さん、ともだちみんなのところにお話くんはいるの。
ええ、みんなにひとりずつお話くんがいますよ。

ねえお母さん、お父さんにはどうしてお話くんがいないの。
そうね、お父さんも子供のころにはお話くんがいっしょにいたのよ。
だけどね、お話くんはたくさんいないので、ちいさな子のところへ行ってしまったのよ。

    おしまい


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