石の飛行機(3)

2018-07-29 09:04:20 | 童話
『ねえ、お父さん、なぜ遠い所へはジェット機じゃないと行けないの?』
『高い所は空気が薄く、抵抗が少ないので早く飛べるし、燃料が少なくて済むからだよ。だけれど空気の薄い所はプロペラ飛行機は飛べないのだよ。』
『お父さん、抵抗って何?』
『空気が飛行機を押し戻そうとする力だよ。』
『ふぅ~ん。』

『ねえ、お父さん、火星へはジェット旅客機で行けるの?』
『宇宙には空気が無いからジェットエンジンでは飛べないよ。』
『じゃぁ、何で行くの?』
『燃料と、それを燃やす酸素と両方を積んだロケットで行くんだよ。』
『ふぅ~ん。よし、明日の日曜日はロケットを作って火星へ行こう。』
僕は昼から本でロケットを調べた。大きい燃料タンクが2本付いていて、大きいエンジンが3本付いている。しかし、人間が乗る所は小さくて狭いんだなぁ。

よし、僕は明日、ジェット旅客機の隣りにロケットを作って火星へ行こうと考え、ワクワクしながらロケットをスケッチした。
『そうか、ロケットはコンピュータと宇宙センターで操作するので宇宙飛行士は操縦しないんだ。』

そして明日は朝ご飯を食べたらすぐに川原へ行けるように、明日の宿題も終わらせた。
『ロケット、ロケット、ロケット。』とワクワクしながらお風呂に入って早く寝た。
そして、朝起きると、お母さんがサンドイッチを作ってくれていた。
『今日は火星まで行くんでしょ。でも遅くなったらだめよ。それから、水筒のお水で手を洗ってから食べるのよ。』
『はぁ~い。』
みんなで朝ご飯を食べてから、僕は自転車で川原に来て、昨日のスケッチを見ながら石を並べた。
ジェット旅客機以上に時間がかかった。
『できた、やっとできた。』
『燃料注入完了、酸素の圧力異状無し、宇宙飛行士が乗り込みます。』
『座席のベルトの固定も終わりました。宇宙センターどうぞ。』
『こちらは宇宙センターです、機体も燃料も問題有りません。これから打上げの秒読みを開始します。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射。補助エンジン点火。順調に上昇しています。補助エンジンを切り離しました。』

『地球がだんだん小さくてなっていく。今、月を通り越しました、すごいスピードです。』
『火星が見えてきました。どんどん近付いていきます。宇宙センター、僕は今日、遅くなるとお母さんに怒られるので、火星には着陸しないで、火星を一周したら帰ります。』
『こちらは宇宙センターです、了解しました。気を付けて地球に帰ってきてください。』

地球に近づいてきて、川原が見えてきた。
『宇宙センター、これからロケットを逆噴射して着陸しまします。』
『了解しました。』
ゴーとエンジンが逆噴射した。
『着いたから、さあ帰ろう。』
夕飯の時にお父さんに、
『本物のロケットに乗りたいなぁ。』
と言うと、お父さんが
『宇宙飛行は全部英語を使うので、英語を勉浩しないといけないよ。』
と言ったので、僕は宇宙飛行士になるために英語を勉強している。

   おしまい


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