アリの小さな魔法使い(4)

2019-10-25 06:47:59 | 童話
そして、魔法使いのみんなが集まったら会議が始まり、今年生まれたアリの数や、今年集めたエサの量などが報告されるんだ。
そのあとで、来年の計画を考えるんだけれど、来年のアリの数を予測して、みんなに必要なエサの量を考えて、そのエサの見つけ方や、エサを運ぶ方法を相談するんだよ。
だから、計算するのが大変なんだけれど、そうしなければたくさんのアリが生きて行けないからね。

来年の計画ができると、僕達魔法使いは葉っぱに乗って、元いた所へ帰って行くんだ。
そう、遠くから集まって来た魔法使いは、魔法が切れたら、一度地面に下りてから、また魔法で飛んで帰るんだ。

そして、温かくなってきたら、僕達魔法使いがまた集まり、生まれたばかりのアリの先生をするんだ。
前からいるアリはエサ集めに忙しいので、僕達魔法使いが先生になって、いろいろと教えるんだよ。アリ地獄のように危険な生き物や、水たまりの様に危険な場所などを教えるんだよ。
巣の外は危ないからね。だけれど、人間は大きくて、歩いたり、走ったりするのが早いので、人間に踏まれないようにするのは難しいんだ。
だから、人間に踏まれそうになった時は、僕達魔法使いが、人間が転ぶようにしているんだ。

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