僕達の小さくて大きな森(3)

2020-12-01 09:35:50 | 童話
次の日、宿題が終った時に友達がサッカーボールを持ってやって来た。
『植木のことをおじいちゃんに話したの?』
『ううん、まだ話して無いよ。』
『少しの間二人だけの秘密にしておこうか?』
『そうだね、秘密だよね。』
『今日も植木が置いてあるね。』
『うん、今日もおじいちゃんは植木を片付けないで出掛けたんだ。』
『今日もボールやエンピツが植木の中に入って行くのかなぁ?』
『今日はまだやっていないので分からないよ。』
『この大きなサッカーボールも植木の中に入って行くのかなぁ?』
『やってみようか?』
『でもサッカーボールはこれ一個しかないよ。』
『大丈夫だよ、植木の中へ探しに行けばいいんだよ。』
『探しに行けるかなぁ?』
『やってみようよ。』
『そうだね、やってみようか。』
友達がサッカーボールをソッと植木に近付けた。サッカーボールがブルブルと震えてから小さくなって植木の中に入って行った。


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