北極のペンギン(3)

2022-03-10 13:23:54 | 童話
「随分遠くに来たんだね。」
「あの白い貝のような建物は、越冬隊員の人から聞いていたオペラハウスだ。」
そして、もっともっと泳いでいくと、白いライオンの口から噴水が出ているところに来ました。
「これも越冬隊員の人から聞いていたマーライオンだ。

今度は遠くに桜島が噴火している所に来ました。そして、しばらく泳いでいくと遠くに富士山が見えてきて、もっと泳いでいくと高い鉄塔が見えてきました。
「あれが越冬隊員の人が言っていたスカイツリーなんだ、大きいなあ。」

そして、水の上に顔を出していると暑いので水の中に潜ったままでどんどんと泳いで行きました。
「あれっ、今度は海が狭くなったね。」
僕が水から顔を出すと広い建物の中の丸いプールの中にいました。そして、たくさんの子供達がイルカのジャンプを見て手をたたいていました。
僕もイルカと同じようにすごいスピードで泳いでジャンプをしましたが、イルカのように高く跳び上がることはできませんでした。だけれど、たくさんの子供達が僕にも大きな拍手をくれたのでうれしかったです。
そして、イルカのトレーナーの人が、イルカにあげる魚を僕にもくれました。お魚は大きくてお腹がいっぱいになりました。

僕は、「ごちそうさま。」と言って外の海に出て、また一生懸命に泳ぎました。すると、海の水がもっと温かくなってきて、僕よりも大きな魚がたくさん泳いでいました。
「大きいなあ、お父さんから教えてもらったマグロはこのお魚なんだね。たくさん泳いでいるし、すごいスピードだね。速く泳げる僕でも追いつかないや。あ~あ、泳いで行ってしまったよ。」