こんな本よみましたよ

読んだ本の個人的感想を垂れ流し、勝手に★をつけます。

必死のパッチ/桂雀々 ★★

2012年03月30日 | エッセイ(本)
理由は忘れてしまいましたが、「必死のパッチ」という言葉を検索していて出会った1冊。

桂雀々さまの自叙伝。
母に、つづいて父に捨てられ、12歳で一人生活に。
電気もガスも止められ、ごきぶりが這いまわる。借金とりのおじさまがたが毎夜父親を探して現れる。もちろんお金もない。
そんな生活の中、孤独も不安も忘れさせてくれ、いろんな意味で自分を生かしてくれたもの、それが落語だった、、、!
というような話です。

「めっちゃかわいそう!」な子供時代が、心の中の冷静なツッコミとともにおもしろく語られています。
文章自体はきわめて普通なので本としてのおもしろさはいまいちですが、雀々少年さまにおこったことのお話を聞くのはおもしろいです。
オトンがほんまにアカン!
読んでる最中の大半は、「めっちゃかわいそうやな」と「まわりの人、いいひとやな」という気持ちで占められますが、
やはり落語にめざめるあたりは、いきいきとしてきてよいです。

文章量が少なく、単行本(という高価なもの)なのに、すぐに読めてしまうところが難。
ので、星2つ。

科学哲学者 柏木達彦のプラトン講義/冨田 恭彦  ★★★

2012年03月29日 | その他(本)
また不思議なギャグがいたるところにー!!

なんでや。。。なんでこういう入門書は謎のギャグ満載なんや。。。

内容としては、
科学は世界を正確に映し出しているか、言葉と実在とのつながりはどうなっているのか、
が、柏木教授とその生徒との会話形式で説明されています。

理想国家アトランティスについてのプラトンの記述に対するいろんな解釈を紹介しながら、
自分が知っていることから離れて、何かを理解することはできません!でも、そうやってちょっとずつやっていったらええんです!
というようなことを説明してくれます。

アトランティスは実際の歴史に基づいている、とか、天体の話です、などの説がけっこう詳細にわかります。

地理や天体の話が多いので、そのあたりに興味がないとちょっと飽きるかもしれません。

個人的には同シリーズ第一弾「科学哲学者 柏木達彦の多忙な夏 科学がわかる哲学入門」のほうがおすすめです。

入門!論理学/野矢茂樹 ★★★★

2012年03月23日 | その他(本)
再び大学に4年間も通ったのに残念ですが、
(学費が無駄だったことがつぎつぎと証明されています。お父さん、お母さんごめんなさい)
論理学てどんなんやろ~ということで買ってみました。

「はじめての言語学」に引き続き、町の本屋の英雄「書原」さんで購入しました。

読みやすく、わかりやすかったです。
他の論理学の入門書はどうやら記号がたくさん出てくるらしいのですが、
記号はあまりなく、他の新書類と同様にふつうに読めます。
主に、最も「王道」な論理学の基本的事項について説明してくれているようです。
ただし、「ザ・王道」以外の体系にもときどき触れられており、
どちらをよしとするかはやはり生き方というか普段の考え方の選択であるということで、興味深かったです。

また、え!そうなの!といまさらながら判明したのは、
えらいひとがえらい考えをもつ、
この「えらい考え」はたいがいの場合、ひらめきやイメージであって、
そこに最初は論理はないということらしい。
論理はこの「えらい考え」をみんなに納得させるために
極端な言い方をしてしまえばアトヅケ的に使用されるということらしい。
ということでした。

確かに日常生活においても、
まず「あの人に洗濯を干させたい!」と直感的に?思い、
相手が洗濯をほすことがいかに有益なことであるかの説明をあとづけで考えますね!

新書の常?なのか、やはりちょいちょい謎のギャグがちりばめられています。
でもきっとそれも気分転換になると思います。




はじめての言語学/黒田龍之助 ★★★

2012年03月22日 | その他(本)
大学に4年間も通ったのに残念ですが、
言語学てどんなんやろ~ということで、買ってみました。

ちなみに、購入先は近所の書原という本屋さんなのですが、
これが、町の本屋さんとしては完璧ともいうべき本屋さんなのです。

話題の文庫から専門書まで、幅広い範囲を網羅しており、
さらに、その本屋さん独自の「おすすめ」が感じられます。
すばらしい。
最寄り駅の駅前には本屋が3つもありますが、
つぶれないようになるべくここで買うようにしています。

さて、言語学について全く詳しくないのでこの本がどのような位置づけになるのかなどはよくわかりませんが、
とりあえず素人である私が読んでも、わかりやすく、おもしろいです。
著者も書いているとおり、まさに「言語学の入口をちょっとのぞいてみる」というかんじですが、
言語に対する言語学のスタンスみたいなものがざっくりわかります。

言語まわりに関心があるけど、具体的に何学の本を読めばいいんやろ??
と思っている人にもおすすめできます。
これを読めば、自分の関心が言語学の範囲内なのかどうかは判定できそうです。

あと、長年むずかしいと思っていた中国語が、他の言語に比べると、相対的には簡単なほうなのかも、、、?
と思え、今から中国語にチャレンジする人を勇気づけてくれそうです。

新書ってなんで口語っぽくて、ちょいちょい変なダジャレとか、ノリツッコミみたいなのが挿入されているんやろ、、、
というのが最近の私の疑問ですが、
言語学に関心がなくてもまあまあ楽しめると思いますので、★3つ。



忍びの国/和田竜 ★★★★

2012年03月19日 | 小説
こちら家にあったので読んでみたのですが、
またまた入院中の方にぴったりと思われる本でした。

伊賀忍者団vs.織田信雄軍。騙し騙され討ち討たれ最後に誰が残るのか――。大ヒット『のぼうの城』の著者による痛快無比の歴史エンターテインメント。

とうたわれるように、歴史ものはあまり読んだことがないので、無比かどうかは判断しかねますが、
これはもう端的にいっておもろい!です。快!です。

お話としては、

時は戦国。忍びの無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。女房のお国に稼ぎのなさを咎められ、百文の褒美目当てに他家の伊賀者を殺める。このとき、伊賀攻略を狙う織田信雄軍と百地三太夫率いる伊賀忍び軍団との、壮絶な戦の火蓋が切って落とされた──。(新潮社さまのHPよりぱくり)

ということなのですが、
まず登場人物のキャラクターがたっていて、それぞれグー!です。
主人公?の無門は上記のように、腕はたつが、だめんず要素もかねそなえ、
それでも美人な妻の機嫌をよくするためならなんだってする、さらに暗い過去ありげな影まであるという。
まさに、ブラック・ルパン三世です。

他のキャラクターもいいですね。
マッチョで、怪力、でも繊細な戦い方をし、志は「ザ・武士」の大膳、など。
(列挙するとしんどいので、割愛)

騙し合いにつぐ騙し合いもおもろー!(古い。。。?)です。

さらには、アクションシーンもよいです。
文章ではありますが、闘っている様がありありと思いうかべられ、
心の中で「ワオ!ワオ!」と快哉をさけんでしまうこと間違い無しです。

さらにメンタルなドラマもあり、エンタテインメントとして私はいうことなしでした。