こんな本よみましたよ

読んだ本の個人的感想を垂れ流し、勝手に★をつけます。

【小説】「細雪」/谷崎潤一郎さま

2014年02月19日 | 小説
戦前?大阪の上流階級四姉妹を描いているのですが、けっこう長いです。
文庫だと上、中、下の三冊、谷崎さまは6年間かけてこの作品を書き上げたらしいです。
しかし、けっこうさくさく最後まで読めました。

上から鶴子、幸子、雪子、妙子。
上二人はすでに家庭をもち、子供もいます。
下の二人は当時からするととっくに結婚適齢期ではあるけれど独身です。
主に、幸子の視点から、
電話に出られないほど内気でしかし芯は強い雪子と、
若いころから駆け落ち騒動を起こすなど姉妹の中の問題児妙子
の様子が描かれているのですが、
どっちも昼ドラ並につづきが気になります。

えー!雪姉ちゃんの見合いまたあかんくなってしまうのー?!
ひー!こいさん(妙子のことです)、それはひどすぎるー!!

とはらはらしました。

文章が関西弁なので、読んでいる期間中は、
自分の頭の中でものを考えるのが関西弁になってしまいます。



【小説】「雨の日のイルカたちは」/片山恭一さま

2014年02月12日 | 小説
ひゃー!

タイトルに惹かれて借りてみたものの、
今感想を書こうと思っても全然内容が思い出せない!
おととい読み終えたばかりだというのに!

という印象のうすい、よく言えばさっぱりした?本でした。

けれど同じ本でも人によってひびく/ひびかないはかなり差がありますからね!

【小説】「勝手にふるえてろ」/綿矢りささま

2014年02月03日 | 小説
先日、本の町・神保町に初めて行ってみました。
ふらふらと歩いた印象は、戦後!というかんじ。
本屋さんそれぞれがそれぞれのジャンルを極めているかんじで面白かったです。
ブックオフとは一味ちがうぜ。。。

古本ではなく、ふつうの新品の本を扱う四、五階建ての本屋さんにも入ってみました。
その店舗の「週間ベストセラー(文庫)」を見て、神保町の本気度を知りました。

全部は覚えていないのですが、

1位 「下町ロケット」池井戸潤さま

これは納得ですね。あの「半沢直樹」シリーズの作者の直木賞受賞作の文庫化です。

2位がなんと。。。

「万葉集」!!!!どんだけロングセラーやねん!

3位がチョムスキーの、統辞なんとか構造、みたいな本。。。

その他、各階、近所の本屋にはどこに隠されているのかわからないような本たちが前面に押し出されており、今度図書館で借りてみようと思いました(←せこい)。

そんなこんなで階段をのぼったりおりたりして疲れたので、目当ての喫茶店で休憩をすることに。
ミロンガ、という、「バラック!」という言葉を連想させるような、これまた戦後感満点の喫茶店でした。
常にアルゼンチン・タンゴがかかっていて、コーヒーを飲んでいるだけで自然に眉根が寄り、切ない顔になれます。

前置き長くなりましたが、そこで読んだのが綿矢さまの「勝手にふるえてろ」。(これも図書館で借りました。。。)

自意識過剰OLが自分を覚えているかさえ不明な本命の「イチ」と、あつくるしく求愛してくる「ニ」との間で妄想を爆発させながら揺れる、というお話です。

ひとによるかもしれませんが、共感できるところが多々あり、
また思わず喫茶店で吹き出してしまうような、笑える部分もちょこちょこあり、おもしろいです。
今まで綿矢りささま作品はこれと「蹴りたい背中」しか読んでいませんが、
どちらか読んでみようかな?と検討されている方には「蹴りたい背中」をおすすめしたいです。










【小説】「フラミンゴの村」/澤西祐典 さま

2014年01月17日 | 小説
去年の12月にアフリカ南部に旅行に行ってきました。
1日のスケジュールは、

早起き~軽食~サファリドライブ~朝食~だらだら~昼食~だらだら~おやつ~サファリドライブ~夕食~だらだら

と「だらだら」の占める割合がすこぶる高い!

ということで、普段クレイジータウン・トーキョーに暮らす友人と私は
時間を持て余すことをおそれて、3冊ずつ小説を持ち寄ることにしました。

しかし!
二本の水平線によって川/陸/空と区切られているのみの広大な景色を前に
小説の中の人々の悩みはどうでもよすぎました。
主人公に「うじうじしてねえで、この景色をみなよ!」と言いたくなります。

そんな旅のおともにこちらの小説は比較的適しているのでは?と思います。
(ただ単に舞台が外国であることによる錯覚だったらごめんなさい。。。)

ベルギーの片田舎の小さな村で、女のほとんどがフラミンゴになっちゃった!パニック!
というお話です。
個人的にはストーリーの後半に関してもやもやが残りましたが、
主人公が初めてフラミンゴを見た時など、臨場感たっぷりでおもしろかったです。

装丁もすてきですね。

*文庫化はまだのよう


【小説】「狭小邸宅」/新庄耕さま

2014年01月16日 | 小説
今のアパートに引っ越して、もう2年以上になりますが、
部屋さがしのときは、一ヶ月ほどかけて何軒も不動産屋さんをまわりました。

不動産屋さんに行くと、店舗に出ているお兄さんやらお姉さんやらが図面をたくさん見せてくれて、
そのあと希望に合いそうな物件を実際に見せてくれますね。

ある店舗の兄さんもそんなかんじで案内してくれるというので、
われわれは彼の車に乗って、店舗から二駅ほど離れたところにあるマンションをいくつか見に行きました。

お兄さんは車内で他の不動産屋さんのことをけなしたり、
自分はこのあたりの有力者に気に入られているといばったり、忙しそうでした。

結局見せてもらった物件はあまりぴんとこなかったので、
「またよさそうなのがあったら教えて下さい」と言って、
駅も近いしそのまま電車で帰ろうとしました。

するとさっきまで威勢の良かった兄さんは顔を真っ青にして、
どうか車で店舗まで送らせてください、
と懇願するのです。
我々はその異様な様子に、
「店舗に行ったら何されるんだろう。。。!」とむしろ不安を覚え、
電車で帰ると言いはりました。
兄さんは「ちょっとだけ待ってて」と言い、建物の陰に隠れてどこかに電話をしました。
声は聞こえませんでしたが、何度も頭が上下するのが見えました。
帰ってきた兄さんはうつろな目で、「お帰りいただいてけっこうです」的なことを言い、われわれを見送りました。

前置き長くなりましたが。。。

この本を読んでその理由がわかりました!おそるべしです!

*文庫化はまだみたいです。