こんな本よみましたよ

読んだ本の個人的感想を垂れ流し、勝手に★をつけます。

「GO」/金城一紀 ★★★★

2012年08月29日 | 小説
家にあったので読んでみました。

直木賞受賞作で、映画化されています(監督:行定勲、脚本:クドカン、出演:窪塚洋介、柴崎コウ、他)
映画は、スタッフ、キャストともになかなか豪華ですね!

主人公は「在日朝鮮人」から「在日韓国人」に国籍を変更し、民族学校ではなく私立の男子校に進学。
「広い世界」を目指す。そんな中、父親とやりあったり、一人の女の子に夢中になったり、友人が死んでしまったり、、、。

いろんな「ファイター」が登場して、互いに衝突しながらも、一人ひとりが自分のやり方でよりよいものを目指す様がグー!です。



「あるキング」/伊坂幸太郎 ★★★★

2012年08月27日 | 小説
文庫版を読みました(オリジナルからけっこう修正が加えられているようです)。

不思議な雰囲気の作品ですが、私は今まで読んだ伊坂さま作品の中で一番好きです。

野球の天才少年がさまざまな試練を受けつつも超然と野球人生を歩んでいくというようなお話。
(未読ですが)シェイクスピアの「マクベス」の一節「フェアはファウル。ファウルはフェア」がたびたび引用されていて、
そういう意味では他の伊坂作品でも見たことのある善悪の基準問題のようなことも盛り込まれているようです。

とにかく、他の作品にあるような妙な軽さや妙なおしつけがましさがなくてグーです!

伊坂作品はあんまり好きじゃないな~という方におすすめです。

「陽だまりの彼女」/越谷オサム ★★

2012年08月24日 | 小説
「女子が男子に読んでもらいたい恋愛小説NO.1」という触れ込みのこの本が自宅で発見されたので読んでみました。

「学年有数のバカ」と言われていたいじめられっ子の同級生と、10年ぶりに仕事で再会した主人公。
同級生はモテ系のデキる女子への変貌していた。
二人はやがてつきあい、駆け落ち結婚するが、彼女にはわけありな過去がありそうで、、、。

というような内容で、何から何までファンタジック!な胸キュン系です。

主人公の男子も女子も、ともにおそろしく一途で、そのあたりが「女子が男子に読んでもらいたい(こんなふうに一途に私のことを思いなさいよ!)」というところなのかと思います。

文章は、あまり読んだことがないのでわかりませんが、いわゆる「ライトノベル」のようなかんじでしょうか。
ファンタジックな少女漫画をそのまま文章にしたようなかんじです。

「わけありな過去」も途中からうすうす感づかされ、「すばらしい小説!」と思うものでは決してありませんが、
結局終盤では泣かされてしまう、という不思議な小説でした。



「往復書簡」/湊かなえ ★★

2012年08月20日 | 小説
「告白」の湊かなえさまの「往復書簡」を読みました。
収録されているのは「十年後の卒業文集」「二十年後の宿題」「十五年後の補習」の3編が収録されており、すべて書簡形式。

読了後数日たった今、各タイトルをながめても、どんな話だったかちょっと思い出せないです。。。
私自身の加齢も原因かもしれませんが、ストーリー、文章とも特に印象に残らないものでした。

どんでん返しというほど大げさではないですが、それなりのトリック?というか
「本当はどうなの?」と思わせてくれるところはあるので、暇つぶしや、何か読みたいけど、頭に影響のないものがいい!という気分の時にはよいかもしれません。

ただ、かなえさま作品の常で、後味はよくはありません。

なので、暇でしかたないから本が読みたいけど、ちょっと嫌な気分になりたいわ、みたいな時があれば読んでもいいかもしれません。








舟を編む/三浦しをん ★★★★

2012年08月06日 | 小説
本屋大賞第1位に選ばれたしをん様の最新作を母に借りて読みました。

出版社で自分の世界に入り過ぎる挙動不審者として変人あつかいされているが、実は言葉のセンス抜群の馬締(まじめ)さんは新しい国語辞典「大渡海」の編纂メンバーとして辞書編集部に。辞書に命をかける松本先生や荒木、チャラ男の西岡、無口だが母性あふれる佐々木さん、新人さんなどとともに十数年の年月をかけて「大渡海」に取り組む。上からの横やりや人員不足、謎のミスなど問題がつぎからつぎへ。果たして「大渡海」完成なるか。。。

というようなお話。

森見さまのような剽軽でかるいタッチで、各人物の背景も描かれない部分が多く、ややファンタジックな印象で、
言葉に対する愛と希望に満ち満ちています。
本文中に、「大渡海」を、読んだ人が勇気づけられるような辞書にしよう、というようなくだりがありますが、
まさに本作は読んだ人を勇気づけてくれ、「言葉は絶対に必要だ」と言い切ってくれます。
なんとなく勇気がわいてきますネー!
朝日新聞?のCMで、「ことばの力を信じている」というコピーのものがありましたが、そんなかんじの作品です。

本作はさらに映画化が決定しているようです。来年4月13日公開。
主人公の馬締さん役に松田龍平さん(カッコイイ!)、その恋人役の林香具矢役に宮崎あおいさんが決定しているようです。
香具矢さんは小説中では辞書編集にはほぼ関係のない、馬締さんの下宿先の大家さんの孫娘で、一本気な料理人なのですが、これを宮崎あおいさんが、ということになると、ちょっと小説とは違った内容なのでしょうか??はて。
監督は『川の底からこんにちは』の石川裕也監督。(こちらの映画も満島ひかり主演でとてもおもしろいです)