こんな本よみましたよ

読んだ本の個人的感想を垂れ流し、勝手に★をつけます。

【その他(本)】「パイドロス」/プラトンさま著・藤沢令夫さま訳 

2014年01月29日 | その他(本)
「プラトン」に「さま」をつけるとちょっと馬鹿にしてるみたいだけれど、
決してそんなことはありません。
馬鹿は私です。

しかし、この本を読み始めると、
プラトンさまのお師匠様であるソクラテスさまに対して
ちょっと親近感を持つことができるかもしれません。

この本はソクラテスさまと、パイドロスさまという方のおしゃべり形式で書かれています。
有意義なおしゃべりのためには、場所の選定が重要ですね。
ソクラテスさまはあまり町の中から出ません。
なので、パイドロスさまが川岸の素敵な木陰へとソクラテスさまを案内してあげます。

ソクラテスさまは、そのプラタナスの木を1ページ以上にわたって褒めたたえ、
しまいには、「いちばんうまくできているのは、この草の具合だ」と
ごろん!横になってしまいます。

おしゃべりに最適な(ちょっと寝てしまいそうですが)場所を確保した二人は、
恋について、弁論術について熱い議論を交わします。
テンションMAXのソクラテスさまは叫びます。
「さりとてそれは殺生な!」
殺生な、ってギリシャ語(?)で何て言うんでしょう。。。?
ソクラテスさまのお心は古きよき日本に通じているような気がいたします。

そして、後半、どんどんヒートアップしていくソクラテスさまに対し、
主に聞き役に回っているパイドロスさまが
「たしかに。」
を連発しはじめます。
この言葉、わたしもよく使います。基本的には話を聞き流しているときに。。。
気持ちわかるよ!パイドロス!(←親近感がわきすぎて「さま」が抜けました、失礼)

というように、、、
要するに私の脳みそではパイドロスさまの気持ち以外
ほとんど理解できなかった。。。
ということです。。。残念!(波田陽区、元気かな。。。?)



【小説】「フラミンゴの村」/澤西祐典 さま

2014年01月17日 | 小説
去年の12月にアフリカ南部に旅行に行ってきました。
1日のスケジュールは、

早起き~軽食~サファリドライブ~朝食~だらだら~昼食~だらだら~おやつ~サファリドライブ~夕食~だらだら

と「だらだら」の占める割合がすこぶる高い!

ということで、普段クレイジータウン・トーキョーに暮らす友人と私は
時間を持て余すことをおそれて、3冊ずつ小説を持ち寄ることにしました。

しかし!
二本の水平線によって川/陸/空と区切られているのみの広大な景色を前に
小説の中の人々の悩みはどうでもよすぎました。
主人公に「うじうじしてねえで、この景色をみなよ!」と言いたくなります。

そんな旅のおともにこちらの小説は比較的適しているのでは?と思います。
(ただ単に舞台が外国であることによる錯覚だったらごめんなさい。。。)

ベルギーの片田舎の小さな村で、女のほとんどがフラミンゴになっちゃった!パニック!
というお話です。
個人的にはストーリーの後半に関してもやもやが残りましたが、
主人公が初めてフラミンゴを見た時など、臨場感たっぷりでおもしろかったです。

装丁もすてきですね。

*文庫化はまだのよう


【小説】「狭小邸宅」/新庄耕さま

2014年01月16日 | 小説
今のアパートに引っ越して、もう2年以上になりますが、
部屋さがしのときは、一ヶ月ほどかけて何軒も不動産屋さんをまわりました。

不動産屋さんに行くと、店舗に出ているお兄さんやらお姉さんやらが図面をたくさん見せてくれて、
そのあと希望に合いそうな物件を実際に見せてくれますね。

ある店舗の兄さんもそんなかんじで案内してくれるというので、
われわれは彼の車に乗って、店舗から二駅ほど離れたところにあるマンションをいくつか見に行きました。

お兄さんは車内で他の不動産屋さんのことをけなしたり、
自分はこのあたりの有力者に気に入られているといばったり、忙しそうでした。

結局見せてもらった物件はあまりぴんとこなかったので、
「またよさそうなのがあったら教えて下さい」と言って、
駅も近いしそのまま電車で帰ろうとしました。

するとさっきまで威勢の良かった兄さんは顔を真っ青にして、
どうか車で店舗まで送らせてください、
と懇願するのです。
我々はその異様な様子に、
「店舗に行ったら何されるんだろう。。。!」とむしろ不安を覚え、
電車で帰ると言いはりました。
兄さんは「ちょっとだけ待ってて」と言い、建物の陰に隠れてどこかに電話をしました。
声は聞こえませんでしたが、何度も頭が上下するのが見えました。
帰ってきた兄さんはうつろな目で、「お帰りいただいてけっこうです」的なことを言い、われわれを見送りました。

前置き長くなりましたが。。。

この本を読んでその理由がわかりました!おそるべしです!

*文庫化はまだみたいです。




【小説】「蹴りたい背中」/綿矢りささま

2014年01月08日 | 小説
「84年生まれってスターおらんよね」
「え!じゃあうちらが台頭するチャンスやん!」

小学校の同級生とのある日の会話。

たしかに、84年うまれにはスポーツ界、芸能界をみわたすとスターが少ない。
野球界でいえば、松坂は80年生まれで「ちょっと上」、まーくんは88年生まれで「ちょっと下」。
芸能界でいえば、綾瀬はるかは「1つ下、おしい!(学年でいえば一緒だね)」、柴咲コウは81年で「ちょっと上」。

と、わたしたちに台頭するチャンスがあるかどうかは別にしても、
たしかに不作っぽい。

しかし、イマシター!綿矢りささまです。
17才で文藝賞を受賞しデビュー、19才で芥川賞受賞。
華麗です(容姿も)。

どうせうじうじした女子高生の話でしょ、、、と思って読み始めました。
たしかに主人公の女子高生はうじうじしているところがありますし、
彼女が仲良くなる「にな川」もオタク?っぽいです。

しかし、すばらしい!天才だ!と、恐れ多くも思いました。

感情を表現することばはどれもはじめてみるもので、
自分の文章に取り入れたら即ぱくったことがばれそうなものばかりなのに、
その感覚自体は「知ってる!」と思わされます。
おそらく「初恋」と読んでよさそうなものが描かれているのに、
よくある初恋物語とは全然違う。

ということで、他の作品もぜひとも読んでみたくなりました。


【小説】「野ブタ。をプロデュース」/白岩玄さま

2014年01月07日 | 小説
テレビにタレントさんが出るとき、名前のテロップが出ますね。
たとえば、「小泉今日子」とか。
「小泉今日子さま」とか「小泉今日子さん」となっているのはみかけませんね。
これはきっと、「小泉今日子(でございます)」ということなのでしょう。

しかし、わたしのブログで、「白岩玄(でございます)」とするのは大変失礼なので、
「白岩玄さま」という表記にしてみました。
母のブログでもちゃんと「ヨン様」と丁寧に表記されていますし。。。
と、確認のためブログを見てみたら、「王子」だった!!

さて、「野ブタ。をプロデュース」。

イケてる高校生の「俺」がプロデューサーとなって、デブできもい信太を「モーニング娘。」のようなクラスのアイドル「野ブタ。」にしちゃおう!
というお話で、さくさく読め、笑えるところもあるのですが、
結末は案外ブラック。。。!

ドラマの書籍化かと思っていたら、本が先だったとはしらなかった!
わたしは見ていなかったのですが、どうやらドラマとはけっこう違うストーリーのようです。