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ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

史上最悪の招聘失敗『アイーダ』@東京ドーム

2013-08-28 10:19:57 | Weblog
来月17~19日に東京ドームで上演予定だったベローナ歌劇場のオペラ『アイーダ』が公演中止になった。計画では本場の舞台装置をすべて持ち込み、3日間で約10万人の集客を見込んでいた、という。公演中止の理由は、主催の読売新聞社広報部によると「韓国企業などで構成される実行委員会の事情によるもの」と説明しているが、最大の理由はチケット販売が不振であることは、関係者ならば誰もが周知のことであろう。

この秋はミラノ・スカラ座のオペラ、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、コンセルヘボウ管など海外オケの来日ラッシュで、クラシックファンの財布はすでに空っぽ状態。これらの公演はもちろん1年以上前に発表されていて、チケットも半年前に発売されている。そこにいきなり9月の平日3日間に『アイーダ』をやるといっても、クラシックファンは手を出せない。それに、ベローナ歌劇場の看板ともいうべきプラシド・ドミンゴは出演しないでは、誰が超高額のチケットを買うであろうか。

そもそも東京ドームでは野外劇という雰囲気に浸ることはできない。その昔用賀の東急車庫地跡で野外劇を行った制作者の立場から言わせてもらうと、夜空が見えなかったり町の微かな喧騒が聞こえない野外劇など面白味がない。もし『アイーダ』を野外劇でやるならば、河川敷かサッカー競技場などでやるべきだろう。新国立劇場もそれぐらいの試みをしてもらいたい。

それにしても、中止理由をチケットの売れ行き不振で採算が取れなくなったことであることを公表せず、「韓国企業などで構成される実行委員会の事情によるもの」と言い訳する主催者の読売新聞は醜い。これまでにも海外オペラの招聘延期・中止はあったと思うが、これほど酷い招聘失敗は過去にないだろう。


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