ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

2012年のコンサートベスト10 & オペラ・バレエベスト3

2012-12-27 10:40:46 | Weblog
恒例のクラシック音楽演奏会ベスト10と、オペラ&バレエベスト3を選んでみました。

■クラシック・コンサートベスト10
1位 MTTとサンフランシスコ響による驚愕のマラ5(11月)
2位 ブロムシュテット85歳記念ツアー公演(11月)
3位 ブロムシュテット&バンベルク響のブル4(11月)
4位 ローマがいっぱい、お腹がいっぱい、デュトワ&N響(12月)
5位 マーラー音痴も感動した都響の超名演(3月)
6位 愉しい読響、おしゃれな読響(4月)
7位 ラザレフと日本フィルの名演奏(3月)
8位 マゼール&N響のワーグナー(10月)
9位 読響のアンコール曲特集(11月)
10位 初めての東京シティフィル定期(10月)
次点 チャリティーコンサート「音楽と触れ合う町 岩手県大槌町へ」(12月)

■オペラのベスト3
1位 『ドン・ジョヴァンニ』@新国立劇場(4月)
2位 ウイーン・フォルクスオーパーの『メリー・ウィドウ』(5月)
3位 『セビリアの理髪師』@新国立劇場(11月)

■バレエのベスト3
1位 世界バレエフェスティバル『ドン・キホーテ』(7月)
2位 ボリショイ・バレエの『スパルタクス』(2月)
3位 ウィーン国立バレエ団の『こうもり』(4月)

クラシックコンサートの1位はどちらにするか迷ったが、ブロムシュテットは昨年1位だったので、今回はMTTとサンフランシスコ響公演にした。それにしても、1位の演目がマーラーとは私のマーラー音痴も少しは改善されているかもしれない。(笑)

2位と3位は共にブロムシュテット&バンベルク響。ブロムシュテットは信じられない爺さんだ。歳を重ねるごとに若返っていくように思うのは私だけではないだろう。

4位。N響演奏会で一番よかったのはやはりというかデュトワ。ローマ3部作も良かったがそれ以上に1曲目に演奏した『ローマの謝肉祭』が素晴らしかった。1曲目であんな心躍らされたのは間違いなく初めてだろう。

5位はインバルと都響のマーラーは凄いと言われているが確かに凄かった。

6位以下は省略。

今年は来日オペラが少なかったせいもあり、観劇回数は昨年より減ったが、新国立劇場はいつもクオリティの高い作品を作り続けていて感心する。来年も新国立のオペラを何本か見るつもりでいる。

バレエは当たり年だったのではないだろうか。10回ほど観劇したがそのほとんどが面白かった。そのなかでも強烈なインパクトを受けたのは超絶技巧のオシポワ&ワシリーエフの『ドン・キホーテ』、ボリショイ・バレエの凄みを魅せつけてくれた『スパルタクス』、オルガ・エシナの肉体美に悩殺された『こうもり』の3本。この3本はもう1度観たい。


読響の日本最速『第九』演奏会?

2012-12-21 12:49:19 | 読響
一昨日(19日)、サントリーホールで開かれた読売日本交響楽団第555回サントリーホール名曲シリーズ公演を聴きに行ってきた。指揮はシルヴァン・カンブルラン。

【演目】
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調「合唱付き」
《19時00分開演、20時10分終演》

  ソプラノ:木下美穂子
  メゾソプラノ:林美智子
  テノール:小原啓楼
  バリトン:与那城敬
  合唱:新国立劇場合唱団

実質演奏時間は約62~63分。有名なフルトヴェングラーのベト7ばりの早さというか、それよりも快速と思われた。まあ、この快速に対しては賛否両論があるだろうが、ただそれにうまく対応できていなかった演奏は問題ではないだろうか。

まずティンパニー。音が乾いているというか、なんかせんべいをパリパリしているようで、味もそっけもない響き。次に下手後方に陣取ったホルン、トランペットの金管アンサンブル。カンブルラン特急の早さについていけずちょっと脱線状態。また第4楽章に登場のトロンボーンも妙に乾いた割れた音を轟かせて首を傾げざるをえなかった。

歌手陣は頑張っていた。先頭をきって歌声を上げた与那城敬、実力派の女性2人の歌声は安定していた。また、体調不良の高橋淳に代わって出演の小原啓楼も悪くなかった。そして、80余名の新国立劇場合唱団もいつもながらの素晴らしい歌声を披露してくれた。

いずれにしろ、快速カンブルランの指揮に問題があったのか。それともそれに対応できなかったオケに問題があったのか。読響はいろんな意味で自問自答した方がいいようである。

ベジャールの『くるみ割り人形』

2012-12-16 21:11:05 | バレエ
昨日(15日)東京文化会館で東京バレエ団の『くるみ割り人形』を観てきた。演出はモーリス・ベジャール。主な配役は下記の通り。

【第1幕】
ビム:氷室友
母:高木綾
猫のフェリックス:小笠原亮
M...(マリウス・プティパ、メフィスト、M...):木村和夫
妹のクロード、プチ・ファウスト:古閑彩都貴
光の天使:柄本弾、森川茉央
妖精:奈良春夏、田中結子
マジック・キューピー:飯田宗孝

【第2幕】
スペインの踊り 闘牛士:杉山優一、吉田蓮、中村祐司
中国の踊り バトン:高村順子
アラブの踊り:沖香菜子 ー 木村和夫
ロシアの踊り:田中結子 ー 長瀬直義
フェリックスと仲間たち:小笠原亮
パリの踊り:川島麻実子 ー 高岸直樹
グラン・パ・ド・ドゥ:上野水香 ー 後藤晴雄

上演時間 第1幕55分 休憩20分 第2幕60分
《15時00分開演、17時15分終演》

バレエにはいろいろな『くるみ割り人形』があるが、今回の『くるみ割り人形』はモーリス・ベジャールの母親への思慕=マザコンと、ベジャールとチャイコフスキーに共通するであろう男性愛=ゲイが、オマージュされているような感じで全編を通して脈々と表せられていて、初演されたときは(30年ぐらい前?)天国のチャイコフスキーも目を白黒させてに違いない。(笑)

舞台上手後方には高さ7メートルぐらいの大きな裸婦像(中は聖母像になっている)がある。そして、話はビム(ベジャールの子供時代)が母親を追慕していく形で進行していく。それゆえに、クララやドロッセルマイヤー老人などは登場しない。

第1幕はビムが母親への思い出に浸り、その後バレエに出会ったことによって変わっていく青春時代を描き、最後は演出家としての苦悩を描いている。その展開はナレーションも入るので解りやすいのだが、やはりマザコン意識が脈々と流れていて、ちょっと首を傾げたくもなる。

第2幕はグラン・パ・ド・ドゥだけはプティパのオリジナル振付を採用していて、先人への敬愛を表しているものの、それ以外の踊りは本来は女性主体のはずなのになぜか男性主体の振付で男性愛(ゲイ)がしっかりと表現されている。

よく芸術家はマザコンかゲイと言われるが、このベジャールの『くるみ割り人形』はそれを具現・体現化した作品と言っていいだろう。とても、子供に見せられるような『くるみ割り人形』ではない。

やっぱり私はマーラー音痴だ

2012-12-15 23:30:56 | 読響
昨日(14日)、サントリーホールで開かれた読売日本交響楽団第521回定期演奏会に行ってきた。指揮は尾高忠明。

【演目】
マーラー/交響曲第9番ニ長調
《19時00分開演、20時35分終演》

私がなぜマーラー音痴なのかを探究するために聴きに行った。そして、若干ではあるがその理由が少し解明されたように思う。

演奏は素晴らしかった。コンマスが藤原浜雄だったこともあるが、弦が硬質な音色を響きさせながらも木管や金管と見事に溶け合い、金管も音程の乱れがほとんどなく、これまた硬質ながらも他の楽器を殺すこともなくさりげない主張を轟かせていた。

さて、私のマーラー音痴であるが、この交響曲第9番を聴いていると、つくづくマーラーという人は遊び心がないと思ってしまう。それはタメがないとか余裕がないということである。どうして、こうも真面目にオタマジャクシを書き込むのだろうかなぁ、と考えていたら、ひとつのキーポイントに到達した。

ああ、マーラーは協奏曲を書いてないんだなということに気がついたのである。ブルックナーも同じであるが、2人とも協奏曲を書いていない。それゆえに、協奏曲にあるカデンツァ(即興的独奏)のような遊び心がないのである。というより、知らないのだ。いや、知ろうとしないのかもしれない。つまり、なんでもかんでも交響曲に詰め込もうとしていると思わざるをえないのだ。それが、結果的にいくら病身の状態にあって作曲したとしても、自己陶酔にしか聴こえてこないのである。

多くの人がこの交響曲がマーラーの最高傑作だと言うようだが、私としては第5番や第6番の方が親しみがわくし優れているように思う。

デュトワ・マジック炸裂のN響定期

2012-12-13 21:07:45 | N響
昨日(12日)サントリーホールで開かれたNHK交響楽団第1744回定期公演に行ってきた。指揮はシャルル・デュトワ。尺八は柿堺香、琵琶は中村鶴城。ヴァイオリンはワディム・レーピン。

【演目】
武満徹/ノヴェンバー・ステップス(1967)
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調
  ~休 憩~
ストラヴィンスキー/バレエ音楽『春の祭典』
《19時00分開演、21時05分終演》

1曲目。和音階と洋音階の違いなのか。それとも楽器の違いなのか。邦楽と洋楽がいかに噛み合ないものなのかを、わざと知らしめるための音楽に思えた。決して和洋折衷を目論でいるように思えない。正直、聴いていて何処に面白みがあるのか、無粋な私には理解できない。それが、タケミツの意図なのであろうか・・・。

2曲目。ワディム・レーピンは「気負うことなく」「事も無げに」「さり気なく」、この名曲を弾いていく。それは、何処となく枯れているというか、侘び寂びのようなシベリウスなのだ。北欧の光景を思い浮かべるというより、紅葉真っただ中の鎌倉のお寺を彷徨しているような気分にさせてくれる。そして、そのレーピンをN響もいぶし銀のような音色でサポートしていた。

3曲目。前半の2曲が和の世界を感じたのに対して、後半はバリバリの洋の世界。デュトワ・マジックというか、バレエ音楽がまるで交響詩のように聴こえてくる。ただし、それはよく聴くことがある「爆音のハルサイ」ではなく煌びやかにして荘厳なハルサイなのだ。打楽器陣のバランス感覚に富んだ刺激音が心地良い。木管金管には数多くの若いエキストラ(N響アカデミー?)も入っていたが、シャープにしてクリスタルな響きを聴かせてくれた。ブラボー!

今年のデュトワのプログラミングは実に面白かった。Aプロではあまり上演されない歌劇(演奏会形式)2本立て、Cプロではローマ3部作を連続演奏、そして、今回のBプロでは和洋の違い(?)を演出。デュトワは来年も12月にN響を振ることになっているが、今度はどんなプログラムを組むのだろうか。楽しみである。

ソヒエフ&トゥールーズ・キャピトル国立管

2012-12-11 12:08:11 | 海外オーケストラ
昨日(10日)サントリーホールで開かれたトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の東京公演を聴きに行ってきた。指揮はトゥガン・ソヒエフ。ヴァイオリンは諏訪内晶子。

【演目】(※はアンコール曲)
ベルリオーズ/序曲『ローマの謝肉祭』
サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調
  ~休 憩~
ベルリオーズ/幻想交響曲
※ビゼー/オペラ『カルメン』より第3幕への前奏曲
※レオンカヴァッロ/オペラ『道化師』より間奏曲
※ビゼー/オペラ『カルメン』より第1幕への前奏曲
《19時00分開演、21時30分終演》

ルイ・エクトル・ベルリオーズは今から209年前の今日、1803年12月11日に生まれた。その生誕を祝う意味もあってだろうか、ベルリオーズ中心のプログラムが組まれた。

3年前にトゥールーズ国立管弦楽団をオペラシティで聴いているが、そのときはホールの響きのせいもあるが、音が乖離してしまいさほど好印象をうけることはなかった。しかし、今回はサントリーホールということもあり、そうした不安は全くなく、前回に比べて好印象の演奏会だった。

1曲目。先日のデュトワ&N響の演奏があまりにも鮮烈だったので、どうしても比較してしまうが、弦の滑らかさや金管の尖った音色が聴こえてこず、残念ながらウォーミングアップで終わってしまった。

2曲目。諏訪内晶子は誰かに似ているなあ、とずっと前より思っていたがその答が判明した。諏訪内晶子は菱川師宣が描いた「見返り美人」に似ているのだ。長く垂らした黒髪、スラリとした肢体の優美なライン、ロングドレスの着こなし方、そして、足を少し折って振り返るような姿。ああ、諏訪内晶子はヴァイオリンを抱いた「見返り美人」なのである。と思いながら聴いていると、不思議とフランス音楽も江戸情緒にあっているんだなあと思えてしまった。

3曲目。「幻想交響曲」ほどドラマチックというか、聴き手が好き勝手に情景を描くことができる交響曲はないと思う。そもそもはベルリオーズの失恋を描いた交響曲なのだが、この曲を聴いていると私の脳裡にはシェイクスピア演劇や、クラシックバレエのシーンなどが勝手に駆けめぐる。日本で上演されたことがあるかどうか知らないが、パリ・オペラ座には「幻想交響曲」をバレエにした作品があるという。ぜひとも観たいものである。

最後にトゥガン・ソヒエフという指揮者は情熱的で緩急強弱のつけ方にも非凡なものがあると思う。日本のオケは彼を招聘すべきである。

ローマがいっぱい、お腹がいっぱい、デュトワ&N響

2012-12-08 21:22:59 | N響
昨日(7日)NHKホールで開かれたNHK交響楽団第1743回定期公演に行ってきた。ピアノはルイ・ロルティ。指揮はシャルル・デュトワ。

【演目】
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
リスト/ピアノ協奏曲第2番イ長調
  ~休 憩~
レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」「ローマの噴水」「ローマの松」
《19時00分開演、21時00分終演》

1曲目。1曲目はウォーミングアップかなぁ、と思いながら聴き始めたら、これがもう目がテン、耳がピーンとなるような素晴らしい演奏。今年聴いたN響のなかで最高の演奏といっても過言ではないぐらい。時に滑らかに時に撓るような弦の響きと均整のとれた金管の掛け合わせは美しいの一言。海外オケでもなかなか聴くことができないような鮮やかにして痛快な演奏を聴かせてくれた。ブラボー!ブラボー!ブラボー!

2曲目。ルイ・ロルティが使用したピアノはイタリア製高級ピアノ“Fazioli”。このピアノ、恐ろしくて低音の響きがまろやかで芳醇。さすがに持ち込むだけの価値がある。そして、N響の弦の低音の響きもそれよく相応てし、初めて聴くリストの2番がこんな面白い曲だったということを知らないことを猛省。ちゃんと予習をしておけばよかった・・・。あと、チェロ首席(藤森亮一)のビロードのような音色は白眉だった。

3曲目。ローマ3部作のノンストップ演奏(1時間余)を初めて聴く。ステージ後方の反響板にローマ遺跡の映像でも流してくれたらなあと思いながら聴いていたら、徐々に舞台がコロセウムのように見えてくるから不思議。演奏は最初の「祭り」で金管に若干の乱れはあったものの、残りの2曲は非常に纏まった演奏だった。マンドリン(青山忠)の音色にうっとり。また、11~12人いた打楽器陣が大奮闘でこれは特筆もの。

今回、バンダをパイプオルガンのあるテラスに置いたが、広いNHKホールならば2階もしくは3階席の一角に陣取った方が効果的だっただろう。いずれにしろ、御馳走いっぱいの演奏会でお腹いっぱいになった。(笑)

演奏会形式2本立てのN響定期

2012-12-07 11:57:46 | N響
先日(2日)NHKホールで開かれたNHK交響楽団第1742回定期公演に行ってきた。指揮はシャルル・デュトワ。

【演目】
ストラヴィンスキー/歌劇『夜鳴きうぐいす』(演奏会形式)
  ~休 憩~
ラヴェル/歌劇「こどもと魔法」(演奏会形式)
《19時00分開演、21時05分終演》

夜鳴きうぐいす:アンナ・クリスティ
漁師:エドガラス・モントヴィダス
料理人:ディアナ・アクセンティ
死に神:エロディ・メシェン
僧侶:ジョナサン・レマル
中国皇帝:デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン
侍従:青山 貴
日本からの使者:村上公太
日本からの使者:畠山 茂
合唱:二期会合唱団

子供:エレーヌ・エブラール
ママ・カップ・トンボ:エロディ・メシェン
安楽椅子・雌猫・リス・羊飼いの男:ディアナ・アクセンティ
火うぐいす:アンナ・クリスティ
お姫様コウモリ・フクロウ・羊飼いの娘:天羽明惠
ソファー・木:ジョナサン・レマル
大時計・雄猫:デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン
ティーポット・小さな老人・雨蛙:エドガラス・モントヴィダス
合唱:二期会合唱団
合唱:NHK東京児童合唱団

なかなか観ることも聴くこともできないオペラを、このように演奏会形式2本立てで披露したくれたデュトワとN響に拍手を送りたい。

(このあとに風邪を引いて体調を崩してしまったので今回は単なる備忘録です)

チャリティーコンサート「音楽と触れ合う町 岩手県大槌町へ」

2012-12-01 16:36:13 | その他
昨日(30日)文京区本郷にある求道会館で開かれた大槌町に音楽ホールを作ろうという趣旨のチャリティーコンサートに行ってきた。

昨年の東日本大震災で大槌町は市街地の8割以上が津波の被害をうけ、死者・行方不明者は1300人近くにもなってしまった。私は昨年大槌町を2回訪れたが、その痛々しい姿は今でも瞼に焼きついていてとても忘れることはできない。だが、そんなどん底のような光景のなかからも元気に立ち上がろうとしている人々の姿にお会いすることができ、逆に勇気づけられたりもした。

大槌町は以前より吹奏楽、民謡、踊りなどが盛んな町である。そこで、今回のコンサートの主催者であるNPO法人「日本の道」代表者である建築家の丸谷博男さんと大槌町の臺隆明さんが中心となって、町にいろいろな人々が集まれる音楽ホール「槌音」を作る計画を立てた。

今回の出演は大槌町になんらかの縁のある音楽関係者であったが、その顔ぶれと演奏は素晴らしかった。まず最初にN響トロンボーン奏者の吉川武典さんが「A Song for Japan」をしっとりと演奏して開幕。

その後はN響ヴァイオリン奏者の大鹿由希さん、都響ヴァイオリン奏者の田口美里さん、都響首席チェロ奏者の田中雅弘さん、合唱団コーロまざーぐうすのみなさん、東響首席ホルン奏者の大野雄太さん、元N響トランペット奏者の栃本浩規さん、東響ソロコンサートマスターの大谷康子さんらが見事な演奏と歌を披露して集まった観客の暖かい拍手を受けていた。

途中来賓として出席した碇川豊町長が、みなさんの善意で「槌音」というコンサートホールが灰色のキャンパスと化した所に町民の心のよりどころになることを願っています、と挨拶。

そして、コンサートの終幕には大槌町の防災無線のピアノ演奏をしているジャズピアニストの小曽根真さんが、飛び入りのジャズクラリネットの大御所である北村英治さんと『Shine』を、また俳優の井上芳雄さんが現在稽古中の井上ひさしの芝居の歌を披露。最後は大槌高校の生徒たちも加わって『ひょっこりひょうたん島』を演奏(写真)して、ハートフルな演奏会は終了した。

いつ日にかこの日演奏した人たちが音楽ホール「槌音」で演奏できることを願っている。そのためにも、多くの人がこの計画に賛同して支援の輪が広がっていってもらいたい。私も微力ながら協力したいと思う。

「音楽と触れ合う町岩手県大槌町へ」チャリティー
http://www.town.otsuchi.iwate.jp/docs/2012110600092/

大槌町に音楽ホールを!
http://maruya.exblog.jp/16663356/