昨日(25日)、東京芸術劇場で開かれている都民芸術フェスティバル2010のNHK交響楽団の公演を聴きに行ってきた。指揮はロッセン・ミラノフ。ピアノは岡田博美。
岡田博美は桐朋学園大学在学中に1979年第48回日本音楽コンクールで優勝。1982年第28回マリア・カナルス国際コンクールで第1位、1983年第2回日本国際音楽コンクールピアノ部門第1位、1984年第2回プレトリア国際コンクールにて第1位と、数多くのコンクールで輝かしい受賞をしている。そして、1984年からロンドンを拠点に活動を開始して、翌1985年にはロンドンでリサイタルデビュー。その後は1987年にフィルハーモニア管弦楽団とオーケストラ共演を果たした後、ヨーロッパ主要オケおよび日本のオケと共演している。
【演目】※はアンコール曲
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
~休 憩~
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調
※チャイコフスキー/歌劇「エフゲニ=オネーギン」より“ポロネーズ”
《19時00分開演、21時00分終演》
私の座席の右隣には20代の可愛い女性、左隣はどうみても80歳は越えているだろうというお爺さん。N響定期ではまずありえない両隣。都民芸術フェスティバルならではの対照的な観客に挟まれて聴く。(笑)
1曲目。N響はスロースターターなオケである。ところが、最近は1曲目から結構いい演奏をする。この曲もトロンボーンとチューバの震えるような厚みのある音色が素晴らしかったが、逆にホルンはボロボロ。まるで両隣の客席と同じような対照的な音色に含み笑いもしてしまったが、全体にはワーグナー特有の大らかさと仰々しさが見え隠れしていて味のある演奏だった。
2曲目。岡田博美は細身でとても華奢な感じの男性。そして、彼が繰り出すピアノの音色は小さな都会の片隅にいるような哀愁感を漂わせると共に、ラフマニノフならではの寂寥感を味あわせてくれる。なんかとてもロマンチックなのだ。それに合わせるかのように、オケも優雅にしてちょっと耽美な音色を紡ぎ出していく。なかでも、藤森亮一率いるチェロ陣がピアノと共に主題を演奏するときは、音色に色気が加わりゾクゾクしてしまい、思わず右隣りの可愛い女性を見てしまった。w
岡田はこれまでロンドンを中心に活躍していたので、日本で演奏する機会が少なかったが、昨年は日本のオケとも共演しているので、今後も聴ける機会はありそうである。
3曲目。ロッセン・ミラノフを2年前に聴いたときに、この人は只者でないと感じたが、それを再確認することができた。彼は大振りするわけでもない。細かい指示をあれこれ出すわけでもない。しかしながら、オケをうまくのせるテクニックをもっているようであり、彼の指揮には心を揺るがす何かをもっているように思える。というのも、木管や金管は第2楽章の半ば頃からスゥイングしていき、弦も第3楽章後半からドライブしているように聴こえてきたのである。そして、第4楽章ではそれが見事に融合していき、チャイコフスキーならではのドラマチックかつエネルギッシュで表情豊かな音楽を創り上げていったのである。ミラノフには近いうちに定期公演に登場してもらいたい。
岡田博美は桐朋学園大学在学中に1979年第48回日本音楽コンクールで優勝。1982年第28回マリア・カナルス国際コンクールで第1位、1983年第2回日本国際音楽コンクールピアノ部門第1位、1984年第2回プレトリア国際コンクールにて第1位と、数多くのコンクールで輝かしい受賞をしている。そして、1984年からロンドンを拠点に活動を開始して、翌1985年にはロンドンでリサイタルデビュー。その後は1987年にフィルハーモニア管弦楽団とオーケストラ共演を果たした後、ヨーロッパ主要オケおよび日本のオケと共演している。
【演目】※はアンコール曲
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
~休 憩~
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調
※チャイコフスキー/歌劇「エフゲニ=オネーギン」より“ポロネーズ”
《19時00分開演、21時00分終演》
私の座席の右隣には20代の可愛い女性、左隣はどうみても80歳は越えているだろうというお爺さん。N響定期ではまずありえない両隣。都民芸術フェスティバルならではの対照的な観客に挟まれて聴く。(笑)
1曲目。N響はスロースターターなオケである。ところが、最近は1曲目から結構いい演奏をする。この曲もトロンボーンとチューバの震えるような厚みのある音色が素晴らしかったが、逆にホルンはボロボロ。まるで両隣の客席と同じような対照的な音色に含み笑いもしてしまったが、全体にはワーグナー特有の大らかさと仰々しさが見え隠れしていて味のある演奏だった。
2曲目。岡田博美は細身でとても華奢な感じの男性。そして、彼が繰り出すピアノの音色は小さな都会の片隅にいるような哀愁感を漂わせると共に、ラフマニノフならではの寂寥感を味あわせてくれる。なんかとてもロマンチックなのだ。それに合わせるかのように、オケも優雅にしてちょっと耽美な音色を紡ぎ出していく。なかでも、藤森亮一率いるチェロ陣がピアノと共に主題を演奏するときは、音色に色気が加わりゾクゾクしてしまい、思わず右隣りの可愛い女性を見てしまった。w
岡田はこれまでロンドンを中心に活躍していたので、日本で演奏する機会が少なかったが、昨年は日本のオケとも共演しているので、今後も聴ける機会はありそうである。
3曲目。ロッセン・ミラノフを2年前に聴いたときに、この人は只者でないと感じたが、それを再確認することができた。彼は大振りするわけでもない。細かい指示をあれこれ出すわけでもない。しかしながら、オケをうまくのせるテクニックをもっているようであり、彼の指揮には心を揺るがす何かをもっているように思える。というのも、木管や金管は第2楽章の半ば頃からスゥイングしていき、弦も第3楽章後半からドライブしているように聴こえてきたのである。そして、第4楽章ではそれが見事に融合していき、チャイコフスキーならではのドラマチックかつエネルギッシュで表情豊かな音楽を創り上げていったのである。ミラノフには近いうちに定期公演に登場してもらいたい。