昨日(30日)すみだトリフォニーホールで開かれたヴェルディ生誕200年記念「ムーティ conducts ヴェルディ」を聴いてきた。指揮はリッカルド・ムーティ。演奏は東京春祭特別オーケストラ。ソプラノは安藤赴美子*、バス・バリトンは加藤宏隆**、合唱は東京オペラシンガーズ***。
【演目】
ヴェルディ/歌劇《運命の力》序曲
歌劇《シチリア島の夕べの祈り》第3幕よりバレエ「四季」
~休 憩~
ヴェルディ/歌劇《運命の力》第2幕より「天使の中の聖処女」* **
歌劇《マクベス》第4幕より「虐げられた祖国」***
歌劇《ナブッコ》第3幕より「行け、わが想いよ、黄金の翼にのって」***
歌劇《ナブッコ》序曲
《19時00分開演、21時00分終演》
今回の公演は来年5月に来日するローマ歌劇場のための一大プロモーションイベント。それでもめったにムーティの指揮を受けられない日本の音楽家にとっては嬉しいイベントであり、都響とN響を主体に在京オケの主力メンバーおよびフリーのソリスト(長原幸太、松田理奈など)が集まった編成になっている。
1曲目。ムーティ指揮のもとタイトで引き締った演奏で開始されるものの、途中からヴァイオリン陣がムーティに少し煽らされたのか、それとも気負いすぎたのか、少し上ずった音色に聴こえてしまったのが残念。あと、私がトリフォニーホールの音響に不慣れなせいもあるが、音色が妙に遠くから聴こえてくるような感じがした。トリフォニーのホームページには残響時間約2秒(満席時)と書いてあるが、個人的にサントリーホールやミューザ川崎の半分ぐらいにしか思えない。
2曲目。初めて聴く曲。季節は冬、春、夏、秋の順で演奏されていき、クラリネット、フルート、オーボエ、チェロがそれぞれの季節をリードしていくようだが、木管陣は1曲目のヴァイオリン陣と同じように少し上ずりすぎて落ち着きに欠けていた。一方でチェロ陣は終始穏やかな音色で、約30分にもおよぶバレエ音楽をまとめる牽引車ぶりを発揮した。
後半については簡略に書かせてもらうが、3曲目に登場した2人の歌手は声質は綺麗だが声量不足は否めない。4曲目は初めて聴いた曲だが、合唱そのものは無難だったが、オケと一体化しているようには聴こえなかった。5曲目は前曲とはうって代わり合唱団はうまくオケとマッチしていては素晴らしかった。6曲目、ムーティの真骨頂が発揮され、万来の拍手喝采を受けたが、本人はさほど満足しているようには見えなかった。
全体を通して一番印象が良かったのはトロンボーン陣。次いでチェロ陣、ハープとティンパニーという感じだった。他はやはりムーティの気迫に押されたのか、それとも気負いすぎたきらいが現れていた。2日目は緊張がほぐれて良くなるかもしれないが、1日目は結局のところオケのメンバーたちが生真面目で少し興奮しすぎていたのではないだろうか。
最後に、ムーティはヴェルディを振らせたら世界一の指揮者かもしれない。彼はそれだけヴェエルディを熟知しているし、自信をもって揺るぎない指揮をしていた。別に来年のローマ歌劇場の演奏会を宣伝するつもりはないが、来年は手慣れたオケの指揮となるので充実したオペラ公演になるのではないだろうか。私としてはオペラ公演はちょっと値がはるので行けるかどうか解らないが、もしオケだけのいわゆる特別演奏会があれば必ず行くつもりでいる。
【演目】
ヴェルディ/歌劇《運命の力》序曲
歌劇《シチリア島の夕べの祈り》第3幕よりバレエ「四季」
~休 憩~
ヴェルディ/歌劇《運命の力》第2幕より「天使の中の聖処女」* **
歌劇《マクベス》第4幕より「虐げられた祖国」***
歌劇《ナブッコ》第3幕より「行け、わが想いよ、黄金の翼にのって」***
歌劇《ナブッコ》序曲
《19時00分開演、21時00分終演》
今回の公演は来年5月に来日するローマ歌劇場のための一大プロモーションイベント。それでもめったにムーティの指揮を受けられない日本の音楽家にとっては嬉しいイベントであり、都響とN響を主体に在京オケの主力メンバーおよびフリーのソリスト(長原幸太、松田理奈など)が集まった編成になっている。
1曲目。ムーティ指揮のもとタイトで引き締った演奏で開始されるものの、途中からヴァイオリン陣がムーティに少し煽らされたのか、それとも気負いすぎたのか、少し上ずった音色に聴こえてしまったのが残念。あと、私がトリフォニーホールの音響に不慣れなせいもあるが、音色が妙に遠くから聴こえてくるような感じがした。トリフォニーのホームページには残響時間約2秒(満席時)と書いてあるが、個人的にサントリーホールやミューザ川崎の半分ぐらいにしか思えない。
2曲目。初めて聴く曲。季節は冬、春、夏、秋の順で演奏されていき、クラリネット、フルート、オーボエ、チェロがそれぞれの季節をリードしていくようだが、木管陣は1曲目のヴァイオリン陣と同じように少し上ずりすぎて落ち着きに欠けていた。一方でチェロ陣は終始穏やかな音色で、約30分にもおよぶバレエ音楽をまとめる牽引車ぶりを発揮した。
後半については簡略に書かせてもらうが、3曲目に登場した2人の歌手は声質は綺麗だが声量不足は否めない。4曲目は初めて聴いた曲だが、合唱そのものは無難だったが、オケと一体化しているようには聴こえなかった。5曲目は前曲とはうって代わり合唱団はうまくオケとマッチしていては素晴らしかった。6曲目、ムーティの真骨頂が発揮され、万来の拍手喝采を受けたが、本人はさほど満足しているようには見えなかった。
全体を通して一番印象が良かったのはトロンボーン陣。次いでチェロ陣、ハープとティンパニーという感じだった。他はやはりムーティの気迫に押されたのか、それとも気負いすぎたきらいが現れていた。2日目は緊張がほぐれて良くなるかもしれないが、1日目は結局のところオケのメンバーたちが生真面目で少し興奮しすぎていたのではないだろうか。
最後に、ムーティはヴェルディを振らせたら世界一の指揮者かもしれない。彼はそれだけヴェエルディを熟知しているし、自信をもって揺るぎない指揮をしていた。別に来年のローマ歌劇場の演奏会を宣伝するつもりはないが、来年は手慣れたオケの指揮となるので充実したオペラ公演になるのではないだろうか。私としてはオペラ公演はちょっと値がはるので行けるかどうか解らないが、もしオケだけのいわゆる特別演奏会があれば必ず行くつもりでいる。