前日に続き一昨日(29日)もサンントリーホールで開かれたサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団の公演に行ってきた。指揮はユーリ・テミルカーノフ。
【演目】
カンチェリ/アル・ニエンテ~無へ(日本初演)
~休 憩~
チャイコフスキー/交響曲第4番
※エルガー/愛の挨拶
※ストラヴィンスキー/組曲『プルチネッラ』から第7曲ヴィーヴォ
《19時00分開演、21時05分終演》
前日はほぼ満席だった客席もこの日はプログラムに現代音楽が入っているせいか8割程度の入り。2008年に初めてテミルカーノフ&サンクトペテルブルク・フィルをオペラシティで聴いたときは、客席の入りが2~3割ぐらいだったことを考えると雲泥の差である。そのときの招聘元はカジモトであったが今回はジャパンアーツである。会場がサントリーホールに変わったこともあるが、ジャパンアーツの努力には敬服する。しかし・・・。
前日は2階席センターで聴いたが、この日は1階で聴く。1階には招待客らしき人たちも多く、そこらじゅうで立ち止まっては挨拶を繰り広げる。まあ、こうした人たちを招待をするのは主催者もしくはスポンサーにとっては大事なことであるかもしれない。しかし、それならば空席や補助席にはめったに海外オケを聴けるチャンスのない芸術系高校や音楽大学の学生を招待することができないのだろうか。主催者やスポンサーの器量の大きさを発揮してもらいたい。
1曲目。現代音楽である。日本初演とあるが世界初演は2000年ということだから、さほど評判になった音楽ではなかったのだと思う。曲は休符を多用したり、強弱のコントラストを明確にして、人間の深層心理を描いているのだろう。しかし、感銘するというところまでは至らなかった。この曲が日本のオケで取り上げるのは、テミルカーノフが読響を指揮するときぐらいだろうか・・・。
2曲目。チャイコフスキーは数多くのバレエ音楽を書いているように、19世紀ロシアにおいてはある種貴族趣味的音楽の達人であった。だが同時に今日まで広く庶民にも親しまれている音楽を作曲したのだから大衆音楽の達人でもあるはずだ。テミルカーノフはその変節という変貌の過程を教えてくれるかのような指揮で、第1楽章の優美な音色から第4楽章の民族的高揚にいたるまで、チャイコフスキーの思いを昇華させてくれているかのようであった。
6年前にオペラシティで聴いた「悲愴」は忘れることのできない感動的名演だったが、今回も一糸乱れぬ弦の音色と金管の優麗な咆哮で十二分に酔いしれることができた。サンクトペテルブルク・フィルは間違いなく本家本元のチャイコフスキー・オーケストラだと確信した。
【演目】
カンチェリ/アル・ニエンテ~無へ(日本初演)
~休 憩~
チャイコフスキー/交響曲第4番
※エルガー/愛の挨拶
※ストラヴィンスキー/組曲『プルチネッラ』から第7曲ヴィーヴォ
《19時00分開演、21時05分終演》
前日はほぼ満席だった客席もこの日はプログラムに現代音楽が入っているせいか8割程度の入り。2008年に初めてテミルカーノフ&サンクトペテルブルク・フィルをオペラシティで聴いたときは、客席の入りが2~3割ぐらいだったことを考えると雲泥の差である。そのときの招聘元はカジモトであったが今回はジャパンアーツである。会場がサントリーホールに変わったこともあるが、ジャパンアーツの努力には敬服する。しかし・・・。
前日は2階席センターで聴いたが、この日は1階で聴く。1階には招待客らしき人たちも多く、そこらじゅうで立ち止まっては挨拶を繰り広げる。まあ、こうした人たちを招待をするのは主催者もしくはスポンサーにとっては大事なことであるかもしれない。しかし、それならば空席や補助席にはめったに海外オケを聴けるチャンスのない芸術系高校や音楽大学の学生を招待することができないのだろうか。主催者やスポンサーの器量の大きさを発揮してもらいたい。
1曲目。現代音楽である。日本初演とあるが世界初演は2000年ということだから、さほど評判になった音楽ではなかったのだと思う。曲は休符を多用したり、強弱のコントラストを明確にして、人間の深層心理を描いているのだろう。しかし、感銘するというところまでは至らなかった。この曲が日本のオケで取り上げるのは、テミルカーノフが読響を指揮するときぐらいだろうか・・・。
2曲目。チャイコフスキーは数多くのバレエ音楽を書いているように、19世紀ロシアにおいてはある種貴族趣味的音楽の達人であった。だが同時に今日まで広く庶民にも親しまれている音楽を作曲したのだから大衆音楽の達人でもあるはずだ。テミルカーノフはその変節という変貌の過程を教えてくれるかのような指揮で、第1楽章の優美な音色から第4楽章の民族的高揚にいたるまで、チャイコフスキーの思いを昇華させてくれているかのようであった。
6年前にオペラシティで聴いた「悲愴」は忘れることのできない感動的名演だったが、今回も一糸乱れぬ弦の音色と金管の優麗な咆哮で十二分に酔いしれることができた。サンクトペテルブルク・フィルは間違いなく本家本元のチャイコフスキー・オーケストラだと確信した。