昨日(28日)サントリーホールで開かれたバイエルン国立歌劇場管弦楽団の来日記念特別演奏会を聴きに行ってきた。指揮はケント・ナガノ。独唱はアドリエンヌ・ピエチョンカ。
【演目】(※はアンコール曲)
ワーグナー/歌劇『タンホイザー』より序曲とヴェヌスベルクの音楽(パリ版)
R.シュトラウス/『四つの最後の歌』
~休 憩~
ブラームス/交響曲第4番
※ワーグナー/歌劇『ローエングリン』第3幕への前奏曲
《19時00分開演、21時10分終演》
バイエルン国立歌劇場は『ロベルト・デバリュー』『ローエングリン』『ナクソス島のアリアドネ』という3つのオペラ公演のために来日中だが、その合間を縫っての特別演奏会。チケットは完売でなかったにしろ、9割から9割5分の入り。
1曲目。ケント・ナガノの統率力に満ちあふれた指揮ぶりは素晴らしい。ワーグナーということで、指揮もオケも手慣れた曲ではあろうが、まったく手を抜くことがない。ナガノはアグレッシブにオケを纏め上げていく。そして、そこからコントラバスやチェロの低弦も、トランペットやホルンの高音もカクテル光線のように輝いて放たれていく。いきなりバイエルンからの音がサントリーホールを制圧してしまった。
2曲目。何度も書いて恐縮だが、私はドイツ語を勉強していないので、ドイツ語の歌を理解することができない。ましてや字幕もなければプログラムに対訳すらない歌を理解するのは不可能である。これでは馬の耳に念仏、猫に小判である。
3曲目。ケント・ナガノの指揮は明晰であると共に精巧にして緻密。そして、オケの音色は重厚であると共に時おり静謐感が漂う。加えて、その音色に理性というか知性を感じる。ドイツには120以上のプロオーケストラがあると言われるが、このバイエルン歌劇場管弦楽団はそのトップクラスに位置するであろう。首席陣にスターはいないので派手さはないが、誰もがいぶし銀というか玄人肌の仕事をしている。そんななかで、第4楽章にフルートのお姉さんがなんともいえないクリスタル感のあるロマッチックな音色を奏でてくれた。
アンコールは予想通りというか宣伝も兼ねてであろうのワーグナー。指揮者もオケのメンバーも、次はオペラを観に来てくださいという強いメッセージが伴った圧巻の演奏。観客は大喜びでモントリオール交響楽団のときには観られなかった“一般参賀”もごく自然に起きた。ということで、今度の土曜には『ロベルト・デバリュー』(指揮はナガノではない)を観に行く。『ナクソス島のアリアドネ』(こちらは指揮はナガノ)はお財布と相談してから決めたいと思う。
いずれにしろ、ケント・ナガノには大いなる才能を感じた。彼は2013年半ばでバイエルンとの契約が切れるので、そのあとに是非とも日本のオケをも振ってもらいたい。さて、どこのオケと共演するだろうか。
【演目】(※はアンコール曲)
ワーグナー/歌劇『タンホイザー』より序曲とヴェヌスベルクの音楽(パリ版)
R.シュトラウス/『四つの最後の歌』
~休 憩~
ブラームス/交響曲第4番
※ワーグナー/歌劇『ローエングリン』第3幕への前奏曲
《19時00分開演、21時10分終演》
バイエルン国立歌劇場は『ロベルト・デバリュー』『ローエングリン』『ナクソス島のアリアドネ』という3つのオペラ公演のために来日中だが、その合間を縫っての特別演奏会。チケットは完売でなかったにしろ、9割から9割5分の入り。
1曲目。ケント・ナガノの統率力に満ちあふれた指揮ぶりは素晴らしい。ワーグナーということで、指揮もオケも手慣れた曲ではあろうが、まったく手を抜くことがない。ナガノはアグレッシブにオケを纏め上げていく。そして、そこからコントラバスやチェロの低弦も、トランペットやホルンの高音もカクテル光線のように輝いて放たれていく。いきなりバイエルンからの音がサントリーホールを制圧してしまった。
2曲目。何度も書いて恐縮だが、私はドイツ語を勉強していないので、ドイツ語の歌を理解することができない。ましてや字幕もなければプログラムに対訳すらない歌を理解するのは不可能である。これでは馬の耳に念仏、猫に小判である。
3曲目。ケント・ナガノの指揮は明晰であると共に精巧にして緻密。そして、オケの音色は重厚であると共に時おり静謐感が漂う。加えて、その音色に理性というか知性を感じる。ドイツには120以上のプロオーケストラがあると言われるが、このバイエルン歌劇場管弦楽団はそのトップクラスに位置するであろう。首席陣にスターはいないので派手さはないが、誰もがいぶし銀というか玄人肌の仕事をしている。そんななかで、第4楽章にフルートのお姉さんがなんともいえないクリスタル感のあるロマッチックな音色を奏でてくれた。
アンコールは予想通りというか宣伝も兼ねてであろうのワーグナー。指揮者もオケのメンバーも、次はオペラを観に来てくださいという強いメッセージが伴った圧巻の演奏。観客は大喜びでモントリオール交響楽団のときには観られなかった“一般参賀”もごく自然に起きた。ということで、今度の土曜には『ロベルト・デバリュー』(指揮はナガノではない)を観に行く。『ナクソス島のアリアドネ』(こちらは指揮はナガノ)はお財布と相談してから決めたいと思う。
いずれにしろ、ケント・ナガノには大いなる才能を感じた。彼は2013年半ばでバイエルンとの契約が切れるので、そのあとに是非とも日本のオケをも振ってもらいたい。さて、どこのオケと共演するだろうか。