安倍晋三首相(自民党総裁)が先月、視察したばかりの会社の脱税(所得隠し、申告漏れ)が発覚しました。
これはお昼のNHKニュースがスクープで報じたもの。すでに修正申告を済ませているようで、首相が視察した時点で、社長が国税庁から指摘を受けていたことは確実です。安倍首相の視察先は、経産省から出向している首相秘書官が裁量をもっていると思われます。
国税庁からリークした可能性が高く、アベノミクスで投資減税などの法人税下げをねらう安倍首相を、財務省が「さした」可能性があります。
投票日の2日前に、NHKの主要ニュース(お昼のニュース、ニュース7、おはよう日本7時台)で首相が先月視察した企業の「脱税」が報じられるのは極めて異例。NHK社会部は凶悪事件の減少で存在感が低下しており、報道したと考えれます。
[首相官邸FBから引用はじめ]
岡野工業という町工場を視察しました。
岡野雅行さんという名物社長さんが経営するこの会社。実は世界で1つしかない技術を持っています。
「痛くない注射針」。
痛くない注射は、赤ちゃんから大人まで、国境を越えて世界のあらゆる人々にとっての共通の夢だったのではないでしょうか。私も実際に経験しましたが、この針は腕に刺されても全く感じない。0.18mmという世界最細の注射針を1分間で500本ものスピードで作り上げて行きます。しかも、欠品率はゼロ。1本の欠陥品もないそうです。
今、医療市場は年間2兆円の輸入超過ですが、日本の医療技術を持ってすれば、これを輸出産業にすることができます。こうした技術をどんどん世界に輸出していけば、経済成長と医療の安心とで一石二鳥。日本もまだまだ成長できます。
技術で成長する日本。また一つ、勇気が湧いてきました。
[引用おわり]
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「痛くない注射針」岡野工業、1億円所得隠し 国税指摘(朝日新聞) - goo ニュース
金型製造やプレス加工を中心に、町工場から世界水準の商品を発信している金属加工会社「岡野工業」(東京都墨田区)が東京国税局の税務調査を受け、2011年12月期までの数年間で1億円超の所得隠しを指摘されたことが分かった。重加算税などを含めた追徴税額は約5千万円とみられる。
同社は「取引先への手数料の支払いをめぐって国税局から指摘を受けたが、架空の経費ではない。見解の相違はあったが修正申告し、納税した」としている。
関係者によると、同社は取引先に部品を発注して代金を渡したが、代金の一部を還流させる一方で架空の経費を計上し、11年12月期までに1億円を超える法人所得を隠したという。
民間信用調査会社によると、同社は1972年設立で従業員5人。「刺しても痛くない注射針」や携帯電話の電池ケースを開発するなどし、各業界を代表する世界の大手企業から受注している。
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同社は社員5人ほどの会社ですから、1人あたり2000万円前後の脱税額。さらに、社長は、取引先に先払いで払ったものの品物の質が低いから代金を返させたという趣旨の説明をしていますが、あまり「先払い」というのは、町工場の世界では耳慣れない取り引きのように思えます。
このように、以前では考えられない報道があるなかで、次のように変わらない報道があります。
「連合、緩む結束に危機感 一部労組、自民支援の方針」
この記事は、15年前の参院選の日経新聞の記事です。このように、「連合が結束(団結)がゆるみ、一部が自民党に投票している」という記事は、組織のお祭りである参院選のたびに繰り返されるネガティブ・キャンペーンです。これは、日経新聞などが主要広告主の日本経団連の意図を考えて打つミスリード記事で、経営者による組合つぶしの一環です。毎回続くこのようなネガティブ・キャンペーンに惑わされないようにしましょう。
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