【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

DBJ日本政策投資銀行の完全民営化先送り法案が衆議院委員会を通過 日経平均が2万円

2015年04月10日 23時59分31秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年4月10日(金)衆議院財務金融委員会】

 「DBJ日本政策投資銀行の完全民営化を先送りする法案」(189閣法13号)が審査され、共産党の反対、自公民の賛成多数で可決しました。なお確認しきれていませんが、維新の党も反対したようにみえました。

 審査では、共産党の宮本徹さんが、東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故後に、東電株式会社への融資が増えているのではないかと指摘。会計検査院第二局長は、「すでに先月、参議院に報告している」数字として、2011年は0・3兆円の融資残高だったのが、直近の数字では0・7兆円の融資残高に激増している実態を明かしました。宮本さんは「民間の銀行はどんどん引き上げている」として「株式会社化した後の、情報開示がなくなった。前身の日本開発銀行時代は融資上位50社を発表していた」と指摘しました。これに対して麻生財務・金融相は「それは公表していいか一社ごとに確認していた」とかわしました。

 私は記者生活のほとんどを、政治または行政の取材を専門としてきましたが、なんとなく、自由主義経済における株式会社の方が情報にオープンな印象がありました。ただ、今振り返ると、それは大企業エリート社員がやたらと政治家や役人をバカにする姿を見たから錯覚していただけかもしれない、と反省しました。たしかに、株式会社というのは、英語でFirmであり、情報も金も人も囲い込んだ閉鎖的な空間だから、利益があがるのです。

 ◇

 ところで、日経平均株価が15年ぶりに2万円越えという報道があります。日経平均とは指標(インデックス)に過ぎません。ダウ平均(ダウ30種工業株平均)の長期的なグラフを見れば、おおむね右肩上がりになっています。ダウ30社のうち、29社は過去に入れ替わりました。日経平均でも、15年前は三洋電機は「900円ぐらい」だったようですが、これは今どうなっているかというと、「日経平均」には違う会社が入っている。日経平均において三洋電機は「0円」ではなく225種から排除されている。だから、三洋電機を「ゼロ」と計算したら、きょうの日経平均は19800円ぐらいではないでしょうか。つまり、入れ替わりがある以上、日経平均という指標が中期的に過去最高を更新し続けるのは当たり前のことです。

 ではなぜバブル期の3・8万円に届かないか。それは、日本が開放経済でありドルベースの計算ではないこと、日本国内225種が指標として多すぎるからでしょう。もっとどんどん大企業が潰れて、ベンチャー企業が日経平均に加われば、日経平均はもっともっと、円ベースでも、ドルベースでも、上がり続けます。

 今後も、ゆうちょ銀行が現在の200兆円の国債を売り、株を買うことになるでしょう。市場に出た国債は日銀が買い入れ、株高(日経平均高)、債券高(長期金利ゼロ%台)はまだまだ続くことになります。ただし、市場が開放経済であることはゆめゆめ忘れてはいけません。

 株式会社というのはつくづく閉鎖的で保守的です。まして日本の株式会社ならばすごい閉鎖的です。だから、売上高は別として、利益は史上最高水準を各社が記録できるのです。同時に、異次元の金融緩和によって、市場から消え去る運命の企業が運転資金の確保により延命しています。

 大企業優先の政治は、現実問題として、まだまだ続きそうです。

以上

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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