【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「特区法改正案」を性懲りもなく第211回通常国会に提出へ、官房副長官は「規制改革ビジネスでオリックス・パソナ大きくなった」と異例の論評

2022年12月25日 16時34分02秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]四半世紀にわたり規制改革部局が入る内閣府永田町合同庁舎、宮崎信行撮影。

 「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法改正案」(211閣法 号)が来月からの通常国会に提出される見通しとなりました。

 懸案だった兵庫県養父市の「企業の農地取得特区」は全国恒久法にはせず、首長の同意が必要な構造改革特区に移すことになり、所要の改正案が出ます。

 また「国家戦略特区の区域計画に定められた事業のために補助金等交付財産の目的外使用等を行う際の承認手続に係る特例措置の創設について、これに関連する必要な規定を盛り込んだ国家戦略特区法改正案の早期の通常国会への提出を図る」ことも決まりましたが、「補助金の目的外使用の特例」とはいったいなんなんでしょう。まったく信用できません。自民党政権のやることはほとんど信用していませんが、私はまったく信用していません。

 オリックス球団は事実上の創業者でリース(減価償却を活用した節税)の父である宮内オーナーが来週元日に辞任することになりました。私は前回優勝直後の1997年に宮内さんに社長室で取材したことがありますが、信用してはいけない人間の目だと感じました。
 
 木原誠二官房副長官は、YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」で、特区に巣食う頭の良い民間人を批判しました。

 木原さんは「よく世の中で言われるみたいにその規制緩和に関わってる人たちがロビイスト的な存在で彼らが自分たちの利益を取るために規制緩和と称する利益誘導やってるだけなのか」「規制改革そのものがビジネスになっちゃってて、必ずしも本質的なものばかりではなくなっているということが結構大きいんじゃないかなと僕はそう思っています」と語りました。

 官房副長官がこのような発言をしたのは25年間で初めてだと思われます。規制改革相が2005年の予算委員会で宮内さん個人の人間性を暗に批判したことはあります。

 木原さんは続けて「今俺わざわざ名前出したんだけど別に批判するつもりないけど平岩さん、宮内さん、岡さんとこ大企業の人たちだから。大企業の本当にトップの代表の皆さんが規制改革をやるって、あまり世界で聞かないよね、もうちょっとスタートアップとか中小企業が規制改革を、日本の反省からすると、宮内さんがオリックスみたいな企業が規制改革ビジネスをやってるんだっていう批判はある程度当たってると思う。それを通じてご自身の企業がビジネスを大きくしてきたという意味では、それは善し悪しは別として、それはある。ある程度正解な規制改革として派遣労働をオッケーにして、パソナめっちゃ儲かってる、みたいなもあるかもしれないですよね」と述べました。

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 ここ数年では規制改革・地方創生ビジネスにやぶれて会社に就職した人に対して「そういう経歴だと思いましたよ、地方創生顔していますから」という趣旨の皮肉を言う人もいるそうです。大学で学んだ怜悧な頭脳と愛郷心を規制改革・地方創生特区などという不公正な任務に使ってはいけません。

 宮崎財閥200年の自信に満ち満ち東京支社長としても連戦連勝が続く私から断言すれば、規制改革をすると経済成長するという理論を実証した経済学者は皆無。自民党も立憲民主党も過去官僚で「改革は尊い」としている政治家は多いのですが、規制改革特別地域をつくると経済成長するというのはオカルト理論。やるなら、銀行融資100倍特区でもつくるしかないでしょう。

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