ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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2020年9月15日立憲民主党結党大会、150人新党は26年ぶり枝野幸男代表と菅義偉首相対峙へ

2020年09月15日 18時45分30秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]枝野幸男立憲民主党代表、きょう2020年9月15日、宮崎信行撮影。

●立憲民主党が正式に結党

 立憲民主党結党大会が、きょう、令和2年2020年9月15日(水)開かれました。枝野幸男初代代表(埼玉5区)が、あす第202回臨時国会初日に選ばれる菅義偉・第99代首相(自民党総裁、神奈川2区)と対峙します。

 衆議院議員107名超えの新党は1996年民主党(昨日解党)よりもさらに遡り1994年12月の新進党(法律的には2003年解党)以来、26年ぶりの結党となります。

●枝野幸男代表が就任

 枝野幸男初代代表は「立憲民主党、略称・民主党が今からスタートします」「特に衆議院では、政権交代の発射台と言われる100名を超えるメンバーが集まりました」「今こそ国民のみなさんに選択肢を示すとき」と語りました。

 枝野さんは「私たち立憲民主党は右でもなく左でもなく、あなたとともに進みます」「私にはあなたの力が必要です」としめくくりました。3年前はポピュリズム(大衆迎合)にも聞こえた枝野さんの常套句。この3年間、立憲パートナーズの存在で肉付けされたと思います。それが全体の過半数に届くのかは分かりませんが、立憲パートナーズによる草の根からのボトムアップは、私には新鮮に感じられました。合流新党「立憲民主党」は、そのフレーズに政策の魂を入れられるか。単なるポピュリズムに終わるのか。真価を問われるのは次の選挙になります。

●ボトムアップの草の根からの民主主義はZoomで

 旧・民主党が2012年野党転落後、合従連衡が続きました。福山哲郎幹事長は終了後の囲み取材で記者から「今日の党大会はこれまでの党大会と何が違うのか」と問われ「最も違うのはZoomで全国から参加いただいたということだと思います。コロナで厳しいこともたくさんありましたが、新しい社会のつながりを示していただいた」と語り、ウェブ会議システム「Zoom」の活用をあげました。

 会合では、今年初めて国会ロビー活動をした「#SaveOurSpace」発起人の一人、スガナミユウさん(LIVE HAUS代表)がZoomでスピーチ。スガナミさんは「アフターコロナと言って次の社会、次の未来というけれど、そうやって弱い人たち、情報を知りえない人たちを置き去りにするのはやめましょう」「結党おめでとうございます」と語りました。その言葉が私の心につきささりました。

●立憲民主党のリソースは国民民主党を凌駕

[写真]立憲民主党結党大会で登壇した初代執行部、2020年9月15日、宮崎信行撮影。

 この場所は、ザ・プリンスパークタワー東京コンベンションホール。2012年12月16日の総選挙大敗を受けて、野田佳彦首相が民主党代表の立場で退陣を表明した場所と同じです。私が「首相の辞任表明」を直に見たのはこのときだけです。ちなみに、そのときは、与党第一党の開票センターなのに、クラブ外は私1人しかいませんでした、念のため。それはさておき、私は1994年12月の新進党結党大会には「総支部代議員」の立場で3階席から参加しました。この場所は、神奈川2区で当時から伸びる地域と衆目が一致していました。きょうは超望遠レンズを自己所有としては初めて投入しました。まあまあいい写真が撮れました。領収証をどの立場で落とすかはこれから決めますが、今後も、ここぞというときだけ、投入しようともくろんでいます。

●岡田克也さんは今日の時点で亜h無役

 
[写真]開会前に話す、金子恵美さん(左)と岡田克也さん、同上。

 きょうの人事では岡田克也さんの処遇はありませんでした。

 党大会には「総支部長」も参加。初出馬から17年連続で当選したのに前回の選挙で「希望の党公認」で落選した元副大臣がいました。その前年、岡田克也・民進党初代代表が、地方選挙の結果でなぜか交代したときに、「岡田さんを落とし穴に落とした」と私がなじった元副大臣。私と目を合わせません。もう一度話しかけると、「宮崎さんは今どちらですか」と言うので「変わりません」と言いました。私の目を見られないので、2016年の出来事はおおむね正しかったようですが、合従連衡のため、各議員同士がピリピリした関係を解消することはできないと思います。昔のような和気あいあいとした雰囲気よりも政治は厳しいものです。

●国民民主党も結党

 さて、国民民主党結党大会も開かれました。こちらは、立憲とは違い、貸会議室での開催。当ニュースサイトも当初は「テレビの嘘に騙されるな」という趣旨の主張をしていましたが、きょうのニュースはテレビ映像で見比べると、「ああ、こういうことか」と実感するでしょう。原発依存度ゼロの沖縄電力労組は立憲を支持するようですが、国民民主党は浜野喜史・経理局長(電力総連関電労組)と小林正夫・倫理委員長(電力総連東電労組)というあきれた布陣。原発事故直後の春闘で疲れ果てた電力総連幹部の姿には同情した私ですが、原発事故9年後になってこのような醜態を繰り返す原発村は日本の負の象徴に感じます。

 人物だと思った、玉木雄一郎代表や山尾志桜里さんら。少所帯で予算委員会で質問し、野党調整で立候補すれば楽しいでしょう。1995年社会党はいまだに健在です。社民連よりも人数が多い国民民主党。とはいえ、「玉木さんと山尾さんの道行初音旅」の道は険しそうです。「ご指導いただくセンセイ」が不在だと、自由な政界で羽ばたき過ぎて天井にぶつかってしまいます。

●連合組織内3分裂

 連合、日本労働組合総連合会の神津里季生会長は立憲民主党結党大会で、相原事務局長は国民民主党結党大会であいさつし、連合の股裂き3分裂が確定しました。私は神津さんは連合発足以来最低最悪の会長だと考えます。

●筆者の感想

 合従連衡はさすがにこれで終わり、日本の政治は良い方向に行くのではないでしょうか。首相官邸の担当記者をしましたが、「元官房長官対決だ」(福山さんの囲み)。ハッキリ言って、どの省の大臣よりも、官房長官や、副長官の中の1人程度の方が、名実ともに首相に近い。メーンストリーム(主流)です。例えば、故人ですが、鳩山邦夫さんは文相、労相、法相、総務相を歴任しましたが首相候補とされたことはありません。

 能力のある人が政権を出入りし、官邸を出入りしながら進める政治がいいと考えます。しかし、官邸内は見えにくい。官邸の見える化を進めましょう。それと税制のシンプル化が必要だと個人的には考えています。その第一歩の日だとして、私は本気で、きょう、日本は良い方向に向かい出したと考えています。そして、政治もメディアも厳しい中、仙人のようにふるまう私に、生活に困る若い女子学生がウェブ会議で立憲に届けたという「政治に私たちは見えていますか」の声もまた、心につきささりました。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

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