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ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

大塚耕平さんが麻生さんと4年ぶり3/26対決 「中小企業金融等円滑化法、ここまで利用されるとは」

2013年03月26日 14時04分22秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]参議院財政金融委員会で質疑する大塚耕平さん、2013年3月26日(火)、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

【参議院財政金融委員会 2013年3月26日(火)】

 民主党の大塚耕平元金融担当大臣(元厚生労働副大臣)が登場。

 麻生太郎財務大臣に対して、「5年前の日銀総裁人事では、民主党内に、仮に財務省から来るなら財務官経験者という話があった」と明かし、黒田東彦新総裁起用に一定の評価を示しました。そのうえで、「日銀が外債を購入することは法的に制約はない。大臣が財務省に帰ったら『日銀法40条で・・・』と説明があるかも知れないが、実際には制約されていない」としました。為替介入の場合でも、その水準に関しての規定がないので、法的制約がないという趣旨のことも語りました。そのうえで大塚さんは「財務省には外国為替特別会計(外為特会)があるのだから、日銀も(同様に)外債を買うべきだ。デフレ対策には(日銀による)外債購入が有効であり、財務大臣として大きな判断をするときが来る」との趣旨を語りました。

 大塚耕平さんと麻生太郎さん「3・26」対決は4年ぶり。

 4年前の3月26日にも、野党の大塚さんの質疑に与党麻生さんが答弁しています。(2009年3月26日付エントリー

 議題はきょうと同じ所得税法改正法案でした。麻生さんは総理大臣で、しめくくり質疑での総理出席質疑でした。

 そして、この朝、日経新聞で、自民党・平田財務副大臣が家業の株を大量に売却していたと報道。政務三役の株式売却は基本的には禁じられています。大塚筆頭理事は、「本当は総理や財務相と財政・金融に関する議論をしたい」としながら、財務副大臣の首をはねた上で、法案採決に応じました。麻生内閣は予算審議中の2ヶ月間に財務大臣、副大臣が別々の不祥事で辞任する前代未聞の事態になり、そして、政権交代しました。 

 

 上の画像は4年前の大塚・麻生対決。この時点で大塚さんには野党経験しかありません。麻生さんは総理でした。

 それから4年。

 31日に終わる「中小企業金融等円滑化法」について、「亀井大臣が『平成の徳政令だ』と言ったので、(私は)『大臣、徳政令とは言わないでください』と言って金融庁の畑中長官らと相談して、(副大臣として)今の法律にまとめました」とし、3年間の役割を終える「我が子」について、

 「正直言って、ここまで利用されるとは思わなかった」

 と自画自賛しました。

 中小企業者と住宅ローン者のリスケジュール(融資の条件変更)を可能にした与党経験に思わず表情もほころびました。

 

 一方、麻生さんも「徳政令ねえ・・・(亀井氏は)手形のジャンプっていう言葉を知らないんだね」と憎まれ口風に話しました。亀井大臣をけなしながら、大塚副大臣の手腕に一定の評価を示したものだと考えられます。互いを尊敬し合いながら牽制する二大政党時代のスタートを感じます。

 選挙制度に関する関心が高まっています。参議院は任期が6年間で半数改選。大塚さんは7月21日(日)に愛知選挙区で審判を受けます。ということは、4年前の野党時代の麻生総理を射るような鋭い大塚さんも、役目を終える法律を自画自賛する元副大臣としのて野党議員である大塚さんもともに、今の任期(2期目)です。この6年間の大塚さんを評価するとなると、いろいろ歴史的位相が違って愛知県有権者の当事者意識もそうとう高く持たないと。大塚さんの元気そうな質問ぶりに、国会とその周辺での仕事ぶりが最大の日常活動だなと感じました。

 円滑化法は民主党2009マニフェストにはありませんでした。民主党マニフェストには「中小企業の税率を18%から11%に下がる」と書いてありました。しかし、総選挙中から「(法人税は黒字企業にしか課税されないので)、早く税金を納められるような経済政策をしろよ」との批判が出ていました。このマニフェストが検討課題に載ったのは聞いたことがないし、「マニフェスト総崩れ」批判の中でも、この項目への批判は自民党からも、マスコミからもありませんでした。そういう意味では、まあ、亀井大臣の無茶ぶりというのも、今思えば、良い経験だったかもしれません。もちろん、大塚さんが受けて、こねて、軟着陸したから言えることです。

 東証1部上場企業向け「アベノミクス」から、「海の外」と「中小企業者」が共存する「大塚ミクス」へ。

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