ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

来週はいよいよ「嵐の年度末週」へ突入、国会嫌いの世耕大臣が衆参で初の経済産業委員会、参・予算委嘱審査全終了、衆・宿題「保険業法案」委員会通過

2018年03月23日 21時03分41秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]宮崎信行、きょねん2017年10月、東京都庁最上階で、宮崎信行撮影。

 予算関連法案というのは、税制を除けばそのほとんどが「歳出法案」。だからといって、歳出カットの大王、財務省による公文書偽造爆弾が年度末国会を大混乱させたというのは、さすがに財務省職員に対して言い過ぎでしょう。今国会冒頭の本会議や第一委員会室で、国会に出たくない趣旨の発言をSNSで発信し、松井孝治慶大教授が呼応した、世耕弘成大臣。衆参ではついにきょう、経済産業委員会が開かれました。参議院での予算の委嘱審査はすべて終わり、来週、年度末最終週を迎えます。野党の参議院議員は少し真面目過ぎる気もしますが。

【衆議院財務金融委員会 平成30年2018年3月23日(金)】

 先の特別国会で、内閣提出法案(閣法)で唯一審議未了閉会中審査として年を越した「保険業法を改正して小規模共済を縮小しながらも5年延長する法案」(195閣法4号)が全会一致で可決すべし、と決まりました。参議院でも可決・成立すれば、4月1日(日)施行となります。私も共済経営者何人か知っていますが、この法案については何も聞いていませんが、ひやひやしているのかもしれません。

 提出から4か月以上経って、審議初日に全会一致、という世界は、私には国会を見るのが楽しくてしょうがないゆえんです。44歳人生楽しんでおります。

 これに先立ち、一般質疑。野党第3会派の我が「無所属の会」からは午前8時50分過ぎに江田憲司さんが登場。20年前の大蔵省・日銀接待疑惑を振り返りました。きょねんの文部科学省で松野博一大臣主導で「総理のご意向文書」の中間報告をとりまとめたことを引き合いに、財務省にも「森友公文書改竄」の中間報告を求めましたが、拒まれました。

 次回は30日(金)。

【衆議院法務委員会 同日】

 「東日本大震災被災者のための法テラス法改正案」(196衆法おそらく8号)を、平口洋委員長(自民党)が起草しました。平口さんは「震災から7年以上経ったが、今後も、原子力損害賠償の裁判があったり、住宅からの立ち退きを迫られたりする」と法テラス臨時措置の延長が必要だとの趣旨を説明しました。全会一致で可決すべし、と決まりました。

 これに先立つ一般質疑では、無所属の会の黒岩宇洋さんが法務委にも太田充・財務省理財局長を引っ張り出して説教しました。

【衆議院外務委員会 同日】

 冒頭、中山泰秀委員長(自民党)が「先日の9日(金)、14日(水)の委員会はやむを得ず開会したが、不本意だった」と語り、野党空回しを、謝罪こそしないものの、遺憾の意を表明して、委員会正常化。

 一般質疑では、岡田克也さんが、河野太郎外相に、今日から発効した米通商301条の鉄鋼アルミ関税について、質問し、「

外相、日本への影響は軽微との認識「日本からの米への輸出は鉄6%、アルミ9・8%」トランプ関税

」との見解で一致しました。

 一般質疑終了後に休憩して、理事が協議。私は3議案が審議入りするという事前の情報を聞いていましたが、与野党は、2議案の審議入りで合意したようです。

 「判読障害者などが発行された著作物を利用するマラケシュ条約の承認案」(196条約1号)と、
 「船舶再資源化の香港国際条約承認案」(196条約2号)が、趣旨説明され、質疑は次回として、散会しました、

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「駐留軍法及び漁臨法5年延長法案」(196閣法14号)が趣旨説明されました。審査は後日。

 これに先立つ一般質疑では、吉田統彦さんが「すでに提出された「健康増進法改正案」(196閣法47号)だが、受動喫煙で、屋外での分煙や子供の怪我の防止で、条例をつくっている先進自治体があるので、参考にすべきだ」と述べました。参の委員会が野党を先に質問させたので、与党の順になるやいなや、加藤勝信大臣が衆に戻り、審議をしました。ここ2週間忘れられた感じがしますが、平成25年度裁量労働調査も大問題です。

【衆議院本会議 同日】

 「日本政策金融公庫の農林水産加工業の臨時融資の5年延長法案」(196閣法15号)が全会一致で可決し、参に送られました。

 「防衛省設置法及び自衛隊法」(196閣法25号)は、共産党などの反対、自民党、公明党と、見えづらいのですが、立憲民主党なども賛成し、可決。参送付。

 「東京の大学定員に上限を設ける、地域における大学振興法案」(196閣法5号)は、共反対、自公立などの賛成多数で可決し、参へ。財界人のとりまとめの段階では批判が続出しましたが、衆は比較的スムーズ。なんだかんだ言っても、財界人よりは、衆議院の方が信頼できるという人が多い、2018年春ではないでしょうか。

 「地域再生法改正案」(196閣法7号)は共反対、自公など賛成多数で可決し、参へ。

 「平成30年度NHK予算承認案」は、全会一致で承認し、参へ。

【参議院第一種常任委員会 同日】

 参・予算委から委嘱された、11委員会に分けた審査は滞りなく終わりました。衆でいう分科会にあたり、与野党とも参での自然成立を避けようという力が働いています。

 そのうち、

【参議院財政金融委員会 同日】

 まず、予算の委嘱審査を2時間コースでやりました。この後、「平成30年度所得税法など改正法案」(196閣法1号)を1時間半コースで審議し、次回に持ち越しました。

【参議院総務委員会 同日】

 公明党の竹谷とし子さんが「都合のため」委員長を自民党の堂故茂さんに代わってもらいました。

 まず2時間コースで委嘱審査。この後、「平成30年度地方税法改正案」(196閣法8号)と「地方交付税法及び特別会計法改正案」(196閣法9号)を2時間コースで審査し、来週に持ち込みました。法案審査では、公文書管理について、橋本行革後と現在において情報公開・公文書管理の所管である総務省に対して、吉川沙織さんが「第54回公文書管理委員会の議事録が見つけられない。なぜなのか。私の質疑時間中に答えてほしい」と迫りました。吉川さんの質疑時間最後に、総務省が答弁を求め「第54回委員会は組織の再編に関する持ち回りの委員会でしたので、議事録が掲載されていませんでした」と平謝り。質疑終了とともに、与党議員がどよめきました。

【参議院内閣委員会 同日】

 予算の委嘱審査がありました。私これまで気づかなかったんですが、内閣委の予算説明では、衆議院事務次長、参議院事務総長、会計検査院長らが並んで概略を述べました。ところで、宮内庁長官はなぜここに出てこないんでしょうか。

 そのあと、内閣府・内閣官房などの所管について、予算の委嘱審査がありました。

 最後に、下述する本会議を終えて付託された「子ども子育て支援法及び特別会計法改正案」(196閣法6号)が松山政司・一億総活躍相から趣旨説明され、散会しました。

【参議院文教科学委員会 同日】

 冒頭、林芳正文部科学大臣が、自民党の赤池誠章参議院議員と、池田佳隆衆議院議員による名古屋市立学校前川前次官総合学習問い合わせ事件について、省としての調査結果を説明。そのあと、委嘱審査になりました。

【参議院経済産業委員会 同日】

 今国会初めて開かれ、世耕弘成大臣が出席。予算の委嘱審査だけで散会しました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 予算の委嘱審査だけでしたが、質問順を野党→与党にして、与党質問に入るや否や加藤大臣を衆側に送り出しました。

【参議院法務委員会 同日】
【参議院外交防衛委員会 同日】
【参議院農林水産委員会 同日】
【参議院国土交通委員会 同日】
【参議院環境委員会 同日】

 予算の委嘱審査だけをして、散会しました。

【参議院本会議 同日】

 上り採決法案は無し。

 「子ども子育て支援法改正案」(196閣法6号)が趣旨説明。松山政司一億総活躍相が登壇すると参議院の仲間から拍手参・国対委員長経験者としての人望をうかがわせました。代表質問では、民進党の矢田わか子さんらが「昨年末の2億円の政策パッケージとの関係」などを問いました。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 上述の参・経産委同様に、今国会初めて開かれました。世耕大臣が所信表明演説にのぞみ「規制のサンドボックスを設ける」「ITのリカレント教育をする」と省益を代弁。次に、福井照大臣が「公正取引委員会を所管する大臣としてあいさつ」。公正取引委員長と公害等調整委員長が、各々、昨年度の活動を報告しました。次回の開催は未定のまま、そそくさと散会。日切れ法案は絶望か。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会】

 自民党の誇るステイツマン吉野正芳復興大臣から所信を聞き、散会しました。

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(C)2018年、宮崎信行。

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