【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

もはや「年金王子」でなく「国会戦士」だ 長妻昭・筆頭理事が分科会に異例の登場「生活保護引き下げ」反対

2013年04月12日 11時52分29秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【衆議院予算委員会 分科会 2013年4月12日(金)】

 平成25年度本予算案審議は、衆院で省庁別の分科会8つが設置され、金曜日、月曜日で審議します。民主党政権時から大臣が答弁するようになり、政権再交代後も今回も大臣が答弁しています。

 この中で、「第5分科会」では、田村厚労相が出席し、厚生労働省関連の歳出について審議。この中で、長妻昭筆頭理事が登場して、質問。野党筆頭理事の分科会登場は極めてまれ。先週の集中審議2回登場に続くモーレツぶりを発揮しました。

 バブル期の「企業戦士、24時間働けますか」時代に、日本電気株式会社(NEC)の営業マンだった長妻さん。これまででは考えられなかった予算委筆頭理事像を示しました。この間も、地元での集会(東京の選挙区)、東京都議選に向けた他選挙区の地方議員の集会での講演などもしていたようです。

 長妻さんは「生活保護の不正受給は取り締まるべきだ」としながら、「全部一緒くたにして、『もらいすぎている』と批判するのは、本当に必要な低所得者世帯のことを考えると問題だ」としました。これに先立ち、かつての「年金兄弟」、今は「生活保護引き下げ阻止兄弟」の山井和則さんは引き下げのことを考えると、「夜も眠れない」と魂の叫びを上げました。第1次与党期に長妻大臣、山井政務官で厚労省に乗り込みました。

 改めてまとめる機会があるかもしれませんが、今回の長妻さんの戦術は「生活保護の生活扶助基準の引き下げ」に論点をしぼって、入り口から出口まで攻めた作戦がよかったと思います。閉会後の8月に「大臣告示」で引き下げが始まります。その直前に第23回参院選(7月21日の見通し)があります。そして、選挙後には、内閣改造や補正予算という話になるでしょう。生活保護費は国が4分の3、自治体が4分の1なので、この年度の途中で補正予算で増額させる手もあるので、このテーマは来週木曜日と思われる衆院採決の後もずっと引っ張れます。

 これは意外に利きますよ。不正受給問題と生活扶助引き下げとの「論理のすりかえ」、それと、アベノミクス(2%物価上昇目標)と生活扶助の算定方法の政治的な矛盾。

 審議拒否戦術から、徹底的審議戦術へ。明らかに野党の予算審査が変わってきました。それだけでも政権交代の成果があったと言えるでしょう。

 年金王子から国会戦士へ。

 3党合意の証人でもある長妻さんは政権再々交代後の岡田内閣の官房長官候補に急浮上してきました。

 tags 田村憲久厚労大臣  


       

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