
【2014年6月18日(水)衆議院厚生労働委員会】
専門学校卒業式という若人たちの春・旅立ちのさいちゅうに東日本大災厄(東日本大震災)が発生し、天井が崩落する阿鼻叫喚の地獄絵図となり、筆者の故郷東京都で最悪の被害となる4名の死者が出た「九段会館=廃業」の底地(国有地)を、引き続き、財団法人日本遺族会(大災厄当時の会長は自民党元幹事長の古賀誠氏=不起訴、現在は自民党元参議院議員会長の尾辻元久会長)に無償で貸し付け続ける「財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律の一部を改正する法律案」(186衆法45号)が賛成多数で可決されました。
あすの本会議で可決し、参院に送付されますが、会期内の成立は不透明。
趣旨説明は田村厚労相の先代(おじ)の娘婿である自民党の盛山正仁さん。発議者席には、自民党の金子恭之筆頭理事、公明党の古屋範子理事、生活の党の小宮山泰子さんらが着席しましたが、民主党議員はいなかったようです。
討論では、日本共産党の高橋千鶴子さんが「一言申し上げる」。「戦争の犠牲者のご遺族である、日本遺族会に対して引き続き格別の配慮をするのは十分に理解できる」としました。とはいえ、「国民の財産である国有地を民間会社に貸し付けることには問題があるし、会期末ぎりぎりに法案を提出する運営に納得いかない面もある」と述べ、「十分な情報公開のもとに住民参加により、千代田区景観保存条例第1号でもある九段会館の跡地利用を考えるべきではないか」と同党にしては珍しい「提案」をしたうえで、「反対」と語りました。討論は本来、最初に立場(賛否)を明らかにしなければならない原則になっています。
高橋千鶴子・衆議院議員は、国会中継インターネット傍聴ファンの間で「ちづこ」の愛称で知名度の高い議員。
ドタバタの中、その名は知らなかったのですが、今調べたら、「東京観光専門学校」の卒業式だそうです。今や日本では観光と言うと、日本に来ていただく、という意味になりつつあります。東日本大災厄にもかかわらず、年間訪日外国客1000万人、なかにはリピーターも多い昨今。しっかりと世界に説明できる日本人をつくっている責任は国会だけでなく、すべての国民にあることは言うまでもありません。
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