【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

民主党の接着剤・民社協会が小沢一郎さんと“北上夜曲”で手打ち 分裂回避の縁の下の力持ち

2010年12月14日 13時10分53秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
 民社協会(会長=民主党衆院議員の田中慶秋さん)とは、民社党解党→新進党結党のときの残余財産を引き継ぐ、国会議員30人、地方議員、労組関係者、熱烈支持者などが加盟する各県の民社協会の全国組織です。新生党の残余財産を受け継いだ「改革フォーラム21」は小沢さんが独り占め。公明党の残余財産を受け継いだ「(地方政党)公明」は「公明党(New Komeito)」と合併していますが、民社協会は今も仲良く5000人もの会員数を誇る友愛の政治団体です。自由主義経済という大前提に立った企業で働く労働組合員と国政とのパイプ役です。民社協会は、春日一幸・民社党委員長らが果たせなかった政権を1年4ヶ月担うという最長記録をきょうも更新しています。

 9月の代表選で、「協会員は各人の良識にもとづく自主投票」とし、国会議員団の大多数は菅直人さんに投票した民社協会ですが、ゆうべ幹部5人が、赤坂で小沢一郎さんとカラオケを楽しみました。

 これに先立ち、岡田克也幹事長が小沢一郎さんの政倫審出席について、役員会の一任を取り付けました。が、もちろん民社協会の日程は以前から決まっていたとのことで、「9月の代表選のしこりの手打ちを、小沢君と年内にやっておいた方がいいだろう」(民社協会首脳)ということで12月の国会閉会後の12月13日になったそうです。ぜひ、こういったところは有権者のみなさん、TV、新聞報道を見る際に留意していただきたいと思います。

 それで、民社協会がホームページで調べたところ、小沢一郎さんは、地元にゆかりのある『北上夜曲』という歌をカラオケで歌うのが好きだということが分かり、『北上夜曲』をヒットさせた往年の人気ユニット、「多摩幸子・和田弘とマヒナスターズ」の多摩幸子さんが経営するお店が赤坂にあるので紹介する、という名目で、この日のお店が決まったそうです。

 14日付日経新聞によると、小沢さんの国会招致に反対する活動に、衆院議員の古本伸一郎さんが名を連ねていて驚きました。300選挙区でもっともテッパン選挙区である愛知11区(豊田市など=古本さんはトヨタ自動車出身)の民社協会のホープが、小沢系に名を連ねているということは、岡田幹事長と小沢陣営が対立して、党分裂が懸念される事態になっても、古本さんと、その情報を受けた民社協会が接着剤としての役割を担うということだと、推測します。民社協会首脳は中野寛成・元衆議院副議長が「(鳩山代表-)中野寛成幹事長-岡田幹事長代理」、川端達夫前文部科学大臣が「岡田代表-川端幹事長」というように、民社協会の幹事長経験者はともに、岡田さんと支え合う関係にありました。縁の下の力持ちとして、全面的に信頼できそうです。ただし、民社協会は、ゆうべの会合のように、カラオケを歌ったり、おかまパブに行ったりするとっても社交的かつちょっと脇が甘い人が多いところがありますが・・・その辺は岡田幹事長と枝野幸男幹事長代理がしっかりやるでしょうから、一任すれば安心して年を越せます。

 国交副大臣の三井辨雄さんや、農水政務官の松木謙公さんら一新会会員も、北海道民社協会の推薦で、民社協会国会議員団に名を連ねています。松木さんは、9月の民社協会の会合で、「どのような選挙結果になっても、協会員でいさせてください」と深々と頭を下げました。会員数5500人の民主党最大グループである、民社協会が粘り強く党分裂を回避してくれそうです。

 さて、以下の動画は初公開。9月の代表選の際に、小沢一郎候補が、先輩幹事長の中野寛成さんに支持をお願いしたようすです。この時点で、小沢候補はやや劣勢、民社協会は支持候補を決めていない段階です。

 この動画は人生経験が豊富な方や、映画(テレビ不可)を数百本見てきた方に限って見ていただきたいですね。候補者が頭を下げるのは当然です。当然ですが、「剛腕」と呼ばれる小沢さん、先輩幹事長であるカンセイさん。民社協会の存在感の大きさを伺わせる一シーンです。



 下は「北上夜曲」です。これは共有動画、他人さまのYouTube動画を参考のため、貼り付けました。



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