(このエントリーの初投稿日は2013年3月9日午後2時。バックデート)
[写真]質問演説する羽田雄一郎さん、民主党ホームページから。
「政治家は、情熱、行動力、志をもってすれば、道は必ず拓けると考えてきました」(羽田雄一郎、1967-)
昨年の通常国会では、前田武志国土交通大臣が会期まっただ中の4月20日に問責されてしまい、衆参国土交通委員会が立ち往生しました。当初会期2週間というぎりぎりの場面の6月4日、羽田雄一郎さんが緊急リリーフしました。
雄一郎大臣が就任してから、延長会期末までに7本の法律(うち1本は超党派議員立法)が成立し、公布されました。
[衆議院ホームページの制定法律から抜粋引用はじめ]
平成24年 6月27日 40 離島振興法の一部を改正する法律
平成24年 6月27日 52 特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法
平成24年 9月 5日 71 海上保安庁法及び領海等における外国船舶の航行に関する法律の一部を改正する法律
平成24年 9月 5日 84 都市の低炭素化の促進に関する法律
平成24年 9月12日 87 船員法の一部を改正する法律
平成24年 9月12日 88 海上運送法の一部を改正する法律
平成24年 9月12日 89 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律
[引用おわり]
第180回国会がつくった法律は「平成24年法律1号~92号」。4省庁合併の国交省は提出法案が多くなりがちですが、法律番号80番台のかけこみぶりで分かるとおり、羽田大臣の卒のない答弁でぎりぎりセーフとなりました。
◇
そして、この通常国会は、大臣ではなく一議員として、それ以前に与党ではなく野党としてのぞみます。さらに会期終了直後の7月21日投票の参院選で長野選挙区で改選を迎えます。
安倍首相の施政方針演説に対する各党代表質問に登壇しました。
「安倍総理、2度目の総理就任おめでとうございます。戦後の政治家で2度目の総理についたのは吉田茂以来です。幸運もありますが、まさしく偉業といえるかもしれません」と切り出しました。元首相が幅を利かせた戦前とはうってかわって、戦後は総理を退任した議員が急速に政治的影響力をなくしました。安倍首相の再登板は画期的です。
「実は、私と安倍総理には世襲政治家の家庭で育ったという共通するものがあります。ともに、祖父、父と3代にわたる政治家で、安倍総理の祖父岸元首相、私の父孜が総理大臣の重責を担いました。そして、与野党に分かれており、しかも私は参議院の議員であります。私があえて冒頭、安倍総理にお祝いの言葉を贈ったのは、ねじれ国会の現状の中、ともすれば与野党にわたる政争が激化しがちで未来への責任を担うという、政治家が本来持つべき大事な使命をはたせないことに危機感を持ってきたからです」
「私たち民主党は、残念ながら、昨年12月の衆院選で敗北したことにより、政権の座を失いました。しかし、与党の経験をえたことで、地に足がついた政策を語ることができるようになったと自負しています」
「私も国土交通大臣を拝命し、貴重な経験を積むことができるようになりました。以下の質問はその経験をふまえて行います」
「2009年に民主党が自民党にかわって政権を担うことになったときに一つの到達点として、有権者のみなさまとともにその喜びを分かち合いました」
「しかし、極めて残念なことに、総選挙に敗北して昨年の暮れ、3年3ヶ月続いた政権の座からすべり落ちました。これは民主党が公約を十分に果たせず、国民の信頼を裏切ったからであり、心から反省をいたしております」
「私は自民党と切磋琢磨しあいながら、政権交代ある政治を目指すことが日本の民主主義を向上させることにつながると考えております」
「民主党が目指した官僚丸投げでなく政治主導の政治、地域主権、税金のむだづかいと天下りの根絶などは以前として色あせていない大事な政策だと信じております。ふたたび国民のみなさんの信頼を取り戻し、自民党から政権を奪還し、未来の責任を果たす政治の実行に向け努力することをお誓いし、私の質問といたします」。
◇
[画像]2013年3月6日付け朝日新聞。
厚生労働省が5年に一度調査している県別の平均寿命ランキングで、長野県が女性で1位になり、従来の男性とあわせて男女とも県別トップになりました。
まったく偶然ですが、雄一郎さんの質問演説の朝、朝日新聞投書欄に「わが長野暮らしに優しい」という投書が載りました。
民主党王国・長野県では、長野3区が小選挙区導入以来連続して民主党が当選し、鬼門だった長野1区でも連勝をかざりました。しかし、2区、4区、5区では完全落選し、王国の凋落がありました。実は雄一郎さんの質問演説でも、「自民党と切磋琢磨しあいながら」など、よく聞くと、今後も「自民党と民主党」という枠組みは提示していません。しかし、選挙による政権交代ある二大政党政治は、羽田孜さんが農相2回を経て蔵相から自民党選挙制度改革調査会長になってから、21年間、まったくぶれない発言です。同じことをずっと言い続ける。簡単なようでいて、政界においてはとても難しいことです。その道が拓けてきたのは、第80代首相羽田孜の存在無くてはありえません。
私たち、民主党保守派の象徴、羽田雄一郎さん。民主党は右手の強い改革の党でなければ、生活者を守れません。もっと右へ、もっと右へ。強くなるための足腰を鍛えるためには数とともに質も大事です。それが第23回参院選だと考えています。
二大政党政治をめざしたあの日から20年。新生党の情熱、行動力、志を向こう1000年へ。
参議院本会議場の壇上で「政治家は、情熱、行動力、志をもってすれば、道は必ず拓ける」と平然と言える政治家はけっして多くはありません。
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