第一次安倍改造内閣が発足しました。〈写真は時事通信〉
ベテランを中心とした重厚な布陣です。言ってみれば「土俵際内閣」。
土俵際では技がなければ、逆転勝ちはできません。第21回参院選で土俵際に追い込まれた安倍内閣は地力があり、うっちゃりもできるベテランをそろえました。
ベテランを中心とした重厚な布陣です。言ってみれば
土俵際では技がなければ、逆転勝ちはできません。第21回参院選で土俵際に追い込まれた自民党。安倍改造内閣は地力があり、うっちゃりもできるベテランをそろえた格好です。
秋の臨時国会は自民党対民主党の面白い論戦が期待できそうです。
それだけでなく、2年以内にある第45回衆院選の必勝を目指して背水の陣をしいた感じがします。
いいかえると、この「重厚長大・自民党ダム」のどこかにアリの一穴があいた場合、救援はもはや期待できないと言ってもいいかもしれません。
例えば、町村信孝外相(北海道5区)は町村派(清和政治研究会)からただ1人の入閣ですから、何らかの理由で辞任に追い込まれた場合、町村派の閣僚がゼロになり、自民党内の権力のバランスが崩れる可能性があります。
派閥領袖(自民党内の派閥の会長)は3人入っていますが、70歳代の重鎮議員による重しもなければ、「次」のリーダーを見すえた若手の抜擢も少ない。
そういう意味で今回の内閣改造は自民党が土俵際に追い込まれた感じがします。減少傾向だった東大卒も増えました。ベテラン大臣なら答弁ミスは少ないでしょう。
国民が期待を寄せるという感じの内閣ではなく、玄人受けですよね。もしこの内閣で支持率が上がらなければ、万策尽きてしまうのではないでしょうか?
31日は民主党役員人事。これで各大臣に対応する野党のカウンターパートが決まります。
決戦場は9月10日ごろ召集の秋の第168回臨時国会です。
↓クリックで「下町の太陽」を応援してください!
↓も一つクリック、ブログランキングの順位が上がります!
【新聞を読もう】安倍改造内閣 官房長官・与謝野氏 外相・町村氏 厚労相・舛添氏 (西日本新聞から)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/gougai/20070827/20070827_001.shtml
三役は「脱派閥」を印象付けるため、津島、古賀派など有力派閥でなく小派閥の会長らが並ぶ異例の顔触れとなった。首相は参院での与野党逆転状況を踏まえ、新執行部に「一致団結して難局を乗り越えてほしい」と指示した。官房長官に与謝野馨氏、外相に町村信孝氏、財務相に額賀福志郎氏、厚生労働相に舛添要一氏が内定した。同日夜に安倍改造内閣が発足する。
◇
改造人事では冬柴鉄三国土交通相(公明党)の留任が内定、矢野哲朗参院国対委員長の起用が固まっている。自民党関係者によると、高村正彦元外相の入閣が内定したほか、地方活性化担当の特命相の新設と、前岩手県知事の増田寛也氏の起用も検討されている。
首相は挙党態勢を構築し、次の衆院選をにらんで党内にくすぶる首相退陣論を封じ込めたい考え。内閣改造後の27日夜に会見し、参院選惨敗の「反省」を政権運営にどう反映させるか見解を表明する。麻生氏は就任会見で「党の信頼回復に努めたい」と強調した。
首相は党人事をめぐり、国会対応や次期衆院選に向けた選挙態勢づくりで党側との緊密な連携が不可欠と判断、参院選惨敗にかかわらず首相続投支持をいち早く打ち出した麻生氏の幹事長起用を早くから固めていた。
無派閥の石原氏起用は「清新さ」のアピールとともに、派閥均衡型人事との批判をかわす狙いがある。二階氏は首相と距離を置く古賀誠元幹事長とも親しく、党内の「反安倍勢力」けん制を念頭に置いたとみられる。
党幹事長代理には町村派の細田博之元官房長官(63)、国対委員長は高村派の大島理森元農相(60)が就任し、古賀派の菅義偉総務相(58)は党選挙対策総局長で処遇した。衆院議院運営委員長に津島派の笹川尭党紀委員長(71)が内定した。
塩崎恭久官房長官は退任、閣内横滑りも見送られることになった。
◇
▼自民党三役
自民党を切り盛りする幹事長、総務会長、政務調査(政調)会長の総称。幹事長は総務、人事、経理など党組織を掌握、選挙、国会対策を指揮する。党総裁を補佐する事実上のナンバー2。総務会は党大会、両院議員総会に次ぐ最高意思決定機関で、総務会長が議長で党運営、国会活動など重要事項を審議、決定する。党則は多数決で議事を決定するとしているが、全会一致が慣例。党が採用する政策はすべて政務調査会を経なければならず、これを統括するのが政調会長だ。いずれも党総裁への登竜門とされる。
◇
【幹事長】
▼麻生 太郎氏(あそう・たろう)学習院大卒。政調会長、総務相、外相。66歳。福岡8区、衆院当選9回(麻生派)
【政調会長】
▼石原 伸晃氏(いしはら・のぶてる)慶大卒。行革相、国交相、幹事長代理。50歳。東京8区、衆院当選6回(無派閥)
【総務会長】
▼二階 俊博氏(にかい・としひろ)中大卒。総務局長、経産相、国対委員長。68歳。和歌山3区、衆院当選8回(二階派)
=2007/08/27付 西日本新聞夕刊=
2007年08月27日17時25分