[写真]きょう令和3年2021年4月8日(木)に、JR北陸新幹線「上田駅」前で演説する、自民党公認の小松裕候補(左=午前11時台)と立憲民主党の羽田次郎候補(右=午後1時台)、ともに宮崎信行撮影。
コロナ禍で政権与党への批判が高まるなか、2021年春の国政統一補欠・再選挙の火ぶたが切られました。
公職選挙法で運動期間が17日間(以下)の参議院では長野県区と広島県区。12日間(以下)の衆議院では北海道2区で25日(日)投開票。野党は3勝をめざし、勢いをつけたいかまえ。
このうち、長野県区では、自民党の元衆議院議員 小松裕さん(59)、立憲民主党の会社社長、 羽田次郎さん(51)、N党の職員神谷幸太郎さん(44)。
有力2陣営はともに、長野市内で祈願や第一声を上げました。その後、羽田孜元首相の地元、JR北陸新幹線「上田」駅前で、街頭演説をしました。
小松裕さんは元衆院議員(1区選出)の経験を踏まえ「もっともっとみなさんから信頼される自民党をつくりたい。自民党での中でもおかしいことはおかしいと言っていきたい」と演説しました。
小松候補に先立ち応援演説した自民党衆院議員(3区選出)の井出庸生さんは「みなさんには政治への思いや不満があると思うが、小松さんはなんでもいえる」と語りました。後藤茂之・県連会長(4区選出)は「みなさんには政治への心配があるだろうが、しっかり取り戻す」とし、ともに、菅政権への不満があることを前提にした演説をしました。
党本部からの応援は、佐藤勉総務会長(栃木)と小渕優子選挙対策委員長代行(群馬)。このうち、佐藤さんは「ここに来るまでの1時間、クルマで回ったが、みなさんインフラが遅れていませんか」と語り、野党・立憲の羽田系の力が強かったことを、暗に揶揄。一方、小渕さんは「私はこの長野県のお隣の群馬県選出の国会議員であります。私の地元の皆さん方は、やれ病院だ、やれ買い物だ、いつも長野に足を運ばせていただいています。長野県のみなさんもそうじゃないですか。温泉に入る時、いろんなとき、群馬に足を運んでいただいています」と述べました。小渕さんの話ならば、長野が病院・買い物先で、群馬が温泉だから長野の方がインフラがいいように思えます。佐藤さんが1時間クルマに乗っただけとして根拠が薄弱なインフラ不足から「国土強靭化」を新幹線駅前で訴えて、どこまで通じるか。
公明党長野県本部副代表は「後ろの方にいる」と語りました。司会の地元若手自民県議は「この地は総理大臣を生み出す政治ムーブメントを起こしましたが、そろそろ保守の誠意を示していきたい」と語り、1993年総選挙以降の「羽田ブーム」が続いていることを惹起しました。
その1時間強後に、羽田次郎さんの演説会となりました。「スタッフの高松さとし」さんという方が司会。羽田後援会「千曲会」の若林会長は「羽田孜さが農林水産大臣になったのは50歳。羽田雄一郎さんが国土交通大臣になったのはそれより7歳も若い43歳。孜さんのおっしゃった政権交代ある政治に手が届くところで、雄一郎さんが亡くなった。しかし、孜さんと雄一郎さんのDNAを持った次郎さんがいる。世襲批判もあり、私たちもすぐにまとまったわけではないが、フランスの高校に通ったり、アメリカの大学を中退したりして、若いころから海外経験を持ち、お父さんの秘書もした。さて、きょうは妻から余計な話は言うなと言われており、後で焼きを入れられるかもしれないが、自民党長期独裁政権は好き勝手やっている。蕎麦じゃないけど、森加計問題、園遊会(=桜を見る会)問題と来て、コロナ渦では国会答弁で菅さんはこの国には最後は生活保護がある、と言った。まさに冷徹な一言でこの政権を続けることは国民主権政治を壊すことになる」と語りました。
この後、立憲の杉尾秀哉参議院議員、福山哲郎幹事長が演説。この後、羽田雄一郎さんの妻・七恵さんと3人のお子さんのうち長女が登壇し、任期を全うできなかったことを詫びると、温かい声が飛びました。次に寺島義幸・元衆議院議員が「この3区では大きな大きな票を送り出してほしい」とし衆議院の小選挙区全5区のうち、千曲会おひざ元の3区での支援を懇願。次に、信州市民アクション東信事務局の田中さんが登壇。そして、共産党のたかむらきょうこ県議。社民党県連合幹事長である、いそがいゆうた上田市議がスピーチ。
羽田次郎候補がマイクを握りまいた。羽田さんは「2年前の兄の選挙のときよりも上田駅前にこれだけもっと多くのみなさんが集まっていただきおどろいた。次郎だとちょっと頼りないから集まってくださったのかな」と笑いを誘いました。告示前に広い長野県全域を回った感想だとして、「スモール・ボイス・ファースト。コロナ禍で食べていくために仕事に出なければならない人が多い。陽性が出たら隠さずに体を休めて、治療を受けて、社会に戻る。給付金を出したり、白い目で見られることなく社会に復帰できるようにしたい」と運動の象徴である「シトラス・リボン」を身に着けていることをアピールしました。
◇
国民民主党はきのう、羽田次郎さんへの推薦を確認しました。

[写真]羽田次郎選挙事務所に張られた、国民民主党の推薦証、きょう2021年4月8日午後2時過ぎ、長野県上田市で宮崎信行撮影。
長野県区の情勢について、自民県連の後藤会長は「告示前にリードしていた相手はジリジリと下がっており小松が上がって、このままいくと投票日にはクロスするかもしれない」と演説しました。

[写真]自民党の井出庸生衆院議員、長野・上田で、2021年4月8日、宮崎信行撮影。

[写真]自民党の後藤茂之衆院議員、同。

[写真]自民党の佐藤勉総務会長、同。

[写真]自民党の小渕優子選対委員長代行、同。

[写真]聴衆には、自民党本部幹事長代理兼参議院自民党幹事長代理で参議院竹下派の、石井準一さんの姿も、同。
◇

[写真]羽田次郎さんの応援のプラカードを掲げる市民、長野・上田で、2021年4月8日、宮崎信行撮影。

[写真]千曲会の若林会長、同。

[写真]杉尾秀哉参院議員、同。

[写真]福山幹事長、同。

[写真]寺島義幸元衆院議員、同。

[写真]信州市民アクション東信事務局のたなかさん、同。

[写真]共産党のたかむらきょうこ長野県議、同。

[写真]社民党長野県連合幹事長のいそがいゆうた上田市議、同。

[写真]演説する羽田次郎候補、同。
現職の帰天欠員に伴う長野県区の補欠と、現職の公選法による失格にともなう広島県区の再選挙。公選法は参院選は広いので17日間(以下)としています。12日間の衆院選では、不祥事が報じられた現職の病気を理由として辞職に伴う北海道2区補欠選挙が来週告示されます。
4月25日(日)に投開票され、大勢は午後8時にも判明。与党は2勝1敗か1勝以下とみられ、2017年都議選以来の、国政全般の政権運営への影響が予想される選挙となりそうです。
広島県区には、事前の報道では、自民党の元経済産業省課長補佐、西田英範さん(39)、無所属のフリーアナウンサー 宮口治子さん(45)、N党の職員、山本貴平さん(46)、無所属の元会社員、大山宏さん(72)、無所属の介護職員の佐藤周一さん(45)、無所属で医療法人理事長の玉田憲勲さん(63)。広島県区の無所属の宮口さんは野党調整候補で、きょうは野党の有名女性参議院議員が顔をそろえ、前夜は立憲民主党選対委員長がかけつけました。
以上です。