【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【12/3】あの特定秘密保護法採決阻止の十重二十重の国民の夜は夢幻のごとく、国会まったく無風で閉会へ

2020年12月03日 20時48分51秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]特定秘密保護法の廃案をめざして十重二十重に国民が取り囲んだ2014年の冬の夜の国会議事堂=この写真の撮影月は同年2月=、宮崎信行撮影。

 1998年3月に1週間だけ政治部官邸記者クラブで席を並べた日経新聞経済部長がクビになったようです。元同僚のクビを週刊文春で知れるのは幸せな人生かもしれませんが、「さわやかなイケメンでそういうことをしそうにない人」という当時24歳の私の人物観はかわいらしいものだったかな。同郷の集まりをしていたようなので、派閥争いもあったのかもしれません。

 「日英FTA」と農水の2本目の法案も委員会審査を終了し、あすで、第203回臨時国会は事実上幕を閉じます。土曜郵便配達の廃止など一度やったら後戻りできない法律もありましたが、種苗法や自由貿易とも反対派の法案の読み込みが浅かったこともあり、まったく無風となりました。2014年冬の特定秘密保護法採決阻止の十重二十重の「左翼に見えない有権者」と、2015年夏の平和安全法制阻止の「シールズとそれを背後で支えるママとオジサンたち」は遠い昔のこと。夢幻のごとくなり。

【参議院外交防衛委員会 令和2年2020年12月3日(木)】

 参議院第一種常任委員会は、臨時国会最後の定例日として異例のわずか3委員会の開催にとどまりました。

 「日英EPA承認案」(203条約1号)は、きょう初めて対政府質疑がありました。そのまま参考人質疑もなく、採決。共産党反対、自民党、公明党、立憲民主党などの賛成多数で、承認すべきだと決まりました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律案」(203閣法4号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。答弁が不安定ではないかと与党内が懸念した野上農相が切り抜けました。同委員会にしては異例の第一委員会室で開催。吉川貴盛元農相が大臣室で、広島・鶏卵の株式会社アキタフーズ社長から現金を受け取った事件が発覚。農水省マターでは、500万円の贈賄というのは、鶏卵の株式会社でないと見返りがなさそうですが、自民党本部、農林族、二階派、同党北海道連が吉川さんだけ切り捨てておしまい、は許されません。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「労働者協同組合法案」(203衆法26号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院憲法審査会 同日】

 「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法4号)の質疑や議員間自由討論があり、散会しました。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】

 一般質疑がありました。

【衆議院第四控室 同日】

 野党の理事が記者会見。衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会と、衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会が、茂木外相の時間がとれないなどの理由で、所信的あいさつに対する一般質疑ができなかった、と批判しました。沖・北は、橋本行革前は、総理府の沖縄開発庁長官兼北海道開発庁長官という大臣が一人いたわけで、振興に関する議論の場がいるかもしれません。橋本行革で、沖縄は内閣府、北海道は国交省の所管になったことも、悪い流れにつながったかもしれません。外相がはりつく特別委員会が多いという問題意識は与野党が共有すべきです。

【衆議院情報監視審査会 同日】

 特定秘密保護法による文書の指定状況について政府から説明を受けて、審議しました。

【衆議院議院運営委員会理事会 同日】
 
 あす最後の本会議。

●なお、きょう木曜日は定例日でしたが、衆議院本会議はありませんでした。

【野党幹事長・国対委員長会談 同日】

 あす午前9時に、会期延長の申し入れをします。

●あすの国会

 衆議院本会議で会期延長に関する野党の演説があると思われます。コロナで漠然とした不安が国民を襲っているだけに、野党も最後だけは気合を見せてほしいところ。「生殖補助医療の民法特例法案」(203参法13号)の採決になりますが、いろいろ勉強したら非常によい法案だと思うようになりました。参議院憲法審査会では、林芳正会長の不信任決議案が提出され、否決されるはこび。官邸で菅首相が記者会見の予定。

 会期末は、あさっての、2020年12月5日(土)です。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

【12/2】参議院本会議で、改正予防接種法、改正種苗法、改正toto法、改正NPO法、交通政策基本法など改正法が成立、残るは日英EPAと水産物流通適正化法だけに、衆で生殖補助医療委員会で可決

2020年12月02日 16時53分18秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
 朝10時22分の参議院本会議散会後すぐに出した記事を手直しして、きょう全日の国会の動きをまとめます。

【自公維国対委員長会談 令和2年2020年12月2日(水)】

 維新の遠藤敬国対委員長と自公との会談があり、会期を延長せず、年内に閉会中審査をするよう求めました。

【野党国対委員長会談 同日】

 維新を除く野党は会期の延長を求める見通し。今朝から各紙一斉に、広島鶏卵大手が、吉川貴盛・二階派事務総長(北海道)の農相在任中に現金を渡し、政治資金収支報告書に記載されていない疑いがあり、東京地検特捜部が捜索したことを報じました。私の手元に証拠はなく、記憶だけですが、かなり前に、吉川さんの政治資金収支報告書で、解散総選挙で2つの派閥から軍資金を受け取ったことが記載されており、自民党では極めて異例だったこともあります。党内であまり擁護がないかもしれません。野党国対は、吉川元農相鶏卵問題も、合わせ技で、集中審議などを求めていくと思われます。このほか、野党は、「新型インフルエンザ特措法及び感染症法改正案」(203衆法 号)や、「出入国管理法など改正案」(203衆法 号)を提出しました。

【参議院本会議 令和2年2020年12月2日(水)】

 上り法案の処理5本があり、すべて委員長報告だけで採決され、可決し、成立しました。

 人口減少化時代の域内交通などの基本方針などを網羅的に手直しした超党派の議員立法「交通政策基本法及び防災減災に資する国土強靭化法を改正する法律」(203衆法5号)は過半数の賛成で可決し、成立しました。公布日に施行。

 バスケを加える「改正toto法」(203衆法6号)は過半数の賛成で可決し、成立しました。公布から10日後に施行。附則には改正法施行5年後の本則全体の包括的な見直しの規定があります。

 種苗の海外流出の防止のための国内品種登録と育成権者の権利を拡大する「改正種苗法」(201閣法37号、203回国会衆送付、衆修正)は過半数の賛成で可決し、成立しました。来年4月1日施行。

 手続きを簡素化、短縮する、「改正NPO法」(203衆法4号)は、全会一致で可決し、成立しました。公布から半年後の日に、施行。

 コロナワクチン予防接種について、国政府が政令を柔軟に制定して接種努力義務規定を付けたり外したりでき、仮に健康被害が出た場合の製薬会社の補償を国政府が肩代わりする、「予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律」(203閣法1号)は全会一致で可決し、成立しました。公布日に施行。

 これで今国会の最重要法案だった203閣法1号が成立しました。今後は、「日英EPA条約承認案」(203条約1号)と「水産物の流通適正化法案」(203閣法4号)など3議案について、あす木曜日の委員会で初めて質疑。そのまま採決されるとみられ、あさって金曜日の本会議で可決し、成立すると考えられます。このうち、203条約1号は、来年1月1日午前0時に効力を持っている必要があり「日切れ」と考えられますが、順当に審議を終えることは確実。

【衆議院法務委員会 同日】

 第一委員室を使って開かれました。委員35名の法務委単独での第一委員室開催は初めてかもしれません。

 「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の母の身分を定める民法特例法案」(203参法13号)が審議されました。

 提出者の秋野公造・参議院公明党国会対策委員長は、「判例では一定の方向性があるが、身分を法律で定める」と趣旨説明しました。

 自民党の稲田朋美・同委筆頭理事が質問に立ち「民法が制定されたときに想定されていなかった」とし、法務省民事局長は「分娩者が母であり、生殖補助医療でも分娩者が母となる」と答弁しました。

 途中から、参考人質疑となりました。私はきのう電子書籍などで勉強を始めましたが、生殖補助医療(ART)の有識者は、医師・医学者以外では、日本に数名しかいないようです。そのうち2名が登場。非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループの石塚幸子さん、帝塚山学院大学非常勤講師の才村眞理さん。2人とも、出自を知る権利は2年後の検討規定ではなく、なるべくすぐに盛り込むべきだという立場のようでした。石塚さんは「出自を後から知ったことから、自分が何者か分からなくなり、家庭不和となり、今も完全には修復できていない」としました。才村さんは「国連子どもの権利条約で出自を知る権利が入っており、日本も批准している」として、国内実施法の必要性を説きました。私は月曜日の記者会見で、石塚さんが既に41歳(以上)であることに驚いて、少しだけ勉強を始めましたが、そういえば私が小学生だった頃に「試験管ベイビー」という言葉で報道され、私もおどろおどろしい強い印象を持ったことを思い出しました。今は、生殖補助医療(ART)で呼ばれ、主導者はノーベル賞を慎重な審査でなかなか受賞できませんでしたが、今は受賞しており、安全性も含めて権威づけられています。現在の日本では3%ほどの子供がARTで生まれており、菅政権のもと、健康保険適用となりました。

 きょうの審議の印象では、たしかに法案成立を急いで、出自を知る権利は2段階での改正でもいいように感じました。

 採決の結果、共産党が反対し、自民党、公明党、立憲、国民民主党などが賛成して、可決すべきだと決まりました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

 金子恭之・衆議院災害対策特別委員長が趣旨説明し「令和2年7月豪雨に限った義援金差し押さえ時限法案」(203衆法7号)は質疑、討論なく、直ちに採決され、全会一致で可決すべきものだと決まりました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑がありました。田村憲久厚労大臣は「野党は、GoToばかりにこだわらなくてもいいのではないか」と答弁しました。

【衆議院科学技術・イノベーション特別委員会 同日】
【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
【参議院地方創生及び消費者特別委員会 同日】

 大臣の所信的あいさつに対する一般質疑があり、行政監視をしました。科技・イノベは、井上科技相と平井デジタル相が出席しました。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】
【衆議院北朝鮮による拉致問題特別委員会 同日】
【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】
【参議院北朝鮮による拉致問題特別委員会 同日】

 茂木外相のほか、河野沖北相、加藤官房長官兼拉致相が所信的あいさつをしました。衆院側の拉致特では、小此木国家公安委員長も3人目の閣僚として、所信的あいさつをしました。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】

 委員会ではなく、理事懇談会を開き、あすの開催で合意しました。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki


 大臣の所信的あいさつがありました。

【12/1】種苗法改正案「バランス論」解消されず参・委通過、予防接種法改正案も、幹事長会談で国民投票法改正案採決しないこと確定

2020年12月01日 17時20分54秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]国会議事堂、3年前の2017年夏、宮崎信行撮影。

【与野党幹事長・国対委員長会談 令和2年2020年12月1日(火)】
【与野党国対委員長会談 同日】

 会期は土曜日まで、残り5日間になります。

 木曜日が定例日の憲法審査会での「憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)の採決を、月曜日という異例の早さで言及しました。この理由ははっきりしました。きょうの再会談の後、二階俊博幹事長が登場して、幹事長・国対委員長が急きょセットされ、開かれました。この場で、「196衆法42号」を今国会で採決しないことが、二階幹事長から断定されました。二階さんらは「通常国会で、(196衆法42号についての)結論をえたい」としました。また、立憲民主党の「年末まで会期を延長して関係委員会を開けるようにする」との提案について、二階さんは「ご意見としてうけたまわった」とだけ答え、延長されずに閉会する公算が高まりました。8月28日(金)午後2時に突如首相が辞め、29日(土)に二階、森山、菅さんの衆議院赤坂議員宿舎での会合であっという間に流れが決まりました。日本で育った人は「8月28日の金曜日」というと、忙しいという感覚を持つ日に、突如7年8か月ぶりの大政局が始まり、新首相はとくにやりたいことが無い人のようで、秋の臨時国会は、きょうの、二階・森山・福山・安住というキーパーソンが顔をそろえて、幕を引くかたちとなりました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「種苗法改正案」(201閣法37号衆修正)が立憲・共産反対、自民・公明・国民民主党の賛成で可決すべきだと決まりました。質疑の中では、「バランス論」という言葉が出て、育成権者の権利の向上と海外流出の水際対策に異論は出ませんでした、育成者と農業者の権利のバランスがおかしいとされました。衆議院では施行日だけの与党修正で、バランス論では法案の修正はされませんでしたが、けっきょく「種子法廃止法により農政不信が高まり、グローバル種苗メーカーの寡占に巻き込まれる不安が高まった」という認識が共有されているようです。

 日本農業新聞によると、きのうの規制改革会議農林水産ワーキンググループで養父市の企業農地取得特区の延長と全国化を求める意見が相次ぎ、河野行革相も賛同した、と報じられています。これについて、通常国会に法案が出る場合は、衆参の内閣委員会ではなく、地方創生の特別委員会にかかると思われますので、与野党とも常連が多い農林水産委員の隔靴掻痒はもうしばらく続く気配。

 委員会の最後に、「特定水産動植物等の国内流通の適正化に関する法律案」(203閣法4号)が趣旨説明されました。質疑は次回木曜日で、金曜日の本会議で成立の見通し。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「予防接種法及び検疫法改正案」(203閣法1号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。次回の本会議で成立し、与党の肩の荷が降ります。

 この後、篠原孝衆議院議員(立憲民主党、長野1区)が「労働者協同組合法案」(201衆法26号)の趣旨説明をしました。質疑は次回。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 先週金曜日の本会議で代表質問された「日英EPA承認案」(203条約1号)が趣旨説明だけされました。防衛省の給与法の成立を優先したため、審議入りが遅れ気味となりました。次回1日だけ審議して、採決される見通し。衆議院では共産党が反対しましたが、他の野党は賛成に回りました。

【参議院内閣委員会 同日】

 手続きが簡素化する、「NPO法改正案」(203衆法4号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【参議院国土交通委員会 同日】

 超党派で目的・理念から見直した、「交通政策基本法など改正案」(203衆法5号)が審議されました。共産党議員は「コロナによる旅客輸送事業者への配慮が入ったことなどは異論がない」としながらも「地域内外のモビリティの向上のなかで、基幹道路が特出しされた法文があることは、首都圏の外環道などの大規模開発を優先する意図があるように思える」という趣旨の緩めの反対がありました。採決では、共反対、自民・公明・立憲・国民・れいわ新撰組の賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【参議院文教科学委員会 同日】

 プロバスケを支援する、「totoスポーツ振興くじ法及び日本スポーツ振興センター法改正案」(203衆法5号)が共反対、自公立などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。趣旨説明は常連中の常連の、遠藤利明・衆議院議員(元五輪相)。共産党は「射幸心をあおる」と反対しました。

【参議院財政金融委員会 同日】

 一般質疑がありました。例年臨時国会は波静か、通常国会は大荒れのこの委員会。公明党は、常連の西田実仁会長から秋野公造・国対委員長に委員を交代させたようですが、あまり財務金融の印象は無いので、国対シフトということだと思います。但し、来年の国の税制改正法案も小ぶりなものとなる見通しです。

●参議院の総務、法務、経済産業、環境の4つの委員会は開かれませんでした。4つの委員長ポストは公明2つ、立憲2つで、あまり法案が積もらないようにする、参議院自民党の長年の知恵がうかがえます。さはさりながら、停滞感もありますので、衆議院側の情勢が変われば、来年半ば以降は大嵐に代わるかもしれません。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】

 平沢復興大臣の所信的あいさつに対する一般質疑がありました。復興住宅は今月も新規に開業しますが、年収要件などで、津波などで負った負債を勘案していない計算をしているとの批判が、立憲民主党の岡本あき子さん(宮城1区)から出ました。

【衆議院法務委員会理事懇談会 同日】

 理事懇談会があり、あす委員会の開催で与野党合意。あすの委員会で参議院議員から「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の母子関係に関する民法の特例に関する法律案」(203参法13号)が審議される見通しで、採決もあるか。この法案では、出自を知る権利を今後の検討条項にしたことについて、当事者が実名顔出しで「後から知ったので家族が崩壊した」と記者会見。そして、今週、野田聖子自民党幹事長代行らが火消しをしているのが、第3条第4項「生殖補助医療により生まれる子については、心身ともに健やかに生まれ、かつ、育つことができるよう必要な配慮がなされるものとする」。これは私が、以前に違和感を指摘した改正(案)条項でした。私は配慮条項の主語が、国なのか、自治体なのか不明確だとしましたが、「健やかに生まれ育つ」が優生思想を感じさせ、差別的ではないかとの懸念が生じているようです。たしかに、そうだと思います。100%参議院のセンセイの責任ですが、参議院法制局も少しセンスはいかがか。すぐに成立させてほしいという当事者もいるようで、今週成立するとみられますが、ときどき議員立法に変なのが混じっていてそのまま成立することがあるので、国会クラスタがよく注意しないといけません。生殖補助医療で生まれた当事者の方が、既に41歳(以上)になっておられるということを私は知らなかったので、ちょっとこれから勉強します。

●明日の予定

 上述の衆・法務委。そして、参・災害特では、義援金差し押さえの法案が可決される公算。参議院本会議は法律成立ラッシュとなりますので、NHKの昼のニュースや、時事通信の速報に注目しましょう。

【閣議 きょう】

 開かれました。

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【11/30】山東派・今井絵理子さんが手話で参議院本会議質問で国会クラスタ「歴史的本会議」、立憲民主党は会期延長を提案へ

2020年11月30日 22時40分41秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]山東派が合併して新しくできる志高会(新・麻生派)結成にのぞむ、今井絵理子参議院議員、3年前の2017年7月、東京・港のホテルオークラで、宮崎信行撮影。

【与野党国会対策委員長会談 令和2年2020年11月30日(月)】

 森山裕・自民党国対委員長が、安住淳・立憲民主党国会対策委員長に、「憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)の木曜日の憲法審査会での採決を提案。相場としてもやや早い印象ですが、安住委員長が反発。相場よりかなり短いおよそ19分間で終わりました。安住委員長は会合で、第203回臨時国会を今週土曜日まででなく、年末まで延長し、コロナ禍の事態が変われば、すぐに関係委員会で集中審議ができるようにすることを求めました。これに先立つ枝野幸男・同党代表の定例記者会見でも、枝野代表が会期の延長を求めました。森山委員長は断るとみられます。あす再会談の予定。このほか、枝野代表は新型インフルエンザ特措法改正案を今週提出するとしましたが、国会審議というよりも、2月以降の党内外での議論の一定の到達点をまとめる意味合いが強いようです。

【参議院本会議 令和2年2020年11月30日】 

 「改正被災者生活再建支援法」(203閣法2号)が起立採決され、全会一致で可決し、成立しました。7月豪雨に遡及して施行されますが、「半壊」の定義が変わりますので、熊本県などの7月豪雨被災自治体以外でも、確認をしてみたらいいかもしれません。

 これに先立ち、「令和元年決算案の承認案」(203決算1号)が麻生太郎財務大臣から趣旨説明され、審議入りしました。自民党は今井絵理子さんが質問。自ら政界にスカウトした、山東昭子議長(2017年麻生派合併に参画し、2019年夏から参議院議長)の前で、テレビ入り本会議代表質問に立てるようにしたい配慮があったのはまちがいないでしょう。今井さんは「決算承認案の11月提出と11月の審議入り」が今年はできたことを評価し、手話を交えて質問しました。ツイッターの国会クラスタからは「歴史的な本会議」との評価も出ました。来年1月からは参議院インターネット中継で、代表的な審議の一部で、手話が施されることになると思います。

【参議院決算委員会 同日】

「令和元年度決算の承認案」などについて、財務相や会計検査院長から説明がありました。

【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】

 復興相の所信的あいさつ。

【参議院行政監視委員会 同日】

 野田国義委員長の就任あいさつ。

【参議院行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 同日】

 西田実仁・公明党参議院議員会長が、参議院改革協議会の流れで、小委員長。質疑には、前北海道知事の自民党、高橋はるみさんらが立ちました。

【衆議院 同日】

 衆議院の質疑はありませんでした。

●あすの予定

 衆議院法務委員会はあす理事懇談会を開き、参議院から賛成多数で送付された、「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案」(203参法13号)の審議の日程について議論するはこび。あさって、12月2日(水)にも、参議院議員を呼んで答弁を求めることになるかと思います。

 また、参議院では農林水産委員会を開催。「種苗法改正案」(201閣法37号衆修正)について、昼過ぎに採決の公算。他の議案も各委員会で順当に審議入りする見通し。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

自民国対委員長、国民投票法改正案の採決を提案

2020年11月30日 16時14分00秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
 自民党、立憲民主党の国対委員長が、きょう30日、会談し、森山裕委員長は、3日木曜日の衆議院憲法審査会で、「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)の採決を提案しました。

出席者によると、紛糾し、安住淳委員長は認められないと席を立ち、およそ19分で終わりました。相場感として19分はかなり短かった印象です。また、木曜日の採決を月曜日に与党国対が提案するのも、やや早い唐突な空気です。これに先立ち安住委員長側からは、会期を年末まで延長して新型コロナウイルス感染症に関する集中審議を、関係する委員会ですぐにできる態勢の確保を提案しました。

 安住委員長は、採決阻止の徹底抗戦を表明。森山委員長が提案した明日の再会談にはなるべく応じたい考え。会期延長動議は、全野党共同で出せるように野党間の調整を進めることにしました。

以上です。

議会開設百三十年記念式典開かる、マスク姿の天皇皇后両陛下、眞子内親王殿下も国会正門からお入りになられる

2020年11月29日 15時08分07秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]議会開設百三十年記念式典ご出席をすませ、天皇陛下とともに、お手を振られる皇后陛下(右)きょう2020年11月29日、宮崎信行撮影。

 「議会開設130年記念式典」がきょう令和2年2020年11月29日(日)に参議院本会議場で開かれました。130年ですから、当ブログは13年以上、その1割以上の期間続けていることになります。

 開会式に出席されている天皇陛下に加えて、皇后陛下、さらには眞子内親王殿下も出席されました。お三方の人選はよく分かりませんが、秋篠宮皇嗣殿下と妃殿下には2人の女のお子様と1人の男のお子様がおられ、眞子内親王殿下はその長子で長女です。


[写真]正面向かって右方向の赤坂御用地方面から現れ、右カーブを切って、国会正門に入る、眞子内親王殿下を乗せた車と、それに対して敬礼する衛視ら、きょう2020年11月29日(日)、宮崎信行撮影=カーナンバー部分を白く塗りつぶして修正=。

 眞子内親王殿下は両陛下よりもかなり早く入られ、遅く出られました。国会中央部3階に、両陛下の御休所のほかに、ご皇族の休憩所もありますが、こういうときに使われる、ということでしょう。


[写真]議会開設130年記念式典にむかわれる、お手を振られる天皇陛下と皇后陛下、きょう2020年11月29日(日)、宮崎信行撮影。

 大島理森衆議院議長の挨拶が心に残りました。「開設以来、我が国の議会は、激しく真剣な議論を通じ国民の負託に応え、幾多の国難を乗り越えつつ立法府として課せられた責任を果たしてまいりました」とし「今日、議会制民主主義の在り方に様々な意見が寄せられていますが」「改善を試みながら次の時代により良い形で議会制度を引き継ぎたい」としました。

 天皇陛下は「我が国の議会は中断されることなく国会に引き継がれて今日にいたる」との認識を国民統合の象徴としておっしゃいました。

 現代の日本という国を理解するうえでとても大事なことは、明治維新の後、内閣が先にできて、かなり遅れて議会が出来ています。イギリスでは議会が内閣よりも600年も前にできています。このため、日本では官尊民卑が根強く、内閣の法務大臣のもとにある「公安調査庁」が国会に議席を持つ「日本共産党」を破防法にもとづく常時監視団体としていることは事実ですが、「庁」が「党」より正しい、ということはありません。公安調査庁はメモ帳を持ってもペンが動いていない暇な役所で、プロパーで新卒で入ったらホワイト過ぎて、逆にあれしてしまうような役所です。学校法人日本大学が「日本」を名乗れるのは、司法卿で内閣制度ができて初代司法大臣をつとめた人物が創設者だからです。明治維新後は、内閣の言うことを聞いた方が得をする秩序であり、明治14年の政変までに負けた高知県、埼玉県、神奈川県、岩手県、大分県などの自由民権運動によるガス抜き機関です。


[写真]初代の帝国議会議事堂があった場所を示す案内板、現在の経済産業省の前の道路、きょねん2019年6月、宮崎信行撮影。

 私は、ホーチミン市の「旧南ベトナム共和国の大統領宮殿とそこから見える旧アメリカ大使館」や、台北市の「清王朝以前も含む中華民国の故宮博物院」など、今はない国家のモニュメントを見たこともあります。自民党一党独裁、衆参ねじれ、大震災などたびたび国会や日本国が潰れるのではないかと本気で思ったことは多々ありましたが、日本の国というのはつぶれないし、日銀に代わりにつぶれてもらっても、日本国はつぶれない。それが日本人、日本国民にとっては地獄なんだと思います。コロナ過で生活が困窮していると打ち明けてしまうと、華やかな東京の第三次産業マスコミのフリーの女性は、「仕事を上げる」とセクハラプロデューサーが寄ってくるかもしれません。しかし、労働集約型産業であるマスコミに、仕事はあっても、大金を持つおっさんなどいません。月曜日から金曜日まで同じことをしている自動車部品メーカーのオーナー社長なら大金を持っているかもしれませんが。日本の国というのはつぶれないから不幸なのであって、日本人として生きる限り、政治から逃れようとすることの方が息苦しいのだと考えます。関東自動車工業がつぶれても、センチュリーロイヤルは「トヨタ自動車製」を名乗って、きょうも皇居、国会、首相官邸をかけめぐっていました。

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【11/27】「人事院勧告給与法3法」成立、改正郵便法、改正祝日・改正東京五輪特措法も成立、日英EPA承認案が審議入り会期内承認へ、衆・法務委開かれず

2020年11月27日 12時32分49秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]国会見学のはとバスが、年中復活するのはいつか、5年前の2015年5月、宮崎信行撮影。

 今国会初めて法律が成立しました。祝日法、人事院勧告、郵便土曜配達廃止が済みました。

 国会は残り1週間となりました。参議院本会議で新規議案が入りましたが、会期内に議了するとみられます。

【参議院本会議 令和2年2020年11月27日(金)】

 うっかり気づきませんでしたが、これまで何も成立せずに、残り会期1週間となっていました。

 「改正祝日法及び改正東京オリンピック・パラリンピック特別措置法」(201閣法56号)は共産党・れいわ新撰組の反対、自公立などの賛成多数で可決し、成立しました。2021年の祝日を4つ動かし、オリパラ事務局の設置を1年延長します。

 「改正一般職国家公務員給与法」(203閣法5号)は共反対、自公立などの賛成多数で可決し、成立しました。12月の期末手当を0・05か月分引き下げ。この法律で、裁判官・自衛官などの期末手当も引き下がります。

 「改正特別職国家公務員給与法」(203閣法6号)は起立総員すなわち全会一致で可決し、成立しました。

 「改正防衛省職員給与法」(203閣法7号)は、維新・共産反対、自公立や沖縄の風などの賛成となり、起立多数で可決し、成立しました。防大生・防衛医大生が対象。

 「改正郵便法」(203閣法3号)は全会一致で可決し、成立しました。土曜配達の廃止の法律は、公布の日から起算して6か月以内の政令で定める日ですので、2021年4月ごろ施行でしょうか。

 採決に先立ち、議案の審議入りがありました。

 「日英EPA条約承認案」(203条約1号)が茂木敏充外相から趣旨説明されました。いわゆる登壇物で、外相ら大臣が答弁しました。

 維新の浅田均さんは「日EU並みの関税が維持された」と評価。立憲民主党の白真勲さんは会期の短さと召集前に首相ベトナム・インドネシア外遊を優先したことを批判しました。

 外相、農相、経産省、経済再生担当相、財務相らが来年承認案が出てくるRCEPも含めて答弁しました。

【参議院災害対策に関する特別委員会 同日】

 「被害者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)が前回趣旨説明され、今回が初めての審議となります。他の話題も含めた3時間コースの対政府質疑の後で、採決の公算。

【参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 同日】

 衆では2つの特別委が参では1つの特別委となっており、井上消費者相と坂本地方創生相が出席へ。

【衆議院文部科学委員会 同日】

 今国会は法案審査がなかったこともあり、2時間コースで一般質疑がありました。入学試験について、来年のコロナ禍の入試、医学部女性差別不正入試などについて取り上げられ、政府に対する行政監視のための今国会での審議時間を補い、確保し終えました。来年は教員免許などの法案を審議することになります。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 今国会は議員立法だけで、政府法案がありませんでしたが、来年はてんこ盛りとなります。きょうの一般質疑では、住宅局、自動車局に関連した質問が目立ちました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑。当たり前ですが、コロナ中心。

【衆議院安全保障委員会 同日】

 一般質疑。イージスアショア代替が目玉になりますが、すべての前提になる、米大統領選を含めた国際情勢・安保環境への質問も多く通告されました。

●衆議院法務委員会は開催されず

 参議院から送られてきた法案について多くの意見が出ていますが、きょうは開かれませんでした。20日(金)に参議院を通過し衆議院に送られた「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案」(203参法13号)は参議院議員に答弁を求めた審議などが必要ですが、現時点で、その日程に関する理事懇談会の予定が入っていません。会期内にまだ定例日は3回ありますので、その中で議論されると思います。しかし、今週になっても「法制化されない出自を知る権利」について、当事者が「出自を知るのが遅くなって家庭が崩壊した」と顔出し実名で集会と記者会見を開き、NHKなどでも報じられました。今週になってからなので、かなりドタバタの世論となっています。

【定例閣議 同日】

 閣議後の記者会見で、厚労相が雇用調整助成金の12月末から2月末への延長を発表しました。

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【11/26】馬場伸幸さんが国民投票法改正案の動議提出でさわやかな風、種苗法改正案は「種子法への不信がある」

2020年11月26日 18時18分51秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]11月下旬の東京にはよくあることととはいえ、霧がかかり、視界不良となった、首相官邸。

【衆議院憲法審査会 令和2年2020年11月26日(木)】

 「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)が審議入りしました。筆頭発議者は細田博之さんでしたが、会長になりましたので、逢沢一郎さんに変更されました。

 公明党の議員は、法案質疑に先立つ自由討議で「法案そのものには与野党異論がないのではないか」と語りました。自民党の小林鷹之さんは「来週の定例日にも必ず開催してほしい」としました。

 法案が審議入りすると、自民党の新藤義孝・筆頭幹事が「法案の趣旨説明から2年半、8国会にわたって継続審議になった」。共産党の赤嶺政賢さんは「この法案だけでなく、原口一博・奥野総一郎両議員が題した原口・奥野法案(198衆法9号)を並行審議すべきだ」と語りました。

 細田会長がきょうの法案質疑についてはこの程度にすると宣言。ここで、維新の馬場伸幸さんが動議を提出し、ただちに採決すべきだとしました。とくに野次は飛ばず、与野党幹事が話し合い、理事会協議とすることにして、きょうは散会しました。身を切る改革の維新の幹事長であり、中山太郎さんの一番弟子であることから、安倍・菅自民党の補完勢力と揶揄されながらも、馬場さんの信念にもとづく行為とみられ、動議で風穴を開けようとするさわやかな風を感じました。

 きょうの開会をめぐって、自民党の出席議員が少なく、定足数が足りないのではないかとして、与野党が騒然とする場面がありました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「種苗法改正案」(201閣法37号衆修正)の質疑が続きました。

 立憲民主党の田名部匡代さんは「ここにきて、地元の人から法案のご意見をうかがうようになったが、やはり一番多いのは分からないという感想。調査では、花き農家でも種苗法を知っている人は6割足らずだ。リンゴ農家では高くても苗木が良く、手間もかからないから高い種苗を買いたいという人もいるが少数派だ。もちろん、誤った認識ではなく理解を深めて、皆で海外流出を防いでいこうとすべきだが、やはり主要農作物種子法成立のときに不信感が尾を引いている」と語りました。

 参考人質疑では、共産党の紙智子さんが、トカラ列島の崖にしか咲かない白い百合を、北海道で栽培することに成功した花き農家の体験談を披露しましたが、この方はすでになくなったとのこと。種子は宝であることの認識が、現代ではあまり共有されていないことは率直に残念なことだと思います。質疑は次回も続きます。

【参議院第一種常任委員会 同日】

 農水委のほか、法案がかかっている委員会は以下の通りすべて開かれました。「立憲3委員会」のうち、経済産業、環境の2つの委員会は開かれず。法務、財務金融委員会もありませんでした。

【参議院総務委員会 同日】

 「郵便法改正案」(203閣法3号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

 嗚呼昔日の栄華やいづこ、日本新聞協会の反対の声は全会一致でかき消され、あす成立。軽減税率をめぐって、私は8年前の2012年に、「日本新聞協会の正副会長として日経の喜多恒雄社長も軽減税率の要望に来たよ」と、その7年前にも関わらず、消費税据え置き派(なので軽減税率がそもそもいらない)の与党議員から牽制されたこともあります。軽減税率が導入されて新聞の部数の解約ペースが減ったのかどうか分かりませんが、読売ジャイアンツもなぜか東京ドームではなく大阪ドームで開催された日本シリーズで4連敗。日本新聞協会落ちていくときは一斉に同調して落ちていきます。

【参議院内閣委員会 同日】

 「一般職国家公務員給与法改正案」(201閣法5号)は共反対、自公立など賛成多数で、「特別職国家公務員給与法改正案」(201閣法6号)は全会一致で可決すべきだと決まりました。あす成立へ。ソーシャルディスタンス確保のために第一委員会室を使いました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「防衛省などの給与法の改正案」(203閣法7号)は共維反対、自公立などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。なんとなく自衛隊に反感があるイメージの、沖縄の風・伊波洋一さんも賛成しました。

【参議院文教科学委員会 同日】

 「祝日法及び東京オリパラ特措法改正案」(201閣法56号)が共反対、自公立などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。今国会の事実上の「日切れ法案」扱いでしたが、会期内成立が確定的。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「予防接種法及び検疫法改正案」(203閣法1号)の参考人質疑があり、次回も審議は続きます。参考人の先生からは「免疫力をつけろ、とよくいうが、加速力はない。栄養のあるものを食べたからといって、すぐに免疫が強くなるわけではない」との言葉がありました。参考人質疑はためになります。

【参議院国土交通委員会 同日】

 一般質疑がありました。立憲民主党の青木愛さん(比例代表2022年改選)が、ネクスト東日本「緑橋」の手抜き工事に迫りました。この件では、テレビ報道で、吉岡建設設計の吉岡会長とは全く関係のない土俵で、テレビ局の編集により一次下請けが実名報道されたとして、一次下請けの会社が争うかまえを見せており、先行きがあやしくなってしまいました。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】

 平沢勝栄・新復興大臣の所信的あいさつ。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】

 井上信治消費者・科技・万博相の所信的あいさつに対する質疑。公明党の古屋範子さんが「特商法で禁止された認知症の高齢者への過剰販売がある」と注意喚起。今週、東京地検特捜部の捜査が明らかになった、桜を見る会の前夜祭に関連して、桜を見る会がジャパンライフに利用されたとして、来年の預託法改正案審議もみすえた、野党の挑発がくすぶり出し、年を越しそうです。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 坂本哲志・地方創生相に対する一般質疑。ひと・まち・しごと創生会議の議長が首相から、坂本地方創生相に格下げされました。与野党というよりも、与党・自民党内にはしごを外された思いの議員もいるかもしれません。

●衆議院文部科学委員会は理事懇談会を開きました。
●衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会は理事懇談会を開きました。

●明日の予定 参議院本会議があり今国会最大の法案成立ラッシュとなります。衆議院安全保障委員会では、新・防衛計画の大綱策定もふまえた一般質疑が実現します。残念ながら今国会は終幕ムードで、必ず解散がある2021年を見すえた攻防になります。但し、コロナはどうしたという世論が、与野党双方に向けられることもありそうです。

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【11/25】今年最後のNHK国会中継菅首相「政府の役割は暮らしを守ることで、それから命を守る」に朴訥の説得力、安倍晋三さん証人喚問要請衆参予算委

2020年11月25日 17時27分05秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]辻元清美さん、先々月2020年9月15日、東京・港で宮崎信行撮影。

 NHK国会中継は、きょうが今年最後となった、と思われます。これは政局に関係なく、コロナの進行が分かりませんから、与野党問わず年内にもう1度閉会中審査をしてほしいところです。

 さて、当ブログは一昨夜から「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記 永田町霞が関影響力ナンバーワン」のタイトルにかえたのが良かったのか、きのうのページビュー数が3・5万を超えて、月間105万ペースとなりました。

[画像]2020年11月24日付の当ブログのアクセス解析。

 コロナ禍でのリモートワーク比重の高まりもあってか、偉い先生からご指導や締め付けもこないため、強気に出ましたが、「影響力ナンバーワン」に異存があるかたはご連絡いただきたい。
 
【衆議院予算委員会 令和2年2020年11月25日(水)】

 理事会が15分前後遅れました。

 内外の諸情勢についての集中審議。

 立憲民主党の枝野幸男代表。内閣府主催の「桜を見る会」の「前夜祭」を安倍晋三事務所が主催し、会費5000円の見返りに、5年で900万円超の差額補填をしていたことなどで、東京地検特捜部が公職選挙法違反または政治資金規正法の捜査を進めているとの複数報道を元に、「刑事事件というよりも国会が愚弄された」とし、前首相が会計書類は破棄したなどとする答弁をただしました。菅さんは、秘書官から報道を元にした報告以外は、知らないとしました。

 コロナとGoToトラベルをめぐっては、田村憲久・厚生労働大臣と赤羽一嘉・国土交通大臣が答弁。省庁の準備が雑で、2人ともまったく根拠あるエビデンスを示せませんでした。トラベル参加者に限ったPCR・抗原検査をしていないのに、陽性者数は低水準だとしても説得力はありません。西村康稔担当相も、北海道、東京都、大阪府で違いはあるものの、感染経路不明者は一定数いるため、GoToの感染拡大の影響はもっとあったかもしれません。枝野さんは、旅館等を対象にした直接の給付の拡大を要求。しかし、菅さんは「政府の役割は暮らしを守ることで、暮らしを守らないと命を守れない」と朴訥と答弁。経済との両立路線をとることを支持しました。

 岡本充功さんは質問で、政府が都道府県別の空き病床の数を把握できていないことを明かしました。

 私が2月から続けてきた、第一種感染症指定医療機関「都立駒込病院」の今週のようす。ちなみに、100年以上前に日本最初の伝染病専門病院のうちの1つで、他県では場所が秘密だったり、既に取り壊されたりしているようです。なぜ「差別」をあまり感じないかについて史跡などは見つからないのですが、「動坂」という坂を上り切ったところにあり、地域社会としては、その坂から先は、東京ドーム・日大本部・靖国神社・皇居といった「一連の高台」にあるという心理的要因も強いように感じます。


写真から上り坂だと分かると思います。




 1月まで医療の図書を手に取って情報を探せたセンターが、今は「術前PCR検査室」になりました。がんで手術を受ける人も、コロナの検査を受けないといけないのでしょう。複合的に影響を与えます。

 外来も「滞在時間を短くしてください」という新日常を打ち出しています。なお、私がマスクくるしそうなのは、上述の急坂をのぼってきたからであって、何も悪い所はありません。いつでもどこでも私をおぶりたい体躯の大きい方だけ心配してください。

 コロナ禍が始まって、母とも話したのですが、私の街では、バブル崩壊期に都立駒込病院がんセンターで、経済的非業の死を遂げた経営者が7名(女性1名含む)いるだろう、と計算しました。グランドキャニオンの水平線の10メートル隣にいた経営者が、バッタバッタと経済的非業の死を遂げました。中には、保険証が無いと拒みながら、仲間にトラックに乗せられて都立駒込病院に運び込まれて最期を遂げた経営者もいます。今回は超金融緩和をしていますので、9割以上の経営者は資金繰りに懸念はない状態ですが、業種ごとや、前々からの契約期間の満了を迎えた人などで、極端な生活困窮になっている人は、バブルよりも、リーマンショックよりも多いと、私は見ています。枝野さんの言うことも、菅さんの言うこともどちらも正解ですが、懐に入るお金が同じでも短期的な仕事を政府がつくっていかないといけない状況になっている、と私は考えます。

 さて、委員会に戻って、理事会が長引いた経緯について。今週になってから、内閣府主催「桜を見る会」の「前夜祭」と銘打った安倍後援会主催の行事(会費5000円)で、ホテルニューオータニやANAインターンコンチネンタルホテルとの収支差額分を、5年間で900万円強を安倍事務所が補填していた証拠を、東京地検特捜部が入手していたことが確実になりました。安倍事務所秘書は、首相に、昨年11月の確認では「嘘」をつき、今週の報道を受けて、前首相に初めて告白したと報じられています。

 この経緯をめぐって、立憲民主党の辻元清美・予算委員会筆頭理事が安倍さんの参考人招致を要求。そのため、理事会が長引いて、委員会の開会が遅れたようです。

 あまり政局の動きはありませんが、政局の今後の見通しは別として、コロナウイルス感染症の拡大が見通せないので、きょうが国会中継最後というのは、客観的に言っても、説明を聞く機会が少なすぎると言えるでしょう。そのため、辻元さんも、テレビ・ラジオで批判を浴びてでも、多少強気に出たのでしょう。

 大西健介さんは質疑の3本目で、日本学術会議の問題にふれました。 

【参議院予算委員会 同日】

 集中審議。

 福山哲郎さんは、コロナウイルスという目に見えない恐怖について、感染者数の推移について、尾身座長の口癖に引きずられて、西村担当相が「神のみぞ知る」と答弁したことについて、「私と枝野官房長官が、原発事故のときに神のみぞ知る、などと言ったら大変なことになっていただろう」と攻撃。菅首相に対して「けっこう社会は壊れ始めている」と述べ「1月に提出される第3次補正予算案の成立を待つと、執行は3月になる」とし、予備費10兆円のうち7兆円を使うよう促しました。福山さんは今国会冒頭の代表質問で「プロバスケの困窮」に言及し、これに対応した「toto法改正案」(203衆法6号)が衆議院を通過しましたが、いろいろな経済的な現場とのつながりがあるように感じます。

 上田清司さんが登場。がらになく上がっていたようですが、次官級審議官の全廃を求めました。

 共産党の田村智子さんは、安倍晋三さんが桜を見る会で、嘘の答弁をしていた偽証罪の疑いで証人喚問すべきだと委員長に要求。理事会での協議事項となりました。田村さんは質問の最後に、日本学術会議を取り上げました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

 「被害者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)が防災担当大臣から趣旨説明されました。質疑は次回。

●あすの予定

 衆議院憲法審査会で強行採決の観測があります。

【最高裁 同日】

 違憲審査の時だけ開かれる、最高裁大法廷で、宮城県の市議会議員の出席停止にについて、裁判所で審査される問題であるとの、初めての判例が出ました。これにより、地方議会の議院自律権は大きく損なわれ、札幌市議会長老の除名などで示された、与野党通じた談合体質が、除名された議員による裁判提起で覆される道が開けたことで、地方議会の力がさらに落ちることが予想されます。

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首相らの虚偽答弁139回、森友学園国有地問題で、そのうち財務省報告書との相違も88回 衆議院調査局長が明確に答弁

2020年11月24日 23時17分37秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]川内博史・立憲民主党衆議院議員、ことし2020年7月、衆議院第二議員会館で、宮崎信行撮影。

 衆議院調査局長は、森友学園国有地売却問題で、首相らの衆参での国会答弁に虚偽が139回ある、と答弁しました。

 きょう2020年11月24日の衆議院財務金融委員会で、予備的調査を主導した、川内博史衆議院議員の質問に答えるかたちで明かしました。

 川内さんは、森友国有地問題が報道され、国会で取り上げられた、平成29年2017年2月15日から、平成30年7月22日までに期間を限って質問。なお、余計なことですが、2017年10月になってから川内さんは国政復帰しました。この期間に、衆参両院で、首相、財務相、国土交通相、理財局長、財務省官房長、航空局長らの答弁で、「応接記録は廃棄した」「応接記録は存在しない」などの現時点で嘘だと分かっている回数を問いました。

 これに対して、衆議院調査局長は、平成30年6月4日付の財務省自らの報告書と88回、平成30年6月14日付の会計検査院の参議院予算委員会に対する中間報告書と51回、相違しており、合わせて139回の答弁が報告書と矛盾した虚偽の答弁だとしました。

 この審議では、「訴訟中の案件だから、衆議院調査局に文書を提出しない」ことの法的根拠がないことも、財務省官房長や、内閣法制局長官とのやり取りの中で明らかになりました。

 コロナ禍でも新日常とうそぶくことが許されない、異常な日常の中で、新年度予算案の編成作業が続いています。

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【11/24】政府提出法案は実質すべて衆議院を通過、参・農水委では2法案のうち「種苗法改正案」を優先して審議入り

2020年11月24日 21時36分03秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]衆議院本会議場一般傍聴席の背面の休憩室、3年前の2017年、宮崎信行が衆議院事務総長の許可を得て撮影・所持・掲載。

 東京地検特捜部が直告を受けた安倍晋三後援会による「桜を見る会」での公職選挙法または政治資金規正法違反に関して、公設秘書らを任意聴取して、5年間で800万円ほどの収支が合わない証拠を入手していることが読売、NHKなど各社報道で分かりました。

 この件と関係して、検察庁法改正案と束ね改正となっていた、65歳定年の一連の法案のうち、唯一の継続審査となった「地方公務員法改正案」(201閣法53号)は今回の第203回臨時国会では審議されません。それ以外の内閣提出法案は、きょうすべて衆議院を通過しました。このため、森山国対委員長から見れば「新規閣法成立率100%」安住国対委員長から見れば「継続も含めた閣法成立率90%」で年を越すことになります。

【衆議院本会議 令和2年2020年11月24日(火)】

 「日英EPA承認案」(203条約1号)は共産党反対、自民党・公明党・立憲民主党などの賛成多数で承認され、その旨が参議院に通知されました。

 この後、議員立法5本が上程されました。この時期にしては異例。第48期衆議院では最後の議員立法の収穫期となりました。

 手続きを簡素化する、「NPO法改正案」(203衆法4号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。

 少子高齢化と過疎化を踏まえた域内でのモビリティー確保などの目的・理念規定を網羅的に見直し手直しする、「交通政策基本法などの改正案」(203衆法5号)は共反対、自公立などの賛成多数で可決し、参に送られました。

 プロバスケットボールを支援する、「toto法及び独立行政法人日本スポーツ振興センター法改正案」(203衆法6号)は共反対、自公立などの賛成多数で可決し、参に送られました。

 「令和2年7月豪雨の義援金差し押さえ禁止法案」(203衆法7号)は全会一致で可決しました。この法案をめぐっては、公明党、立憲民主党などが党議として明確に「恒久化」を求めていましたが、時限立法のみ提出されました。その法案の採決で、公明党、立憲などが賛成したことになります。こういう態度を後でSNSなどで拡散して党の姿勢を攻撃するケースがありますが、公明党も立憲も恒久化を求めていたということは書き残しておきます。

 「労働者協同組合法案」(201衆法26号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。今期で引退する議員も発議者に名を連ねました。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 理事会とあわせて、委員会での通信機能を切ったタブレット使用や、代表質問での菅首相の「国民の支持もそこそこにある」を「国民の支持もそこになる」とする会議録修正などが決まりました。

【衆議院財務金融委員会 同日】

 一般質疑。この中で、衆議院予備的調査について、川内博史さんが、安倍晋三前首相の答弁との相違点について、衆議院調査局から答弁を得たようですから、後で、別のエントリー記事で書き起こしたいと考えています。

【参議院第1種常任委員会 同日】

 立憲3委員会(有田芳生経済産業委員長、江崎孝国土交通委員長、牧山弘恵環境委員長)はいずれも閣法の審査の予定がありませんが、きょうの衆議院本会議で「交通政策基本法など改正案」(203衆法5号)が回ってきましたので、江崎さんのところで審議するのかもしれません。3委員会のうち経産委員会だけ開かれました。

●参議院法務委員会、国土交通委員会、環境委員会は開かれませんでした。

【参議院農林水産委員会 同日】

 先週末までに衆議院から2本の内閣提出法案が送付されてきました。この2本のうち、「種苗法改正案」(291閣法37号衆修正)が先に審議入りしました。質疑は次回。共産党の紙智子委員がSNSを通じて日程を先に明かしたうえでの抵抗を呼びかけ、同僚議員らが拡散しています。私も、外資売り飛ばしの陰謀論にはくみしませんが、自家培養と登録制度の恣意性をめぐる問題点はまったく解消されないまま参議院に回ってきた、と認識しています。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「予防接種法及び検疫法改正案」(203閣法1号)が田村厚労相から趣旨説明されました。この委員会だけ、そのまま対政府質疑をし、5時間半で会派が一巡し、次回に持ち越しました。

【参議院内閣委員会 同日】

 「一般職国家公務員給与法改正案」(203閣法5号)と「特別職国家公務員法改正案」(203閣法6号)が河野公務員制度相から趣旨説明されました。質疑は次回。衆議院では閣法5号は共産党が反対し、閣法6号は全会一致でした。

【参議院総務委員会 同日】

 「郵便法など改正案」(203閣法3号)が趣旨説明されました。質疑は次回。衆では全会一致で可決しており、嗚呼昔日の栄華はいずこ日本新聞協会は軽減税率は通せたのに土曜配達廃止にはもはや打つ手なしのようです。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「防衛省職員給与法改正案」(203閣法7号)が岸防衛相から趣旨説明され、審議入りしました。質疑は次回。衆ではごく短時間の質疑時間でした。共維反対・自公立賛成となりました。

 これとは別に一部報道では、中国・武漢に領事館を開く方向で調整されているようです。早ければ次の第204回通常国会に「在外公館位置・名称・給与法改正案」(204閣法 号未提出)が提出される見通し。原発事故のときに、民主党の篠原孝衆議院議員がチェルノブイリに行ったさい、「あなたが必要とする知見はすべてここにある」と言われたそうです。世界最大面積のお国なので事故を起こした当時者の発言にしては仰々しいと思いましたが、今後も、武漢がウイルス研究の拠点となっていくことは、残念ながら世界史の真実だと思いますので、日本が情報を入手する拠点を武漢に設けることは当然だと考えます。

【参議院文教科学委員会 同日】

 「祝日法及び東京オリパラ特措法改正案」(201閣法56号)が橋本五輪相から趣旨説明されました。質疑は次回。

【参議院財政金融委員会 同日】
【参議院経済産業委員会 同日】

 ともに一般質疑でした。

●あすの予定

 午前9時から衆議院、午後1時から参議院で予算委員会。今年最後のテレビ入り国会中継となりました。立憲民主党は枝野幸男代表、福山哲郎幹事長がともに出ます。安倍晋三衆議院議員の参考人招致について、あすの理事会で話し合うことになりますが、テレビが始まる時刻も見すえて、辻元清美、森ゆう子両筆頭理事がたたかいます。午後3時18分頃から、上田清司参議院議員がテレビ入りで登場する見通し。

 また、衆議院憲法審査会の幹事懇談会も開かれることに与野党合意しており、あさっての審査会について話し合います。このうち「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)については、野党内で意見が分かれるとみられますが、会期が延長されない前提で、立憲と国民の平場での攻防がみられることになるかもしれません。

 参議院の特別委員会の定例日とされる水曜日で、「203閣法2号」と「203衆法7号」の2本が回ってきた、参議院災害対策特別委員会は順当に開催されます。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

【11/20】日英EPAも委員会可決で衆議院は終戦モードで安倍晋三委員も肖像画が歓談、議員立法はバスケをtotoに加える、差し押さえ禁止はまたまた時限法案に

2020年11月20日 22時49分58秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[画像]懲罰委員会を終えて、衆議院第五委員室の永年在職表彰議員の肖像画を指さして歓談する、安倍晋三委員(右から3人目)と石原伸晃委員(右から2人目)ら、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 米「バズフィード社」が米「ハフポスト社」を吸収合併の報。ともにコロナ禍もあり、広告収入減少。日本社はどうなる。

【衆議院外務委員会 令和2年2020年11月20日(金)】

「日英EPA承認案」(203条約1号)が採決され、共産党反対、自民・公明・立憲など賛成多数で承認すべしと決まりました。

 討論では、共産党の穀田恵二・国会対策委員長が、自由貿易の観点から反対しました。しかし、この条約は、英国のEU離脱にともない、日・EUにかわる条約として交渉したわけです。今週の共産党の討論演説はかなり雑で、仮に赤旗が部数減だとしたら国費の政策秘書にも皺寄せがいく組織ガバナンスなど思うので、そういう影響だとしたら、褌をしめなおしていただきたい。外務委の次回開催は未定。

 なおこの後の本会議への「緊急上程」は見送られ、来週火曜日の本会議で採決。なるべく緊急上程をやらないのは、2014年の松野頼久衆議院議員(当時)が提案したことでここ6年間先例といってもいい議会のルールとなっています。

【衆議院内閣委員会 同日】

 共産党の塩川鉄也・国対委員長代理が吠えました。10月6日の閉会中審査で、内閣法制局第一部長は「日本学術会議の推薦名簿に基づき、全員を任命する」との問答集を答弁。ところが、「全員」ではなく手書きの「会員」を読み誤ったため、官房長官が記者会見で修正。翌日の参・内閣委の閉会中審査で与党議員の質問に答えて、訂正しました。これに対して、「衆議院」内閣委員会より先に、参の委員会で謝罪するとは何事だ」ということで、第一部長が発言して謝罪し、塩かさんだけの補充の質疑の時間がありました。塩川さんは批判一辺倒。一般的に塩川代議士を知らない人が大多数ですが、塩川さんは定例日外の開催で審議した法案の討論でそのことにふれるなど、衆議院という枠組みを大事にしています。そういう議員はあっていい。

 これに先立ち、「NPO特定非営利活動促進法改正案」(203衆法 号)が木原誠二委員長から趣旨説明されました。毎年の報告や設立の際の事務の簡素化とデジタル化を盛り込んだ内容。全会一致で可決すべきだとなりました。

【衆議院本会議 同日】

 ここで、衆議院本会議について書きます。衆参議運で質疑を受けた会計検査院岡村検査官の再任をはじめとした国会同意人事がありました。

 続いて「防衛省などの給与法改正案」(203閣法7号)が共維反対、自公立賛成で可決し、参議院に送られました。給与法はすべて通過。

 密猟対策の「特定水産物流通適正化法案」(203閣法4号)が全会一致で可決し、参に送られました。農水関係2法案はすべて通過。

 土曜配達を廃止できる「郵便法など改正案」(203閣法3号)が全会一致で可決し、参送付。「暫定税率」で圧力が通じた日本新聞協会の力の低下を示しました。

 半壊の定義を変えた「被災者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)が全会一致で可決し、参送付。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 思い出づくりも兼ねて、公明党で今期で引退する桝屋敬悟さんが「労働者共同組合法案」(201衆法26号)で答弁し、全会一致で可決すべきだと決まりました。この法案は、院内では篠原孝さん、院外では今やなき笹森清連合会長のほか、落選した議員ら、私が知っている人がかかりかかわってきました。しかし、私はこういう法案は嫌いです。次回は27日(金)9時。

【衆議院文部科学委員会 同日】

「toto法及び日本スポーツ振興センター法改正案」(203衆法 号)が共反対、自公立などの賛成多数で可決しました。バスケットバールを対象に加えるのが柱。今国会の参議院代表質問でも言及された、プロバスケの苦境を受けて、趣旨説明で「コロナ禍の苦境のスポーツを支えたい」とされました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 「令和2年7月豪雨に限って義援金の差し押さえを禁ずる時限法案」(203衆法  号)が全会一致で可決しました。

 しかし、被災者の義援金差し押さえ法の恒久化については、開会前に公明党が公明新聞1面も使ってプロジェクトチームが活動してきたし、枝野幸男・立憲民主党代表も秋の臨時国会を開くべき一つの理由として記者会見でも言及していました。自民党内にも恒久化に賛同している議員も多いと思われますが、極めて強行に差押え禁止恒久化に反対している議員がいるとみられます。今後は、サービサー法改正が議員立法される公算も高まり院内集会も始まっています。すでに終戦モードの衆議院ですが、最後まで気は抜けません。

【衆議院国土交通委員会 同日】

「交通対策基本法及び国土強靭化法の改正案」(203衆法 号)が趣旨説明されました。人口減少を踏まえて地域公共交通の持続化が目的。採決では一部の議員が反対し、自公などほとんどの議員の賛成で可決すべきだと決まりました。

【衆議院懲罰委員会 同日】

 福田昭夫委員長が取り仕切り、安倍晋三さんや、石原伸晃さん、太田昭宏さん、伊吹文明さんらも委員として出席。理事の選任をして、散会しました。散会後には、安倍さんが後壁の永年在職議員の肖像画を指さし、石原さんと話し合う場面もありました。

【参議院本会議 同日】

 山東昭子議長が、立皇嗣の礼の奉詞を皇居で天皇陛下や、秋篠宮皇嗣殿下に手渡したことを報告しました。

 気候非常事態宣言案が朗読され、総員起立で採決されました。

 法案の採決よりも前に、法案の趣旨説明がありました。

 「予防接種法改正案」(203閣法1号)が趣旨説明され、菅義偉首相らが答弁しました。首相の本会議答弁はこれが年内最後になるかもしれません。

 この後に、法案の採決。「生殖補助医療による母子関係の民法特例法案」(203参法13号)が過半数の賛成で可決し、衆議院に送られました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

 一般質疑。

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【11/19】菅首相キングメーカー森山国対の破竹の勢いはとまらない、種苗法本会議通過しもう1本も委員会通過、コロナワクチン、祝日五輪、給与法も衆通過

2020年11月19日 21時14分58秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]自民党の菅首相=2020年9月2日・衆議院第二議員会館で宮崎信行撮影=と森山国対委員長=2019年10月17日・国会中央部で宮崎信行撮影=

 まず、最初の段落で、補足をさせてください。おととい11月17日(火)の参議院農林水産委員会の一般質疑で2007年から2010年にかけて落選していた、野上農相が「農業者戸別職補償により、余剰米が増えた」という全く誤った発言。これに対して2010年農水政務官をつとめた舟山康江さんが「生産数量目標への参加が条件だった」と猛反発し、農相が謝罪撤回に追い込まれ、審議は15分程度遅れました。きのう11月18日(水)衆議院厚生労働委員会で「労働者協同組合法改正案」(201衆法26号)が趣旨説明され、審議入りしました。きのうの衆議院経済産業委員会の大臣所信に対する一般質疑で、共産党の笠井亮さんが、持続化給付金のうちサービスデザイン推進協議会・電通受注分で、不備解消依頼書を一方的に送り付けて2週間以内に打ち切ると通達しているとし、梶山経産相が認め、善処することを答弁しました。蛇足ですが、舟山さん、笠井さんとも、森裕子参議院議員の質問に対する答弁からの流れでの紛糾でした。

 国民の行き過ぎた民主党叩きで生まれた、衆参自民過半数体制に加えて、おととしの「立憲野党18連休批判」もあり、森山裕自民党国対委員長の破竹の勢いが止まりません。

 先の通常国会では農相経験者として、柴崎コウさんが批判した「種苗法改正案」(201閣法37号)を継続審査にしました。その後、安倍首相辞任表明の夜に森山さんは二階俊博幹事長とともに菅首相路線を構築しキングメーカーに。臨時国会で、201閣法37号を衆議院で通過させ、もう1本の農林水産省提出法案もきょう委員会を通過しました。

 どういうわけか100年以上首相を出せない鹿児島県選出で、石原派所属の森山さん。先の通常国会で廃案にした検察庁法改正案は来年に先送りしたことから継続審議となった地方公務員の法案は今国会で成立しないため、安住淳・立憲民主党国対委員長も成立率100%の汚名を被ることもありません。

【衆議院本会議 令和2年2020年11月19日(木)】

 「種子法改正案」(201閣法37号)は立憲民主党・共産党が反対し、自民党・公明党・維新・国民民主党が賛成して「修正議決」で可決し、参議院に送られました。修正は一部施行日のみで、来年4月1日施行の大枠は変わりません。

 「祝日法及び東京オリパラ特措法の改正案」(201閣法56号)は共反対、自公立など賛成多数で可決し、参へ。

 令和3年人事院勧告のボーナス0・05か月分引き下げを反映した「一般職国家公務員給与法改正案」(203閣法5号)は共反対、自公立などの賛成多数で、「特別職国家公務員給与法改正案」(203閣法6号)は全会一致で可決し、参に送付されました。

 「予防接種法など改正案」(203閣法1号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。新型コロナウイルス感染症ワクチンの(1)予防接種の無料化(2)国民の接種を受ける努力義務に関する政令のつくりかた(3)健康被害が会った場合の日本政府の肩代わりーーを束ねた内容です。

 本会議では採決に先立ち、永年在職表彰が行われ、中山成彬さん、塩谷立さんが表彰されました。

 この後、「気候変動非常事態宣言」の決議文について、丸山穂高さんを除く全出席議員の賛成で議決され、環境大臣が2050年カーボンニュートラルゼロを目指すとする発言をしました。

【衆議院総務委員会 同日】

 「郵便法など改正案」(203閣法3号)が全会一致で可決し、本会議に上程されます。

 審議の中で、足立康史さんが『首都圏の都県・政令市は9都県市だが、都知事が圧倒的な力があるのでうまくいっている」とし武田総務相が「首都圏には9都県市首脳会議というものがあり、それがうまくいっているようだ」と応じるやりとりがありました。また足立さんが、前回の質疑で、本来自治税務局長に質問する内容について自治行政局長に質問し答弁してもらい続けたと詫び、委員席から「なんでも答弁できるんだよ」と野次が飛びました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 「特定水産動植物等の国内流通の適正化に関する法案」(203閣法4号)は2時間半の審議だけで採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院安全保障委員会 同日】

 「防衛省などの給与法案」(203閣法7号)は共維の反対、自公立などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 金子恭之特別委員長がとりしきり、「被災者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)を全会一致で可決すべきだと決めました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】

 井上消費者に対する一般質疑。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 坂本地方創生相に対する一般質疑。

【衆議院憲法審査会 同日】

 細田博之会長の議事により、自民党の新藤義孝さんが野党の日程を批判。石破茂さんは「政党助成法があり、国民の税金を入れているのに、憲法には政党の文字がなく、政党法もない」と指摘しました。船田元さん、山尾志桜里さんらも発言しました。

【参議院第1種常任委員会 同日】

●参議院内閣委員会と
●参議院総務委員会と
●参議院農林水産委員会と
●参議院文教科学委員会の4つの委員会は既に大臣所信に対する一般質疑を済ませましたが、審議予定の政府提出法案が衆議院から送られていないため、きょうは開かれませんでした。与党側から見れば、完璧な国会対策となっています。

 立憲野党3委員長のうち、

【参議院国土交通委員会 同日】
【参議院経済産業委員会 同日】

 は大臣所信の聴取がありました。さすがにこれ以上やると、委員長が解任されかねません。

【参議院環境委員会 同日】

 は大臣所信に対する一般質疑。

【参議院外交防衛委員会 同日】
【参議院財政金融委員会 同日】

 でも大臣所信に対する一般質疑がありました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 は集中審議を行い、新型コロナワクチンウイルス感染症について対政府質疑をしました。委員長が野党の女性の昨夏初当選の複数の議員の名前を取り違える場面がありました。

【参議院法務委員会 同日】

 「生殖補助医療による母と子の関係に関する民法特例法案」(203参法13号)が共反対、自公立などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。質疑で結果的に賛成した党からも「急ぎ過ぎではないか」「出生を知る権利を2年後の見直し規定にゆだねていいのか」との声が相次ぎました。真山勇一さんは法案の附則第3条第2項「前項の検討に当たっては、両議院の常任委員会の合同審査会の制度の活用等を通じて、幅広くかつ着実に検討を行うようにするものとする」を問題視。私としても、秋野公造さんらの議員立法で、公布するのは、天皇の御名御璽と首相らの副署なので、附則とはいえ国会に対する検討条項は行き過ぎで、私は憲法違反の懸念もあると考えます。
 
 私は法案の本則第3条第4項に「生殖補助医療により生まれる子について、心身ともに健やかに生まれ、かつ、育つことができるよう必要な配慮がなされるものとする」と、主語の無い配慮規定があるのも問題だと考えます。毒にならない、誰もきづつかない条文だけど、子の健やかに生まれ育つ配慮という重い文章が単なる理念として、主語もなく法体系に置かれてはいけない。某政党の議員立法100連発作戦につきあわされて、参議院法制局職員は、「過労し寸前」(議運理事)になり、優秀な人が弁護士転職などしてしまったのかもしれませんが、この法案の法制執務は、内閣法制局や衆議院法制局も呆れかえるであろう、代物です。もちろん提出者参議院議員の問題です。また私が最近調べたところ、現行法では「受精卵」はあっても、「卵子」という言葉は無く、その法的定義はないようですが、この法案では定義なしに「卵子」という言葉が使われています。これは衆議院で全面書き直しのうえ、理念抜きに、出産分娩により当然にして親子関係を自覚している母の親権だけを認めるような修正が衆議院でなされることに期待したいところです。

●あすの予定

 既に質疑終局が宣言されている「日英EPA」が衆議院外務委員会で採決。議員立法の起草や採決も4本ほどありそうです。今週初めての参議院本会議があります。

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【11/18】無風の菅首相ハネムーンで早々に峠越す、第203回臨時国会、「予防接種」全会一致、給与法、日英EPA、農水2本目審議入り

2020年11月18日 18時16分04秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]元新聞記者・早稲田政経卒・英語堪能ながら根っからの反知性主義者であることの表現の自由を行使する筆者・宮崎信行、先月30日、東京・六本木の日本学術会議前で。

 「変異種」とよばれる感染力が強く重症化率はあまり変わらない、と東大医科研が研究したコロナウイルスによるとみられる、第3派が来たようです。人材も含めた医療リソースと、不揃いに契約満了期間が来る雇用の両方が心配です。

 第203回臨時国会は、きょう、早くも峠を越しました。当ニュースサイトが、圧倒的な速さで「秋の臨時国会が開かれる根拠」として示した、祝日法改正案と日英EPA承認案の委員会審議が終了。予防接種法改正案は全会一致で委員会を通過。給与法案も通過しました。

 アメリカでは新政権ができて100日間は「ハネムーン」とされ野党はあまり批判しない慣例があります。11年前の鳩山内閣では100日も経たない今ごろ、野党・自民党は、贈与税脱税を「子ども手当だ」と批判し、首相が検察に上申書を出す展開となり、翌年の特捜部の見込み違いによる与党議員逮捕の暴走となりました。与野党とも損です。あのころから日本人のタイ産鳴動ぶりには呆れ果てる思いだった私ですが、頃合いが来たら、批判すべきことは批判することを、忘れない。それが人間の知性だと考えます。

【衆議院厚生労働委員会 令和2年2020年11月18日(水)】

 「予防接種法及び検疫法改正案」(203閣法1号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。あすの本会議で衆議院を通過し、参議院に送付。今国会で成立へ

【衆議院文部科学委員会 同日】

 「祝日法及び東京オリンピックパラリンピック特措法改正案」(201閣法56号)が共産党反対、自民党・公明党・立憲民主党などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。この法案は、東京五輪の先送りを受けて、政府提出法案としては異例の遅さとなる5月下旬にあわてて提出され、当初から先送りが予想されていました。そうはいっても2021年の祝日なので年内の成立は確実視されているという、衆参自民単独過半数の緊張感のない与野党のぬるま湯の中、ようやく通過しました。

【衆議院外務委員会 同日】

 「日英EPA承認案」(203条約1号)質疑の終局が宣言されました。次回の委員会は20日(金)9時半なので、来週24日(火)に本会議を開いて、参議院に送るもよう。

【衆議院内閣委員会 同日】

 異例の2段階勧告となった令和2年人事院勧告に伴い、ボーナスを0・05か月引き下げるマイナス人勧を反映した「一般職国家公務員給与法改正案」(203閣法5号)が共反対、自公立賛成多数で可決すべきだと決まりました。同時に審議された「特別職国家公務員給与法改正案」(203閣法6号)も採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

 共産党の塩川鉄也国会対策委員長代理は討論で、一般職について「国立大学法人等も含まれ労働者への負のスパイラルになる」とマイナス人勧を批判しながら、特別職については「当然だ」としました。一般職の法案が成立すると、裁判官、検察官、防衛省・自衛隊職員のボーナスも引き下げられます。私も今回初めて知りましたが、防衛省・自衛隊職員は特別職ですが、ボーナスは一般職国家公務員法に準拠して引き下げられる仕組みだそうです。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 「特定水産物等の国内流通の適正化等に関する法律案」(203閣法4号)について野上農相が「違法な漁獲を防ぎ、水産資源の持続可能性を高める」と趣旨説明をしました。質疑はあす。今国会内閣提出法案が2つかかっていた、農水委でも2本目の法案が審議入りしたことから、今国会は峠を越しました。

 ちなみに、昨日付の京都新聞に「法律を作っても効果ないと政府自ら認める ではなぜ急ぐ、種苗法改正案の採決」との記事が出ているようですが、素直な私としては、この203閣法4号を今国会の会期にはめて成立させるためです。根っからの反知性主義の私にとっては、日本学術会議問題の不発など、新聞というのはまさに反知性主義の対象だと痛感しました。反知性主義の対象となるインテリは、面食らった顔になってその後アクションできなくなり、そこから何も進まなくなりますね。

【衆議院財務金融委員会 同日】

 麻生太郎財務大臣兼金融担当大臣の所信的あいさつに対する一般質疑がありました。立憲民主党の海江田万里さんは「地域金融機関の再編に関して、今度の国会は日にちも短いが、支援策の打ち出しについて議論したい」としました。ちなみに、先の通常国会で成立し、菅義偉首相も総裁選の記者会見で言及した、地銀再編の独禁法特例法は来週2020年11月27日(金)に施行のようです。この日から、動きがでるかもしれませんので、新聞社の支局記者は頭に入れた方がいいかもしれません。委員室に戻って、日本銀行が地銀の再編の支援策だとして当座預金勘定の付利を年0・1%上乗せするとするとの情報について、金融政策決定会合で話し合われておらず、黒田東彦総裁が知らないところの話ではないかとの指摘も出ました。このほか、野党からも第3次補正予算案の編成についての問いがありました。当面は、国会ではなく、3次補正です。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 大臣所信に対する一般質疑がありました。

●参議院本会議は定例日ですが開かれませんでした。

●参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会は、水曜日が定例日だとされていますが、開かれませんでした。

 きょうの読売新聞の報道だと、「まち・ひと・しごと創生会議」の議長を、首相から地方創生相に格下げる、とされています。政権再交代後の7年間、「地方創生」を唱えてきた、自民党の県会議員は説明責任があると思います。石破茂さんが地方創生相になったところから、安倍首相・菅官房長官が地方創生を本気でやる気がないことは明確でしたが、特区制度と重なって、東京都千代田区・港区の方がよっぽど豊かになっています。菅内閣では、坂本哲志地方創生相、井上信治消費者相となっています。衆ではあす委員会が開かれる見通し。

【参議院災害対策に関する特別委員会 同日】

 小此木八郎防災相の所信的あいさつがありました。

【与野党国会対策委員長会談 同日】

 25日(水)に衆参予算委員会の集中審議を開くことになりました。ことし最後のテレビ入り国会中継となりそうです。野党にとって「年内の決定打」と極めて厳しい情勢。

●あすの予定

 他の法案との「アンブレラ調整」のため遅れていた委員会も衆参とも開かれ、与党側からみて、極めて順風な日程が続きます。

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