【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【12/2】参議院本会議で、改正予防接種法、改正種苗法、改正toto法、改正NPO法、交通政策基本法など改正法が成立、残るは日英EPAと水産物流通適正化法だけに、衆で生殖補助医療委員会で可決

2020年12月02日 16時53分18秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
 朝10時22分の参議院本会議散会後すぐに出した記事を手直しして、きょう全日の国会の動きをまとめます。

【自公維国対委員長会談 令和2年2020年12月2日(水)】

 維新の遠藤敬国対委員長と自公との会談があり、会期を延長せず、年内に閉会中審査をするよう求めました。

【野党国対委員長会談 同日】

 維新を除く野党は会期の延長を求める見通し。今朝から各紙一斉に、広島鶏卵大手が、吉川貴盛・二階派事務総長(北海道)の農相在任中に現金を渡し、政治資金収支報告書に記載されていない疑いがあり、東京地検特捜部が捜索したことを報じました。私の手元に証拠はなく、記憶だけですが、かなり前に、吉川さんの政治資金収支報告書で、解散総選挙で2つの派閥から軍資金を受け取ったことが記載されており、自民党では極めて異例だったこともあります。党内であまり擁護がないかもしれません。野党国対は、吉川元農相鶏卵問題も、合わせ技で、集中審議などを求めていくと思われます。このほか、野党は、「新型インフルエンザ特措法及び感染症法改正案」(203衆法 号)や、「出入国管理法など改正案」(203衆法 号)を提出しました。

【参議院本会議 令和2年2020年12月2日(水)】

 上り法案の処理5本があり、すべて委員長報告だけで採決され、可決し、成立しました。

 人口減少化時代の域内交通などの基本方針などを網羅的に手直しした超党派の議員立法「交通政策基本法及び防災減災に資する国土強靭化法を改正する法律」(203衆法5号)は過半数の賛成で可決し、成立しました。公布日に施行。

 バスケを加える「改正toto法」(203衆法6号)は過半数の賛成で可決し、成立しました。公布から10日後に施行。附則には改正法施行5年後の本則全体の包括的な見直しの規定があります。

 種苗の海外流出の防止のための国内品種登録と育成権者の権利を拡大する「改正種苗法」(201閣法37号、203回国会衆送付、衆修正)は過半数の賛成で可決し、成立しました。来年4月1日施行。

 手続きを簡素化、短縮する、「改正NPO法」(203衆法4号)は、全会一致で可決し、成立しました。公布から半年後の日に、施行。

 コロナワクチン予防接種について、国政府が政令を柔軟に制定して接種努力義務規定を付けたり外したりでき、仮に健康被害が出た場合の製薬会社の補償を国政府が肩代わりする、「予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律」(203閣法1号)は全会一致で可決し、成立しました。公布日に施行。

 これで今国会の最重要法案だった203閣法1号が成立しました。今後は、「日英EPA条約承認案」(203条約1号)と「水産物の流通適正化法案」(203閣法4号)など3議案について、あす木曜日の委員会で初めて質疑。そのまま採決されるとみられ、あさって金曜日の本会議で可決し、成立すると考えられます。このうち、203条約1号は、来年1月1日午前0時に効力を持っている必要があり「日切れ」と考えられますが、順当に審議を終えることは確実。

【衆議院法務委員会 同日】

 第一委員室を使って開かれました。委員35名の法務委単独での第一委員室開催は初めてかもしれません。

 「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の母の身分を定める民法特例法案」(203参法13号)が審議されました。

 提出者の秋野公造・参議院公明党国会対策委員長は、「判例では一定の方向性があるが、身分を法律で定める」と趣旨説明しました。

 自民党の稲田朋美・同委筆頭理事が質問に立ち「民法が制定されたときに想定されていなかった」とし、法務省民事局長は「分娩者が母であり、生殖補助医療でも分娩者が母となる」と答弁しました。

 途中から、参考人質疑となりました。私はきのう電子書籍などで勉強を始めましたが、生殖補助医療(ART)の有識者は、医師・医学者以外では、日本に数名しかいないようです。そのうち2名が登場。非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループの石塚幸子さん、帝塚山学院大学非常勤講師の才村眞理さん。2人とも、出自を知る権利は2年後の検討規定ではなく、なるべくすぐに盛り込むべきだという立場のようでした。石塚さんは「出自を後から知ったことから、自分が何者か分からなくなり、家庭不和となり、今も完全には修復できていない」としました。才村さんは「国連子どもの権利条約で出自を知る権利が入っており、日本も批准している」として、国内実施法の必要性を説きました。私は月曜日の記者会見で、石塚さんが既に41歳(以上)であることに驚いて、少しだけ勉強を始めましたが、そういえば私が小学生だった頃に「試験管ベイビー」という言葉で報道され、私もおどろおどろしい強い印象を持ったことを思い出しました。今は、生殖補助医療(ART)で呼ばれ、主導者はノーベル賞を慎重な審査でなかなか受賞できませんでしたが、今は受賞しており、安全性も含めて権威づけられています。現在の日本では3%ほどの子供がARTで生まれており、菅政権のもと、健康保険適用となりました。

 きょうの審議の印象では、たしかに法案成立を急いで、出自を知る権利は2段階での改正でもいいように感じました。

 採決の結果、共産党が反対し、自民党、公明党、立憲、国民民主党などが賛成して、可決すべきだと決まりました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

 金子恭之・衆議院災害対策特別委員長が趣旨説明し「令和2年7月豪雨に限った義援金差し押さえ時限法案」(203衆法7号)は質疑、討論なく、直ちに採決され、全会一致で可決すべきものだと決まりました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑がありました。田村憲久厚労大臣は「野党は、GoToばかりにこだわらなくてもいいのではないか」と答弁しました。

【衆議院科学技術・イノベーション特別委員会 同日】
【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
【参議院地方創生及び消費者特別委員会 同日】

 大臣の所信的あいさつに対する一般質疑があり、行政監視をしました。科技・イノベは、井上科技相と平井デジタル相が出席しました。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】
【衆議院北朝鮮による拉致問題特別委員会 同日】
【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】
【参議院北朝鮮による拉致問題特別委員会 同日】

 茂木外相のほか、河野沖北相、加藤官房長官兼拉致相が所信的あいさつをしました。衆院側の拉致特では、小此木国家公安委員長も3人目の閣僚として、所信的あいさつをしました。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】

 委員会ではなく、理事懇談会を開き、あすの開催で合意しました。

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インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki


 大臣の所信的あいさつがありました。


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