かわ遊び・やま遊び雑記

アユ・ワカサギ・ヒメマスなどの釣り情報と自然観察や山菜採りなど自然の中で遊び回った記録や雑記

利根川の天然アユは取り戻せるか?

2009年09月24日 | アユ釣り(~2023)
利根川は坂東太郎と呼ばれるように流域面積(16,840km平方)では日本一の河川です。上流県である群馬県には423もの本支流(一級河川)があって、総延長は2,934kmもあります。
そして、本流は元より渡良瀬川や烏川、吾妻川などにも天然アユの遡上がみられました。もちろん現在でもある地点までは多少の遡上は見られ、前橋の県庁裏あたりから坂東大堰あたりまでの利根川や烏川の高崎地区あたりではそれなりに釣れているようですが、その尾数は非常に少なくなっているのが現状です。

早春の利根川


その理由は、様々な問題が考えられます。
大都市を下流に抱えていて水を高度に利用するため多くの人工構造物が作られているから、稚魚が遡上できない、仔魚が降河できない、水温が低すぎる、水質が悪い、冷水病、カワウの食害・・・と様々な問題が提起されています。多分、それらの複合的な理由なのでしょうが・・・。

中でも、稚魚の遡上と仔魚の降河は中心となる課題だと思っています。
一時期、利根大堰が問題であると言われていました。確かに魚道の構造や取水方法で問題は多いのですが、それなりの遡上や降河は確認されています。
では、何処が一番のネックなのかと下流まで見ていくと、江戸川の水閘門にたどり着きました。

利根川の構造物(koizumi作成)


そうです! 利根川は銚子に流れているだけでなく関宿で分流して江戸川に流れ東京湾に入っているのです。その東京湾がアユ仔魚の「ゆりかご」となって大きく育ち、春に東京湾に流れ込む各河川に遡上して来ているのです。


東京湾には多摩川や荒川、そして江戸川が流れ込んでいます。アユはサケと違って母川回帰では無いと言われていますから10~15kmしか離れていない各河川には均等に遡上していいのではないかと思われます。
ところが平成18年度を除いて江戸川(実際は江戸川では調査していませんので、利根大堰での遡上量で比較しています)の遡上量が極端に少ないのです。例えば平成20年度は多摩川(調布堰)で139万尾、荒川(秋が瀬堰)93.9万尾、利根川(利根大堰)31.7万尾となっています。
あくまでも推論ですが江戸川水閘門はアユをはじめとした多くの魚類の海と川との行き来に大きな影響を及ぼしているのでしょう。此処を通過できない限り利根川への大量遡上は望めないのかも知れませんね!


詳しくは私の友人である福田睦夫氏が書いているレポートぐんまの利根川に遡上する天然アユをお読み下さい。


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