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二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

名器と言うのは有るものですね。

2011-01-28 09:40:12 | ■工房便り 総合 
昨日ある中国人の演奏家のお宅にお邪魔しました。

お宅にお邪魔して、挨拶もそこそこに、

そこに並んだ30台くらいの二胡を早速弾かせていただきました。

何と言っても秀逸だったのは、

王 瑞泉

王 国興

親子の楽器、老紅木

一台はチンチャン、

一台はレッドサンダー(小葉紫檀、インド紫檀、日本名コウキ紫檀)

材料の名前はともかく、その木の扱い、そして

皮の扱い、

ああやっぱり、と納得する作りだった事がとてもうれしかったことです。

しばらく先生の演奏を聴かせていただき。

恐れ多くも、先生の前で、私も弾かせてもらいました。

弾かないことには、音が解りませんので、恥を忍んで、、、、

なんと弾きやすいこと、これだけ弾きやすいのは今までの中国製の二胡ではほぼ出会ったことが有りませんでした。

ちなみに空弦きり弾けないほぉさんにも弾いてもらい、

「どう?弾きやすいでしょ。」

「こんなのは初めてですね、何故ですか?」

先生曰く「名人だから。」

皮を触らせていただいて、光にかざして裏から皮を覗くと、

嬉しいことに私の皮の扱いと同じようでした。

要するに、皮の周辺部が薄いのです。

薄く削ってあります。

もちろん、作家それぞれに削り方の違いは有るのでしょう。

要するに、スピーカーのウーハーと同じく、周辺部を薄くすると、振動を敏感にとらえますから、

どんなに小さく弾いても、それはちゃんとした音になります。

今まで弾かせてもらった、中国製の二胡の中で、

皮をこのように削っている二胡はこのお二人のだけでした。

みんな研究しているのだな、と言うようなお話がたくさんあり、

1950年代に、今の形の二胡に確定した後、まだまだ作家の方たちも、

少しづつ形や、皮の扱いなど、まだまだ研究途中なのです。

とのこと、

お別れの最後に、

「あなたも、この二胡の研究に一石投じて下さい。日本人の木工技術は優秀なのですから、」

とのお言葉頂き、今年一番の寒さの夜、ほぉさんと二人でなんだか気持が暖かくなって

帰途につきました。

西野和宏
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3 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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名器とは (すう)
2011-01-28 21:09:00
自分の二胡と友達の二胡、そして西野さなの二胡しか弾いたことがないので、プロの所有する名器とは、どんな音なのかまったく想像がつきません。
今後のために一回弾いてみたいものです。
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二胡王 (Jimmy)
2011-01-28 22:16:30
と呼ばれる王瑞泉さんですか。
私も実物を弾いたことはないですね。大変羨ましいです。

某楽器店に王親子の二胡が置いてありましたが、本物かどうか・・・

子息の王国興さんも二胡製作をはじめて30年ですもんね。

やはり名人とか人間国宝とか大師とか呼ばれる方の渾身の一作ってものを拝見したいものです。
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ライバル (nishino)
2011-01-29 10:23:26
と言っては怒られそうですが、
久しぶりでファイトと言う感じです。
いいですね、こういう相手がいるのは、
王瑞泉師の楽器は弾きこまれているせいも有りますが、安定度と言うのは抜群。いわゆる二胡の音と言うのがだれが弾いても出ますね。
楽器はこうあるべきと言うか、これが楽器としての普通だろうという感じですかね。
王国興しの二胡は、秀才を感じさせます。
王根興師の二胡が天才を感じさせるのとは違います。王根興師の楽器は、良い物はホントにとびぬけていますが、、、弾きこんでみないと結果が分からないところがあるそうなのです。
その点、王国興師のは作ったものが全て合格点と言う、安定度があるというお話でしたし、弾き比べてその意味がよ追く解ります。
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