けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

細部の細工

2012-04-14 21:44:54 | 浜あるき
ほんの一例ですが。
写真左は、外みよし(水押し=船首)。
木の芯の赤い部分を使います。

     

右は、船張り(ふなばり)の外板部分。
左右の舷側を1本の角材で貫いて留めています。
決して抜けることがないよう、2か所を割ってくさび型の木片(ヤ)を埋め込み、
固定しています。深い知恵です。

ご健在!船大工さんのお師匠さん

2012-04-14 21:44:05 | 浜あるき
71歳の船大工さんが、15歳で弟子入りした造船所の、
当時の社長さんがご健在だとわかって、お訪ねしました。
昭和30年代に、北洋漁業の大型漁船を木造で作っていたそうです。
間もなく86歳!! でも、かくしゃくとして、とてもお元気です。

チリ津波と今回の津波と、2度の津波に遭われています。
チリ津波後の再起の経緯も、とても数奇なお話。
今は息子さんに代替わりしていますが、今回の津波被災後、
「漁船の修理もする造船所は、地域には絶対に必要。再建しなさい」と、
現社長の息子さんを励ましたそうです。

     

かつて7本のレールが敷かれていたドックは、このありさまです。
それでも、再建の工事が始まっていて、7月には一部が完成する予定。
さらに、この春大学を卒業したお孫さんが、故郷に帰ってきて、自社に就職したそうです。
3世代の結束、すばらしいお話でした。

宮城・美里町の農園レストラン「野の風」

2012-04-14 21:43:09 | 野良あるき
宮城の女性農業委員の会、会長の伊藤さんが経営している農園レストラン「野の風」。
地域の食材を使った郷土料理が人気です。

21ヘクタールの水田と、野菜畑の作業のかたわら、
10年前、農産物直売所に小さな食堂を出し、お惣菜の販売も始めたのが起業の始まり。
一昨年には、国の補助事業で融資を受け、念願だった農園レストランをオープンさせました。
仕事はバリバリなのに、お人柄はふっくらと穏やか。
今、日本の農業の半分以上を、じつは女性が支えているのです。

貿易自由化TPP、価格の安さとテレビ情報に操られて動く消費者(塩麹、ヨーグルトとかね)。
日本の食糧事情(農漁業)はぞっとするほど危機的です。
このままでは近い将来、食糧危機は必ず訪れます。アフリカの話じゃなくて、日本の話です。
どうしてそのことに気づかないのかな~。

   

「野の風」のお座敷に泊めてもらいました。家庭の味の朝食が、つくづく美味しかった!
帰りには、おはぎ、草もちの黄粉まぶし、焼きおにぎり、がんづき、蒸しパン、
五目おこわ稲荷、舞茸ご飯、ずんだ餅など、山のようなお土産をいただきました。
お米、大豆(みそ、黄粉)は自家生産。
どれもとっても美味しそうで、遠慮出来なかった…。

帰りの新幹線では、五目おこわ稲荷をつまみに、
前夜、伊藤さんにご馳走になった一ノ蔵「すず音」を見つけてお供に。
一ノ蔵と伊藤さんは、漬物部門に野菜を出荷している縁があるそうです。

カツオ、ただいま八丈沖

2012-04-10 21:49:25 | 浜あるき
南房総の館山漁港に、宮崎のカツオ一本釣り漁船が入っているのに出会いました。
3月に宮崎を発ち、三重沖でしばらく釣ってから、清水・焼津を経て、
1週間前から八丈島沖で釣り始め、昨日は勝浦に水揚げしたそうです。

館山への入港は、エサのイワシと燃料補給のため。
カツオのエサは、生餌=生きたイワシです。
館山には巻き網でエサ用のイワシをとる漁船があり、
港内にはいくつも生け簀があって、イワシを活かしてあります。

      

東京湾の反対側、横須賀にもエサ用イワシの巻き網漁船があり、
カツオ一本釣り漁船は、そっちで補給することもあるそうです。
面白いですね~

燃料屋さんの一角に「大漁風呂」?
立ち寄る船員さんのためにサービスでしょうか。
カツオ一本釣り漁船は、カツオの群れを追いながら北上し、これから三陸沖、
そして北海道まで行き11月まで釣って、やっと宮崎に戻るのだそうです。
21人の乗組員のうち、6人がインドネシアからの研修生でした。

南房総

2012-04-10 21:48:46 | 浜あるき
館山は、太平洋側の枝サンゴ群落の北限。
南国のパワフルな自然が満ちています。

     

洲崎神社の、県指定天然記念物、照葉樹の森。
満開の桜さえも、野性的ですてき。
安房神社の境内では、クスノキの紅葉と新緑がきれいでした。