けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

海のものが山で化ける

2011-01-23 10:07:47 | 野良あるき
先週、岐阜県の山岡町(合併して今は恵那市)という5000人ぐらいの町に行ってきました。
ここの名産が、“細寒天(ほそかんてん)”。
長野県の茅野などで作られている“棒寒天”よりも細いのが特徴。
夜は零下の凍える寒さなのに、日中は晴れて10℃近くなる気候風土が産んだ産業です。
細寒天は30分ぐらい水でもどして、そのままサラダや酢の物で食べられるらしいです。便利!!

   

こうやって、田んぼに一面広げて干します。
夜の間に凍って寒天から分離した水分が、日中の陽射しに融けて流れ落ちる“天然フリーズドライ”。
海でうまれた海藻テングサが、遠い山あいの田んぼで干し寒天になるって、すごいコラボ!!

この町で、89歳でも現役ばりばり、農業をやっているおじいさんに会いました。
野菜を色々と作っては、町の保育園と小・中学校の給食に提供しています。
しかも、地元の野菜を使った郷土食の給食が、先日、全国コンクールの最優秀賞を受賞!!

この方の家族構成がすごい。何と、4世代9人の同居。
89歳のこの方の夫妻、長男夫妻、そのまた長男の孫夫妻、そして小学校2年生を頭にひ孫が3人!!
(ひ孫たちは、じいちゃんの野菜を家でも給食でも食べています)
3世代の夫婦がそろって同居しているのは、この地域でも珍しいとか。
最近、孤族とか孤独死とかが、社会問題になっていますが、まるで別世界のお話のようです。

やっぱりニッポンの田舎は元気だな~!

町の方から、お土産に“カラスミ”をいただきました。
とはいっても、ボラの卵巣を干した珍味のカラスミではなく、米粉のお菓子。
寒天のように、海のものが内陸までやってきて“化けた”?
黒糖のやさしい味。ごちそうさまでした。