月と蟹
2011-10-13 | 本
図書館で借りて、道尾秀介の「月と蟹」を読みました。直木賞受賞ということで、聞いたことがあったので、読んでみました。道尾秀介の本を読んだのは初めてですが、読みやすくて、すいすい読めました。いじめられたり、虐待されたりしている小学生の男の子が、秘密の場所で、ひとときの楽しみを見つける。ヤドカリを神様に見立て、ヤドカミ様に願いをかける。遊びで始めた儀式が、いつしか彼らの心の闇をさらけ出すことに。彼らは神様に何を願うのか。そして、願いはかなうのか。こういう、幼い少年ならではの、心の闇を描いた話は、心が苦しいけれど、引き込まれてしまいます。後半のクライマックス部分がとても面白くて、一気に読み進みました。ラストは、このまま闇が続くような重苦しい感じではなく、一旦リセットという結末だったので、するりと終わってしまった、という感じですね。