きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

ナイルバーチの女子会

2015-08-10 | 


今日も暑い一日でした。午前中は家で仕事をして、午後は家庭教師でした。図書館で借りて、柚木麻子の「ナイルパーチの女子会」を読みました。発売当時、結構話題になっていたので、図書館で見つけて借りてみました。この作家さんは、「ランチのアッコちゃん」「3時のアッコちゃん」「本屋さんのダイアナ」に続く4冊目です。

今回は、なんか文章が読みにくかったです。いや、読みにくいというほどではないのですが、すいすい読み進む感じではなくて、文字が多くて結構時間がかかった印象です。話はなかなかエグイ感じで、ひきこまれていきますが、私にはよく分からないなあ、というのが正直な感想です。

大手商社につとめる栄利子は、お嬢様で美人で仕事もできる女性です。一方、翔子は、だらしない主婦ぶりを面白く綴ったブログが人気の専業主婦です。ブログを通じて出会った二人。正反対のようでいて、人との距離感がうまくつかめず、女性の友達がいないという点では共通点があり、惹かれあい、やがて反発しあいます。最初は、ストーカーとなった栄利子に恐怖を感じますが、結局は翔子も同じ穴のむじな、そうして二人とも壊れていきます。

「ナイルパーチ」とは魚の名前です。生態系を壊し共食いもする外来種の淡水魚「ナイルパーチ」に自分たちをなぞらえ、女子会で普通に女友達と楽しく過ごすことができる人に、激しい羨望と憎しみを覚える主人公たち。帯には「彼女の友情が私を食べつくす」と書かれています。家族や周りの人たちとの関係により、いろいろなことに巻き込まれていきますが、基本的には二人の視点で、人との接し方にとまどう様子や、自分だけは正しいと思って人を傷つける様子が延々と続きます。人を攻め立てるセリフや、自分は正しいという思い込みなど、ぞっとする言葉が続き、なかなか重い話です。こんな感じに近い人もいたなあという気もしますが、こんなに思いつめないと人と関わっていけないのかあと、どんよりした気にもなりました。面白かったという印象ではありませんが、でも、読んで良かったとは思います。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする