百年法
2013-09-25 | 本
蒸し暑い一日でした。夜には雨になりました。図書館で借りて、山田宗樹の「百年法」上下巻を読みました。少し前に話題になった本ですが、ようやく読んでみました。上下二冊、読み応えのある長さで、それほど相性のいい文体でもなかったので、ちょっと戸惑い気味でしたが、話は面白かったので、一気に読みました。
不老不死の薬が開発されたという、近未来のSF風設定です。誰も死ななくなると、人口が増えすぎて困るので、不老不死の治療を受けてから百年経ったら死ななければいけないという法律が制定されます。不老不死は、夢のような薬ですが、老いることなく変わらない自分が百年生き続けることが果たして幸せなのか、そして、百年経ったら明日までの命ですと区切られる人生は、老いて確実に死ぬけれど、いつ死ぬか分からない人生より幸せなのか、権力者は百年を越えても生き続けられるという特権を設けてしまった法律に意味があるのか、なかなか考えさせられる話でした。最後は、なるほどそういうオチかあ、ということで、切なくあっけない結末を迎えます。なかなか面白い物語でした。