傍聞き
2012-04-30 | 本
珍しく、文庫本を買って読みました。長岡弘樹の「傍聞き(かたえぎぎ)」です。帯に「おすすめ文庫王国 国内ミステリー部門ダントツの第1位!」とインパクトのある文字が書かれて、本屋にたくさん平積みされていたので、つい買ってしまいました。4つの話が入った短編集です。
表題作の「傍聞き」は、女刑事とその娘が主人公です。「傍聞き」とは、「かたらわにいて、人の会話を聞くともなしに聞く」という意味で、「どうしても信じさせたい情報は、別の人にしゃべって、それを聞かせるのがコツ」ということで、タイトルを見ただけで、どんなトリックなのか、わくわくしました。でも、いい意味で想像を裏ぎる結末が用意されていて、とても面白かったです。
「迷走」では救急救命士が、「899」では消防士が、「迷い箱」では出所直後の元受刑者が、それぞれ、謎の行動を起こします。特殊な環境で、不思議なことが起こりますが、ためいきをつきたくなるような、結末が待っていて、楽しませてくれます。どの話も、短編なのに、印象深い、面白い話でした。