「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

2024欧州議会選挙と各国国内政治とウクライナ紛争<2024.06.10

2024-06-10 19:43:07 | ヨーロッパ

2024欧州議会選挙では、ウクライナ紛争が相当選挙ネタに利用されていました。
特にフランスでは、その傾向が顕著でした。
マクロンは、投票日前にウルトラCを連発しましたが、結果にはほとんど影響がなく、野党ルペンの率いる国民戦線の圧勝でした。
その結果、フランスでは総選挙が急遽、実施されることになりました。

今回の欧州議会選挙には、各国の国内政治が当然反映されています。
フランスの場合が、一番分かりやすいです。
※大統領のマクロンは、欧州議会の第3会派である「欧州刷新(RE)」のリーダーです。
議席数20議席減の82議席
※野党の極右勢力のリーダーのマリーヌ・ルペンが事実上のリーダーである欧州議会第6会派の「アイデンティティーと民主主義(ID)」が49議席から60議席に躍進。第5会派に格上げ。
フランス国内では、第1党です。

フランスでは与野党がダブルスコアで逆転しました。
そのためマクロンは、起死回生の(自爆)議会解散に打って出ました。
単なる、自爆にすぎないような気もしますが❓
記事
『欧州議会選、中道右派が過半数確保の見通し 極右も躍進しフランスは解散総選挙へ』
https://www.bbc.com/japanese/articles/crggek1gl2go
『仏で極右が躍進、下院解散へ 欧州議会選』
2024年6月10日 9:59
https://www.afpbb.com/articles/-/3523476?cx_part=top_topstory&cx_position=2

※ドイツを見てみます。
欧州議会第1会派の「欧州人民党(EPP)」は+10議席で186議席と議席数を伸ばしました。

ドイツの現在の連立政権
『ドイツ3党が連立で合意、ショルツ新政権が12月発足へ メルケル政権に幕』
2021年11月25日
https://www.bbc.com/japanese/59411875
社会民主党(SPD)(第1党)
緑の党(第3党に躍進)
自由民主党(FDP)
「信号」連立とも揶揄されています。
「穏健左派+極左+右派」
完全、数合わせの野合内閣です。
国内政治でも相当、批判が強いです。

第1党のドイツ社会民主党は、極右「ドイツのための選択肢(AfD)」に敗北して欧州議会では、ドイツ内第3党に転落(得票率14%)。
極右「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率16%でドイツ内第2党に躍進。
と言うことは❓
国政では第3党の緑の党は、第4以下に転落。
国政では連立を組む政権与党が、全部討ち死にしました。

つまり、欧州議会選挙ではドイツ国内の最大勢力である中道右派、「キリスト教民主同盟CDU」が大きく盛り返しました。
それが欧州議会第1会派の「欧州人民党(EPP)」の10議席増になっています。

そしてイギリスの総選挙では、これまでの政権与党の保守党が歴史的な惨敗をする予定です。

こうして見ると世間で言われているように極右勢力が大きく議席を伸ばしたとも言えない部分もあります。せいぜい微増と言ったところでしょうね❓
EU推進派の第1会派も10議席増やしているからです。

欧州議会選で大きな議席の変動を伴うのは、フランスとドイツ国内の政治の変化であることが分かります。
フランスとドイツでは、国内の国政選挙に先立って欧州議会選で事実上の政権交代が起きていることが分かります。
イギリスまで加えるとヨーロッパのNATO主要3か国で政権交代が起きたことが分かります。

これまでヨーロッパのNATO主要3か国は、イケイケ!でウクライナ紛争を煽りまくってきました。
フランスなどは、第4コーナーを回ってゴール直前の追い込みはひどかったと思います。
結論、3か国とも政権与党が敗北しました。

※今回の選挙で極右勢力が伸長した理由は・・・
「・・・物価高騰や移民問題、環境対策負担増大などを巡る有権者の不満・・・」
とされています。
もちろんそれも大きな理由でありますが、さほど議席数の増減がない現状を見るなら、各国の政権与党が支持を落とした結果が反映されているだけです。議席を減らしているのは全部、各国の政権与党です。

個人的には、ウクライナ紛争をメチャクチャに煽りまくってきた現在の各国の政権与党に対する批判が、対立する野党に投じられたように見えます。
あるいは、ヨーロッパ全域で農民一揆に近いような激しい抗議活動が展開されましたが、EU政府はそれに答える姿勢が見られません。EU政府は、万事こんな調子です。

議席を伸ばしたキリスト教民主同盟はドイツの野党です。
同じく国民連合は、フランスの野党です。
要は、これまでのような二元論的な「右か左か?」の政治は止めろ・と言う有権者の声が聞こえるような気がします。
「右か左か?」ではなく、話し合いや妥協も必要だと言うことです。
今、何でも二元論的に決めてしまうでしょう❓
だから現実に合わないEUの書生論的政策が多すぎるのだろうと思います。

ウクライナ紛争もそうでしょう❓
「勝つ話」だけで、交渉や妥協の話は出て決ません。
これは、歪すぎると思いませんか❓
他の問題だって、同じだと思います。
全部、強引に数の力で押し通そうとします。

※参考数字や記事
親EUの中道右派、中道左派、リベラル、緑の党は456議席
①「欧州人民党(EPP)」中道右派、キリスト教民主同盟CDU
10議席増の186議席+10
②「社会民主進歩同盟(S&D)」中道左派
133議席
2会派合計319議席(過半数割れ)
マクロン
「欧州刷新(RE)」
③20議席減の82議席ー20
「緑の党・欧州自由連盟」
改選前は71議席第4会派⇒53議席第6会派に転落

マリーヌ・ルペン
⑤「国民連合」
改選前の18議席から30議席以上に伸びる見通し
フランス国内第1党
「アイデンティティーと民主主義(ID)」
49議席から60議席に躍進

メローニ
④「欧州保守改革(ECR)」
1議席増の70議席
イタリア第1党

「ドイツのための選択肢(AfD)」
8議席から16議席に倍増、ドイツ第2党(得票率16%)
シュルツ首相のは、ドイツ社会民主党は3位に転落(得票率14%)
緑の党は敗北、それ以下
キリスト教民主同盟は、勝利

メローニ伊首相、欧州議会選で躍進 影響力強まる見込み
By Crispian Balmer、 Angelo Amante
2024年6月10日午後 6:05 GMT+921分前更新
https://jp.reuters.com/world/europe/6SXH32DNL5O5LLO5HJQUWBIS34-2024-06-10/
欧州議会選、経済が最大の関心事 移民・戦争も重視=調査
By ロイター編集
2024年6月10日午後 4:57 GMT+92時間前更新
https://jp.reuters.com/economy/J6YSRGHJ3BLDRJBH4ZFJWUE47Q-2024-06-10/
欧州議会選で見えた現状、欧州政界の「中心」は徐々に右寄りに
2024.06.10 Mon posted at 15:07 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35219908.html
焦点:欧州で崩れる右派への「防疫線」、EUの重要政策に影響力
By Philip Blenkinsop
2024年6月10日午後 12:42 GMT+92時間前更新
https://jp.reuters.com/economy/DBERMEI7F5L2TPABPEYBRW4LN4-2024-06-10/
欧州議会選、中道右派が過半数確保の見通し 極右も躍進しフランスは解散総選挙へ
https://www.bbc.com/japanese/articles/crggek1gl2go
仏で極右が躍進、下院解散へ 欧州議会選
2024年6月10日 9:59 発信地:ブリュッセル/ベルギー [ ベルギー フランス ドイツ ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3523476?cx_part=top_topstory&cx_position=2
ドイツ3党が連立で合意、ショルツ新政権が12月発足へ メルケル政権に幕
2021年11月25日
https://www.bbc.com/japanese/59411875
社会民主党(SPD)(第1党)
緑の党(第3党に躍進)
自由民主党(FDP)
SPD(赤)、FDP(黄)、緑の党(緑)の連立は「信号」連立


※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。