「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

覇権国家を目指し始めたインド<2023年9月

2023-09-24 11:38:04 | 東南アジア~西アジア

どの国も同じだな・と思います。
国土面積が広く、人口の多い国が豊かになり余裕が出てくると大体、自分の勢力圏の拡大を考え始めます。

中国は、その分かりやすい例で。経済力が大きくなり工業生産力が進歩してくると、中華思想が出てきて大中華圏の建設を始めました。つい最近の清王朝の時代まで中国は西欧と対極の東アジアの超大国です。中国が、落ちぶれていたのは清王朝が滅亡して共産主義中国が誕生して国力が衰えていた、歴史的にみるとごく短期間だけです。だから中国は、普通の中国に戻っただけと言えます。

それを手助けしたのはアメリカです。中国が巨大になりすぎてアメリカの勢力圏を脅かし始めたので、今度は中国封じ込めをしようとしましたが、中国経済は世界経済の中で大きなシェアを持つに至ったので、それも上手くいっているとは、言えません。

※インドもまた大国らしく振舞うようになりつつあります。南アジアにインド圏を作りたいのですね。
例えば、「Quad・クアッド」に参加しています。
『クアッド - Wikipedia』

しかし、インドにとっては「Quad・クアッド」は中国のインド洋への進出を妨げる目的しかありません。

アメリカ・日本・オーストラリアの考える「Quad・クアッド」とは、全然違います。単に便利だから便乗しているだけで、インドには西側に参加する気は全然、ありません。

ウクライナ紛争に対する態度を見ても明らかです。西側とは対立はしないけれど迎合もしない態度であるのは、はっきりしています。中国やロシアが主催する集まりにも平気で参加しています。
ロシアのガスや石油の禁輸では、まるで正反対の行動をとりました。安いから輸入量を大幅に増やしました。今では、インドで精製された石油製品が、ドイツに輸出されている状況です。

ロシアのガスや石油の禁輸は、ロシアに対する制裁としては無意味なものでした。むしろ、そのために去年の冬はエネルギー不足で困ったヨーロッパの小国が多かった皮肉な現状があります。

最近は、カナダともめています。
『インドとカナダ、互いの外交官を追放 シーク教活動家の暗殺めぐり関係悪化』
2023.09.19 Tue posted at 18:01 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35209257.html
『カナダ首相、国内の殺人とインド政府をつなぐ「信頼に足る主張」あると発言』
2023.09.19 Tue posted at 08:35 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35209217.html

真偽は不明ですが・・・
カナダ国籍を持つシーク教の有力指導者の暗殺事件が起きました。
カナダ政府は、この暗殺事件をインドの工作員が実行した事を強く疑っています。その関与が疑われる外交官を国外追放しました。

それが、双方の外交官を追放する事態に発展して・・・
「カナダ国民へのビザ発給停止」と言う処置に発展しました。

インドは、最近独裁的な傾向を強めています。
国内における思想統制的な動きも見られます。
インドのモディ首相の言動を見ていると独裁者的な傾向が見られます。
ヒンドゥー・ナショナリズム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

昔のインドの非暴力・非同盟・平和主義は、完全に後退したと言えます。インドの民主主義さえ制限される傾向が見えます。

結果として、「Quad・クアッド」の考え方は、事実上破綻していると言えます。インド・太平洋の考え方は、無理だと言うことです。

ブラジルも似たような事をやっています。国内の貧困や混乱は、放置して今の大統領は、外交ゴッコに実に熱心です。ウクライナ紛争の和平仲介に顔を出しますが、邪魔なだけで役には立ちません。
欧米が嫌いだからロシアとくっつこうとしますが、それは筋が悪すぎると思います。

インドは、もう少し巧妙ですが余り信用できる相手とは言えません。例えば貿易にしても自国市場を囲い込む傾向が強いです。

しかし、世界は欧米中心から欧米の対抗軸が緩やかに形成されつつあるのも事実です。欧米の論理を言いすぎると、反欧米的な動きが強まるかもしれません。その中心にあるのが、中国でありインドです。幸いなことに中国とインドは、きわめて仲が悪いです。覇権主義的な傾向を持つ国同士は、大概仲が悪いのが通り相場です。

ロシアは、自分が気が付かないだけで相当落ち目の旧大国です。ロシアの勢力圏の分け取り合戦が始まっていることを気が付かないのは、ロシアが極端なプーチン独裁にあるからです。誰もロシア国内では、まともなことをプーチン氏に意見具申できないからです。

さっぱり、結論になりませんでしたね?

アングル:シーク教徒殺害巡りインドと対立、カナダの主張に同盟国沈黙の理由
Steve Scherer、David Ljunggren
2023年9月21日午後 6:04 GMT+917時間前更新
https://jp.reuters.com/economy/4ZPVY7OGNRNYXJFRZQLLL5SWOU-2023-09-21/

インドが中国封じ込めを最大限、利用しているのは確かです。



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