「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

クルスク戦線その後とポクロウシクPokrovsk戦線<2024/08/17

2024-08-17 19:19:37 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.08.16
ウクライナ軍はロシア領クルスクで領土を獲得し、自国領で領土を失う状況
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-forces-gain-territory-in-russian-territory-in-kursk-and-lose-territory-in-their-own-country/

この記事にある戦況略図が最新です。
ウクライナのクルスク奇襲作戦は大成功でロシアは、上に下にの大騒動になりました。
20万人以上の地域住民が強制避難し、ウクライナの占領地に取り残された住民もかなりいるようです。
大混乱の中でロシア軍がやったことは、主に西部軍管区・北部軍管区・中央軍管区などから部隊をかき集めてクルスク州に送り込むことでした。
多分、組織だった迎撃戦など無理だったと思います。
精々旅団程度の部隊編成をして各個に迎撃戦を展開したのではないか・と思います。

どうやらロシア軍は、ウクライナ軍の進撃阻止に成功してまず占領地域にいるウクライナ軍を大きく包囲する作戦を取ったのではないか・と思います。
今以上の被害を防ぐことを最優先したでしょうね。
まずは、ウクライナ軍の進撃を阻止してこれから反撃と言う流れだと思います。

ウクライナ軍の方は、占領地に留まり維持する構えのようです。
CNN
『ウクライナ軍、ロシアの82集落を制圧 司令部設置も』
2024.08.16 Fri posted at 06:45 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35222809.html

もうすでにウクライナ軍の方にも相当の損害が出ていると思います。
『ウクライナ軍の北部「逆侵攻」に5個旅団参加 ロシアの増援、HIMARSで撃破し阻止』
https://forbesjapan.com/articles/detail/73062
『ウクライナ軍、クルスク侵攻に2個空挺旅団を増派 損害被るも勢い衰えず』
https://forbesjapan.com/articles/detail/73109

当初、攻撃に参加したウクライナ軍は精鋭5個旅団のようです。その後、やはり精鋭の2個旅団を追加投入していますから、最初の5個旅団のうち2個旅団は、相当な損害が出たことが推測できます。

機械化旅団は、速度に優れ火力に優れています。
しかし攻撃用の部隊であり、防御に転じればその効果は薄れます。一定にエリアに閉じ込められれば、今度は逆に防衛する側の攻撃対象になります。
砲弾、ドローン、滑空爆弾、何でも降ってくるでしょう。
つまり、これからロシア軍が態勢を整えて本格的に反撃作戦を開始して、どうなるか・です。

大体、今ウクライナ軍が占領しているエリアは全域「ランセット(自爆ドローン)」の40kmの航続距離の範囲内です。占領地にいるウクライナ軍の戦車や装甲車、大砲などは全部ドローンの攻撃対象になります。
機甲部隊は止まってしまえば、砲弾とドローンの餌食です。これが2024年の戦場の特徴です。
機甲部隊を集中投入してしまえば、集中破壊のリスクと裏表です。

怒りに燃えたロシア軍は、カリーニングラードの部隊まで送り込みました。カリーニングラードはポーランドに隣接した飛び地ですから普通は、こんなところから部隊を移動したりはしないと思います。
ロシアの決意表明です。
どんな事をしてでもクルスクのウクライナ軍を殲滅すると言うことです。
余り言われませんが、クルスク州はロシア国内です。
だからロシア国内で待機している徴集兵主体のロシアの正規軍を全部投入することも可能です。その数ざっと100万人。ロシア政府とロシア国民の約束事でこの部隊はウクライナ戦線には投入できません。
しかしクルスク州はロシア国内ですので投入できます。
実際西の方を中心に各地からロシア軍をかき集めてクルスク州に送り込んでいると思います。
総勢どれくらいになるかはロシア軍しか知りません。
5万で足りなければ10万送り込むでしょう。

ウクライナの参謀本部は例によって実に気軽に考えていますが、クルスク州のウクライナ兵がこれから相手にするのは、数の知れないロシア兵です。しかも全員、復讐の念に燃えているでしょう。
私の個人的な考えは、これでクルスク州のウクライナ兵が無事でいられるとは到底思えません。
全滅する前に、さっさとウクライナ領に撤退してスームイ州の防御を固めるべきだと思います。

この数の知れないロシア軍が、クルスク州のウクライナ兵を撃破した後、ウクライナのスームイ州に雪崩れ込んでくるのは、ほぼ確実だと思います。
それが、いつか❓の問題です。
ウクライナ軍のクルスク侵攻作戦は、「ロシアの虎の尾」を踏んでしまったと思います。
問答無用でスームイ州を切り取りに来ると思います。(どの程度かは、知りません・・)
あまりウクライナ軍に明るい予想は出来ません。

(2)ポクロウシクPokrovsk戦線
当然のことながら怒り狂ったロシア軍は東部戦線のポクロウシクPokrovsk戦線で攻撃を激化させています。

ロシア軍との市街戦が不可避となったポクロウシクPokrovskでは、住民避難が始まっています。
その手前のデイミトロフМирноградでは、これから大至急住民避難を始めるようです。
もうロシア軍は、デイミトロフМирноградまで直線距離で6kmまで迫っています。

デイミトロフМирноградの手前にあるのがフロデイフカHrodivkaです。フロデイフカHrodivkaでは市街地の東の端で市街戦が始まっています。
フロデイフカHrodivkaの西に一応ウクライナ軍の防衛ラインがあるようです。ここでウクライナ軍が防衛戦を戦うのでしょうけれど、そう何か月もは持ち堪えられないように思います。兵力差が大きすぎるからです。推定ウ1対ロ4では、土台勝負になりません。

これが分かっていてウクライナの参謀本部は、東部戦線を放置してクルスク侵攻作戦を開始したのだから、誰が考えてもポクロウシクPokrovsk戦線を放棄したとしか思えません。
そこでロシア軍の目標であるポクロウシクPokrovskとデイミトロフМирноградから住民避難が始まったというわけです。

今回は触れませんが、トレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面でも状況は同じで、やがてトレツクТорецьк攻防戦が始まり、結局ウクライナ軍は撤退するしかないと思います。
援軍が来ない以上、どうにもなりません。

このような危機的な状況を放置してクルスク侵攻作戦を開始した、ウクライナの参謀本部をどう思います❓
ドネツク州を捨てたとしか考えられないでしょう❓

こういったこととは無関係にキエフや西ウクライナでは、ゼレンスキー万歳!なのだそうです。
大統領が大統領なら西ウクライナの国民も国民です。

東部のウクライナ市民は、真剣に帰属先を考えるべきでしょうね❓
政府が国民を見捨てるなら、国民も政府を見限るべきだと思います。
ドネツク州のウクライナ軍にしても、同じです。
最早キエフ政府の命令を聞く必要はないと思います。
自分たちが生き残る道を考えるべきでしょう。
東部のウクライナ市民は救われないな・と思います。

『天は自ら助くる者を助く』

自分たちの運命を自分たちで切り開くべき時のように思います。

※関連日記
ドネツク州を放棄したかに見えるウクライナ政府の意図は何か❓<ウクライナ紛争2024/08/16
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/dfd209bdc35348f5ee5efc5c09eacf35


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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