「北の山・じろう」日記

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ザルジニー氏と新総司令官シルスキー氏の違い<ウクライナ紛争2024.2.15

2024-02-15 20:25:15 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

総司令官の交代が、戦況を変えるとは思いません。ロシア軍優位の状況は続くと思います。シルスキー新総司令官の最初の仕事は、アウデイーイウカとクピャンスクの前線視察と、現地への指示でした。それに先駆けて緊急に両方の激戦地に増援部隊を送り込んだようです。

2024.02.14
『シルスキー総司令官、アウディーイウカとクピャンスクに予備戦力を投入』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/commander-in-chief-shirsky-deploys-reserve-forces-to-audiivka-and-kupyansk/

現地への指示は・・・
「人命を守るため適切な緊急決定を下す権限を現地指揮官に委任した」
とのことです。この視察には、ウメロフ国防相も同行しています。国防相と軍のトップの指示ですから明確です。分かりやすく言うと現地指揮官の判断で撤退時期を決めてよい・と言うことであろうと思います。

ここで出てくるのは、ザルジニー氏への疑問です。
更迭直後に出てきたのが、100万のうち70万人の兵員を後方に配置していたらしいことです。違う言葉で言うと隠していたのでしょうね❓それなのに12月には前線での兵力不足を理由に40万~50万人の追加動員を提案していました。後方にいるであろう70万人は前線に送らず、追加で50万人必要だと言うわけです。

普通におかしすぎるでしょう❓
そして2年戦い続けてきた第110機械化旅団の一部の兵士は増援部隊と交代して後方に下がったようです。こんな状況を放置してきたのは、ザルジニー氏です。

一般的な評判は、ザルジニー氏は優秀な司令官で対ロシア戦争の英雄的な存在とされています。国民的な信頼も厚くザルジニー氏を信頼する国民が圧倒的に多いようです。
それに対し新総司令官シルスキー氏は犠牲をいとわない司令官で兵士からは嫌われている・と言うのが一般的なウクライナ国内での評判です。

しかし、今回の緊急の対応を見るとザルジニー氏は司令官であったとき、出来ることを何もしていませんでした。司令官の座が危うくなっていたこともありますが、ほぼ放置状態でした。ここ3か月くらいでアウデイーイウカの状況は急速に悪化し、今は市街地がロシア軍に包囲される寸前です。これに対し何の対応もしなかったザルジニー氏が果たして有能であるのかどうか❓
非常に疑問のあるところです。

そして去年(2023年)の大規模な反撃作戦の指揮です。全部、頓挫しました。主な攻撃路はザポリージャ戦線、南ドネツク戦線、バフムト戦線の3か所です。全部、失敗です。兵力を分散して戦線を広げすぎた結果、東部戦線では前線が弱体化し現在、ロシア軍優位の状況が続いています。ザルジニー氏は、やることなすこと全部失敗しています。これで優秀な司令官と言えるのか❓

70万人の兵力隠しの疑惑もあります。
ヘルソン市ドニプロ川東岸攻撃作戦は政治的であり犠牲が出るだけで戦術的な意味は全くありません。総司令官であるなら職をかけて阻止するべきでしょう。

バフムトの防衛戦でもそうです。バフムトの徹底防御を主張したのはゼレンスキー氏です。しかし当初はゼレンスキー氏もかなり迷っていました。迷ってその後、徹底防御に考えが変化しました。迷っているうちに撤退を強く進言すれば、ゼレンスキー氏も戦術的撤退を受け入れたかもしれません。その時ザルジニー氏は最高司令官としてゼレンスキー氏に適切な助言をしたのかどうか❓
しなかったからゼレンスキー氏は判断を誤った可能性が高いと思います。
バフムトを徹底防御するか戦術的撤退をするかは、本来なら最高司令官のザルジニー氏が決断する事であり、その決断をゼレンスキー氏に伝えるべきことです。
ザルジニー氏が判断を誤った可能性が高いと思います。

シルスキー大将は東部方面軍司令官として決定を受けてベストを尽くしただけです。何回も激戦のバフムトに入り現地指揮官と打ち合わせをしていました。結果として防衛は出来ず大きな犠牲を出してバフムト市街から撤退しました。シルスキー大将の責任ではなく、徹底抗戦を決断したゼレンスキー氏とザルジニー氏が責任を負うべきことです。シルスキー大将の責任のように言われています。

ここに見えてくるのは、ウクライナ軍による情報操作です。ザルジニー氏は優れた英雄的な将軍。シルスキー大将は大きな犠牲を厭わず作戦を強行する非情な将軍。
ウクライナ軍による情報操作の結果として、このような世評が出来上がったのであろうと思います。

ではなぜ、ウクライナ軍は無能なザルジニー氏を英雄にする必要があったのか❓
軍の既得権益と収益システムを守るためです。そのためには軍の言いなりのザルジニー氏の方が都合が良かったからでしょう。
更迭されるまで後方に隠した70万人の兵力を隠したままでした。ウクライナ軍に内在する兵士隠匿システムを守ったまま更迭されました。
ここにウクライナ軍が政府をコントロールする姿勢が見えます。文民統制に見えて実はウクライナ軍が政府をコントロールしている実態が隠されていたように思います。

シルスキー大将は2022年の首都防衛に成功し、ハルキウ州反撃作戦を成功させてウクライナ軍では最も実績がある有能な将軍です。

その有能な将軍はこれまで批判され、無能の極みのようなザルジニー氏は英雄として神格化されてきました。

この辺りにウクライナ軍の深く根付いた病巣があります。腐敗汚職体質が、どっぷりとはびこっているのだろうと思います。その代表が、ザルジニー氏ではなかったのか❓と個人的には、考えています。
これが正しいとは言っていません。
あくまで個人的な考えです。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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