そろそろ忘年会の季節ですね。去年は忘年会らしい忘年会がありました。
楽しかったとか、美味かったとかではない理想の忘年会。それは自称
酒豪達が昼3時から朝5時まで呑み続ける忘年会です。自称ばかりなんで、
時間が進むごとにおかしくなる人が続出します。そんな雰囲気の中では、
酒を呑まない人でもおかしくなっていきます。人には酒を無理矢理に
呑ますが、自分は全然呑めないバカな人。エロエロモードの全開で顔面が
性器のようになっている人。とにかく出来るだけ早くカラオケに行きたい
のに皆の酔っぱらいの都合上、なかなか行けずにいる人、酔った友人が
かる~く大事な秘密がバラしてしまって焦っている人など、多種多様です。
まさに酔った者勝ちの忘年会。私はいくら呑んでも酔わないので人間が
乱れ崩れていく様を丹念に観察できて非常に楽しめます。忘年会万歳。
はいはい、宴会と言えば「ゲロ」ですね!!そう、吐瀉物です!!ゲロの
話が嫌いな人はこれから先読まないで下さい。ってか、嫌いな人はって。
そういえば、芸大時代にゲロの無限ループにはまった友人がいました。
いつものように友人達といつもの下宿で呑んでいた。その日の宴会は
久々に男ばっかりだったので異様なテンションだった。ヲタクでも
ないし、別に好きでもない懐かしいアニメ「キャンディキャンディ」を
全員で熱唱していた。無論カラオケではない。ってかカラオケなんぞ
男の部屋に無い。男10人がコブシを振り上げ歌う。なぜか泣いている
バカがいる。酔いとは素晴らしいもんだ。キャンディで泣けるんだもの。
「そう゛ぁかすっ!なんてってっ!きぃにっし~ないわっ!」
「て」が一個多い事も誰も解りません。数十分後、下宿の家主に怒られる。
ようやく水木一郎アニキばりの熱気も醒めて、よくある「夜中のホントに
くだらない話」で腹がもげるほど笑っている時に堀之内(仮名)が部屋に
いない事に気付いた。酔っている皆は気づいていない。仕方がなく、酔って
いない(酔えない)私だけが彼を探しに行く事になった。下宿の周りを
あっちこっち探したがいない。芸大近くの下宿といってもほぼ山ん中に近い。
さすがに私も心配になってきた。もう一度下宿の周りを丹念に探そうと戻って
いた時、下宿の屋上に動く人影を見つけた。ひょっとしたらと思い、屋上に
登ってみたら案の定、堀之内だった。「上かよ!」と心の中でツッコミ、
大丈夫か?と確認する。私はもらいゲロをしない体質だから大丈夫だったから
良いが、彼の周囲には芋焼酎を呑みすぎた酸っぱいニオイで充満していた。
彼は呑み過ぎで吐いている途中だったが、吐く場所を完璧に間違えていた。
推測すると、堀之内は気分が悪くなり部屋の外に出た。階段を降りるよりも
上った方が外の空気を吸えると解った彼は屋上に出た。しかし、予想しな
かった階段が影響し、即ゲロとなった。お坊ちゃんであり、ジェントルマンの
彼はその辺にまき散らす事を嫌ったのだろう。バケツのようなものか、溝や
穴を探した。しかし、悪魔は笑い、誘導した先は洗濯機だった。お椀的な
くぼみがソレしかなかったし、急いでいた彼はそれに吐かざるえなかった。
ここの下宿は貧乏下宿で、屋上に古い洗濯機が数台置かれていたのだった。
そこの1台の中に吐いていました。一見、ただの酔っぱらい。ひとつ違う
事は何かの音がします。音がする方向はゲロの方向と全く同じであった。
運が悪い事に彼が吐く為に手を置いた所に洗濯機のスイッチがあった。彼の
ゲロが目の前でグルングルン回っています。彼はそれを止めようとしているが
しこたま酔っているので、逆に「強」にしてしまう始末。すっごい状態の
洗濯機内を見て、再び嘔吐する堀之内クン。自分のゲロでもらいゲロという
素晴らしいパフォーマンスでした。ひとしきり笑った後、こちらも生まれて
初めてもらいそうになっただったので、何事も無く黙って宴会に戻りました。