SIDEWALK TALK

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前野くん

2012-03-03 16:47:33 | 佐野元春
突然、高校時代の同級生、前野くんから会社に電話があった。
彼と話すのは、高校卒業以来じゃないかな。
ぶっきらぼうにボソボソと話す語り口は、昔のまんまだった。


Born to Run Born to Run

 Bruce Springsteen
 価格:¥ 1,333(税込)
 発売日:2010-06-29


前野くんは出席番号が僕のひとつ前だったから、
入学当時は席が隣ですぐに仲良くなった。
音楽の趣味趣向が似通っていて、
彼の方が僕よりも何倍も精通していた。


ふたりとも、佐野元春が大好きだった。
とはいえ、そのころは、まだ佐野さんの無名時代で、
クラスで佐野元春というアーティストの存在を知っているのは
僕ら二人だけだった。


ある日、前野くんが1枚のLPレコードを教室に持ってきて、
「オマエなら、このアルバムを絶対に気に入るはず!」
といって、半ば強制的に僕に貸した。
そのレコードは、ブルース・スプリングスティーンの『 Born to Run 』だった。


前野くんには申し訳ないが、
僕は家には持って帰らずに学校のロッカーに入れっぱなしにして2~3日後に返した。
当然、前野くんは僕に感想をきいた。
答えに窮した僕は、「A面のラストとB面の1曲目がよかった」と生返事をした。
それが前野くんの琴線に触れた。
以来、前野くんは次から次へとスプリングスティーンのアルバムを僕に貸してくれた。


その後、僕はすっかりスプリングスティーンの虜になってしまった。
いや、ボスだけじゃない。
前野くんは、いろんなロックンロールを僕に紹介してくれた。
僕のロックの先生だった。


結局、僕が仕事中ということを前野くんが慮って、
電話は要領を得ないまま、早々に切ってしまった。
とりあえず、ケータイ番号とメルアドを交換した。
今度、一緒に飯でも食べにいって、
ボスを紹介してくれたお礼を改めて述べようと思う。